新造さんの発明品への思い

• 第５話

千里：　何で息子たちと一緒にすまないの？
新造：　彼らが嫌がるからだ。あの子たちにはひどいことをしてしまったからねぇ。あの子達が産まれて育った環境は、決して恵まれたものじゃなかった。だからそんな彼らを引き取って、私は自分に酔いしれた。人助けが出来たってねぇ。・・・でも、おろかだった。何の愛情も注げなかったというのにね。気づいたときにはもう遅かった。私が出来ることといったら、憎まれ役を買って出ることぐらいだった。
千里：　後悔してる？
新造：　すごーく。だからもし千里が息子たちと会うことになったら、わたしの分も彼らを愛してほしいなあ
千里：　何度も言ってるでしょう。来ないってば。あと２３日で結婚の契約も終わるんだし。
新造：　あ〜、そうだったか
　　恐怖時計の部屋の隠し通路
響子：　このベッドの下から秘密の通路で外へ出られます
千里：　え、秘密の通路？このしたに？
響子：　おもしろいですよね。壁がドアだったりセンサーに答えられないと中には入れなかったり。新造氏はどうして、そんな仕掛けだらけの城を作ったんだと思います？
千里：　さあ？
響子：　当たり前のことを、当たり前のことと思ってほしくなかったのだそうです。今ここにいることが、かけがえのないものだと、実感してほしかったんですって。あなたにはもう、その意味がわかってるんじゃないですか？
　　ハイパワー探知機
新造：　このハイパワー探知機は
千里：　ねぇねぇ、前から気になってたんだけど、何でハイパワーなの？会社、ミラクルじゃん
新造：　ああ、確かに。このミラクル探知機は〜

千里：　金属から人まで、あらゆる物に反応するんだって
　　新造さんの遺産