フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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たとえ千里離れていても心と心でつながっている

ちょっとまとまらなくてすみません

千里とクソ親父の決着に感動したので、ピンポイントですが感想を上げておきたいと思います

長くなるのでたたみます

しょうがねぇ、読んでやるよという方はどうぞ(笑)

アタシんちの男子』は絆の物語でした。

新造さんが実の父親だと知って、ショックを受けた千里。事実を隠されていたこともショックだったんですね。

その千里を助けにネカフェに来てくれたのが、なんとクソ親父(笑)
「義男さんに言われてきたんでしょ?」
と千里が言ったのがなんかよかったです。
田辺は、千里と徹の絆を信じているんですね。
そして、千里は徹に悪態をつくごとに、復活していくように感じられました。


徹の口からは、千里が知らなかった、お母さんとの結婚のいきさつが語られます。その語り口は、まるでフーテンの寅さんが、過去に出会ったマドンナを思い出すかのごとく。
徹が語るのは、響子が話した志保の後日譚。
志保は、新造の前から姿を消した後、泣き暮らしていたわけではなく、前を見て歩いていこうとしていた女性だったんではないでしょうか。ますます徹が惚れこんでしまうほどに。
徹の語る志保さんは、物静かだけれど、凛とした女性でした。
千里の腹のすわり具合は、環境に鍛えられたものだけではなく、志保の遺伝なのかもしれませんね

血のつながりなんて関係ねぇ。
『たとえ千里離れていても心と心でつながっている』それがお前につけた名前の由来だ。
誰がなんと言おうと、俺がお前の父親だ。
そういってやれたら、かっこよかったんだけどな

千里の名前には、徹の願いがこめられていました。千里も初めて聞いたようでした。徹の心情も。
志保の入院費を稼ぐためにギャンブルに手を出したのかと千里は問います。
徹ははぐらかして認めませんが。
千里は、「クソ親父!」と思うことで、逆境に立ち向かう力を得ていたので、父親が借金をした原因が自分の母親にあったとは認められなかったのかもしれませんね。そして、志保を深く愛していた徹が、そんなことを言うわけもなく。
千里、徹に対する視線が第1話よりも大人になっています。大蔵家での風、猛、翔たちの父親との葛藤を見つめてきたことが、千里に徹に対する新たな視点を与えたのでしょうね。
志保の葬儀の回想の中の徹。すべては志保のために生きてきた徹の糸が切れてしまったんですね。痛々しいです。徹は自ら語ることはありませんでしたが、千里が徹を思いやれるようになったのでしょう。

徹は、千里に「このままでいいのかよ」といいます。
昔、千里を支えきれなかった自分を悔いて、今度こそ自分の娘・千里を彼女の幸せになる方向へと送り出してあげたいと思っているのでしょう
徹は、何が千里の幸せなのか、千里の本心をちゃんとわかっているんですね。

ばっかだねぇ、お前は。
男がひでえこと言う時はなあ、必ず裏があるんだよ。
思い出してみろよ。お前が大蔵家にいたときのことを。
どんなに口からでまかせ言ったって、一緒にすごした時間は嘘をつけねえんだから。

これはそのまま、徹と千里の関係ですよね。徹は、自分が悪者になりきることで、大蔵家に行くまでの千里に逆境を行きぬく力を与えていたのですから。

徹、最後は、ちょっと照れちゃって、お金の話をし始めます
いつもの親子に戻る合図です
戻れてしまう徹と千里が、すごくいいですね
気軽に土下座する親父に、膝蹴りを食らわす娘

徹「おまえにゃあ、優しさって者がねぇのかよ」
千里「あるわけないでしょ!・・・あんなの子なんだから!」

徹のうれしそうな顔。子供の成長を喜ぶ、親の顔でした。
千里は、「あーあ!サイテーの父親を持って、ほんっとメーワク!!」と悪態をつきながら振り返りもせずに歩き去ります
千里の完全復活です。
徹、最高の笑顔で「がんばって借金返してくれよー!」と手を振ります
「元気でね」も「また会おう」もないけど、この親子だけに通用するエール交換です。

大蔵家は千里に人と向き合うことの大切さを教えてくれました。
千里が徹を認めることが、この物語の中では欠かせない要素だと思っていましたが、こんなにすがすがしい、徹と千里らしいシーンになるとは思いませんでした。
千里が千里らしくある為には、この「クソ親父=徹」の存在が不可欠なんだと思えました。*1
やっぱり『アタ男』は最高です!

でもって、ほんの数分間のシーンで、徹の千里への思い、徹と千里の関係を私たちに示してくれた、鶴見辰吾さん。すごい俳優さんです。堀北真希ちゃんもすごい。演出も脚本もすごい。
盛りだくさんの第10話に、はしょることなく、最高の形で徹と千里の決着をつけてくれて、本当にうれしいです。


これで心置きなく最終話に迎えます

*1:しんみりしていた大蔵兄弟が、猛の帰還であっという間に活気づいたみたいに。それはもう騒々しいほどにドタバタと(笑)。