新造さんの手紙
■一枚目
前略
元気でやっているか。お前が私の元を離れて
からもう十年が経つのだな。お前にはまず
謝らなければいけない。お前が私の息子であ
ること、そして母親のことを黙っていてすま
なかった。私のことを信じられず出て行った
お前にこんなことを言うのは間違っているかも
しれない。でもどうしてもお前に言っておかなけ
ればならないことがある。
私にはお前の他にもう一人子供がいる。千里とい
う娘だ。母親は違うが、お前の妹になる。千里は
私が父親であることを知らない。私は父親とは
名乗らず彼女と会い、三ヶ月間城でお前たちの
「母親」として暮らすことを条件に彼女の借金
を肩代わりした。近いうちにお前も会うことになるだ
ろう。
それから、お前に注意してもらいたいことがある。
私の秘書である時田のことだ。
彼はミラクルに来た当初から野心があり、
頭も非常に切れる男だ。
私の死後、おそらくミラクルを我が物にしようと
画策するであろう。お前たちと千里にとって
大きな壁となることは間違いない。だが、もしお前
たちが私の遺産を見つけることができれば、
大切なものを守れるかもしれない。歯をみがけ。歯をたいせつに。
親のあたまをみる。十えんハゲがあった。
蚊をたたけ。情はいらない。
蛾をたたくな。品がある。戸はしめろ。
ホワイトさんが一枚目の書き起こしをコメントに入れてくれたので、二枚目をアキノがプラスしました。ありがとうございました。