フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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ひそめた眉に隠れた愛情

響子さん

高島礼子さんについては、食わず嫌いでいたことをお詫びしたいってくらい『アタシんちの男子』で大好きになりました
ベタぼれといっていいかもしれません
美人なのにあの思い切りのよさ!姉御ですよ!
『アタ男』アダルトチームには、もう、褒め以外のないも浮かばないくらい、物語を支えていましたね。
褒め倒したいので感想中心です

今回も例のごとく記憶中心です、細部の記憶違いはご容赦ください

小金井響子 高島礼子

新造の顧問弁護士。
そのバックボーンは謎に包まれている。
現れるときはいつも突然で、周囲を驚かせている。
いわゆる、デキる女。
冷静沈着で常に無表情だが、美人で色気もあり、大人のフェロモンが漂っている。
千里とは遺産相続の手続きで知り合い、その後、何かと千里を気にかける。
一見、完璧に見えるが、実は隙だらけ。
本人が一番コンプレックスを抱いているのが、恋愛。
実は恋愛をしたことがない。昔は超ガリ勉だった。
大蔵家の遺産の隠し場所を知る唯一の人物。

登場人物紹介の「そのバックボーンは謎に包まれている。」が知りたいです
「現れるときはいつも突然で、周囲を驚かせている。」は、「大蔵家の遺産の隠し場所を知る唯一の人物」と同じ理由で、城について熟知しているから可能らしいですね。
響子さんの魅力は二面性















冷静沈着で常に無表情だが 真顔でおかしな行動をとる
美人で色気もあり、大人のフェロモンが漂っている 本人が一番コンプレックスを抱いているのが、恋愛
一見、完璧に見えるが 実は隙だらけ

これをほぼ同じトーンでやりきるところが響子の独特のキャラクターを作ってましたね。
ギャグもシリアスもおんなじ。
そもそも、響子がどれだけまじめに話したって、説明している母親10か条や契約自体が支離滅裂なんだもん。1000万を持ち込んだ時だって、まじめに話してはいるものの、やってることは冷静に見たらかなり変。
一見完璧に業務を遂行しているように見せかけて、仕事の中身はツッコミどころ満載
響子の謎は、「デキる女」が、どこまで承知していたのかってことですよね。
新造の顧問弁護士として

  • きっちり仕事を遂行しているが故に、遺言の粗には目を瞑っているのか、
  • 優秀だけれど天然なので、その粗に気がつかないまま仕事を遂行しているのか

ここが謎です
でも、このアンバランスが、響子にまつわる笑いどころになっています。無表情な弁護士を演じる高島さんは、眉をひそめることでそれらを表現してしまいました。
でも、響子の起こした高級カツラ騒動から見ると、ひどい天然なんじゃないかって気がしますが(笑)。第6話はあわてぶりがかわいかったですよね。
「千里とは遺産相続の手続きで知り合い、その後、何かと千里を気にかける。」
千里を気にかけるのも眉ひとつなんですが、千里を見つめる時田の怪しい表情にひそめる眉、時田の奇行にひそめる眉は、些細な表現ながら、響子の愛情の深さを示すものでした。この小さな積み重ねが、響子に情を感じさせ、表情はクールでも冷たい人ではないんだと私たちに思わせてくれました。
響子がシリアスになるのは、新造を語るとき。風と猛に大蔵家の養子となったいきさつを話し、千里に出生のひみつを話す大事な役割。
ほんのちょっぴりの回想シーンの映像にかぶさる、ナレーションのような響子の語り。この「説得力」のために、高島さんという優れた女優さんにいてもらわなければならなかったのだと思います。
そして、その「説得力」を支えていたもうひとつが、演出。響子の眉をひそめた表情の数々だったと思います。
時田とともに、敵か味方かわからなかった初期の響子は、徐々に豹変していく時田と対照的に、その「ぶれない姿」の安定感で、見ているものの信用を得ていったと思います。
ぶれないゆえに、眉をひそめた表情の意味も私たちにきちんと伝わり、その積み重ねの結果、新造を語る響子の言葉は「説得力」を持ち、語られるのみで表現される新造の深い愛情もわたしたちにしっかりと伝わってきたのです。
響子のその「ぶれない姿」を表現していたのは、いくつかのお約束でした
契約や母親10か条の読み上げ、神出鬼没なんかがそれに当たると思います。繰り返されるごとに、それは響子の持ちギャグのようになっていくのですが、「お約束=マンネリ=安定」につながるんですね。
お約束のシーンが狙った演出効果は二つあったんです。
弁護士の登場や契約コールで、場面を区切ったり、転換したり一話の中でのリズムをつくり、お約束を印象付けます。
そして、そのお約束を数話に渡って繰り返すことにより、弁護士の性格、存在感を強くわたしたちに印象づけていきます。ぶれない姿を作っていったんですね。
この安定感(=ぶれない姿)がきちんとあったからこそ、決して多くはない響子の出演シーンのなかでも、「響子が語る新造の意思」は物語にとって重要な「説得力」を持つことが出来たんです。

安定感については、高島さんのインタビューで、いろんなことをする時田役の山本さんに対して、響子役の高島さんは何もしないことにしたと話しています。お芝居ってアンサンブルなんだなあって、つくづく思いますね。高島さんひとりでは、響子は生まれなかったんです。
響子と時田はやっぱり対です
良い魔法使いと悪い魔法使い。でも本当は悪い魔法使いも淋しかっただけで、棘が抜けたら元の優しい魔法使いに戻りましたけどね。
最終回で新造の肖像画を見上げている二人を見て、時田と響子の要にいるのはやはり新造なのだなと思いました。
アタシんちの男子』は、新造が集めた兄弟と千里が家族になっていく物語でしたが、その外側には、もうひとつの家族の物語があったのではないでしょうか。
新しい大蔵家を見守る役割を託された響子、これからのミラクルを託された時田は、二人に未来を託した新造さんとひとつの家族(チーム)だったんでしょう。これは、語られなかった物語なので、私の想像ですけどね。



なんか、まじめな話になっちゃったので、最後に、わたしが大好きな響子さんを上げます
何にもしないって言っても、結構コメディメーカーでしたよね、響子さんは。
「どうも。山川豊です」とか、ボウリング(何故!)とか大好き(笑)
響子のお約束的ギャグとして印象的なもうひとつ。
表情が崩れる恋愛がらみ。
翔には迫れるけど、風には純情な感じがかわいかったです。最終回のお食事デートのお誘いで見せる表情など、美人女優としてどうかというほどの表情してましたね。自分の美貌を大事にしない、高島さんが好きです(笑)。
そもそも、『アタシんちの男子』に登場する女子は、千里をはじめとして、たくましいけど恋愛に不器用&恋愛の影すらない人ばかり。それが『アタ男』なのかもしれませんね。
もっとも、男子も相当だけど。智と優の恋愛バトルの中でも、気を失った千里に人工呼吸と証したキス争奪戦を繰り広げた時だって、ドキドキしながら蛸口チューなんて、いまどきどこにそんな実写ドラマがあるんだ!ってつっこんだもんね。恋愛表現に関して、恋愛に疎い方面の最右翼が弁護士だったような気がします(笑)。


公式HPの高島さんのインタビューで、高島さんを改めて好きになった人は多かったんじゃないですかね
兄弟役の俳優への言葉が印象的です。
アタシんちの男子の幸せな空気感を、現場から証言してくれています。
終わってみたら、響子は、すごく大好きなキャラになっていましたね
もちろん、高島さん。すごく大好きな女優さんになりました。


アタ男ならではな姿を見せてくれた高島さん。
是非また響子を演じる、ひそかにはじけた高島礼子さんにお会いしたいですね