フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
「はじめに」「まとめ」のカテゴリーからどうぞ
『続きシリーズ』『その後シリーズ』など、お話を読まれる方は、
「目次」のカテゴリーからどうぞ

⑦家族の始まり

朝日の差し込むキッチンで、大根の味噌汁を7つ盛り付け、トレイに乗せる千里
「おはよ〜」と明るい声でリビングに降りるものの、誰もいない。
淋しそうな千里「本当に出て行っちゃったんだ」
突然ドアが開き、
「あ〜腹減った。」と、猛が入ってる。「おおっ、味噌汁」
千里「なんで?」
猛「あ〜?」
千里「出てったんじゃないの?」
猛「なに言ってんだよ。バイク便だよ、バイク便。高級かつらあったろ?あれを大物政治家に届けにいってたんだ。」
いい終わるか終わらないかでまたバタン、とドアが開く音。
翔「ああ〜、気持ち悪い・・・。最後の客、酔いまくりの吐きまくりで、もう大変だよ。」何事もなかったように翔も帰ってきた。
翔「おおっ、味噌汁じゃん。」
うれしそうに食べ始める翔
千里「どうなってるるのよ」
翔「え?」
千里「みんな、出てったと思ったのに・・・」
翔「んなワケねえだろ?親父と縁切ってんのに、ここに居座る連中だぞ。そう簡単に出て行くわけねえだろ」
猛「おい、それって侮辱してねえか」
翔「軽くじゃねえ、かなり侮辱してるよ、この寄生虫が」
猛「きせいちゅうだと?」箸をテーブルに叩きつけ、翔に突っかかる猛。「俺ぁ、田舎に帰ったわけじゃねえぞ。こらぁ!」
くだらないことで胸倉をつかみ合う猛と翔を見て、思わず笑う千里
二人「なに笑ってんだ!!」f:id:so_childish:20090530234413j:image
険しい顔の二人を見て、安心したような笑顔の千里
千里「いやぁ、・・・何も変わってないなあと思って。」
猛「当たりめえだろ。んな変わってたまるかよ。」f:id:so_childish:20090530234412j:image
勢いよく翔を放して、「んだよ、バーか」と悪態つきながら席に戻る猛
そんな二人を見て笑う千里かわいい。



いつもの公園のいつものベンチにカートを引いた風がやってくる。
道具を出しながら、昨日の大蔵家での出来事をことを思い出す

時田「実の父親は、・・・大蔵新造氏。」
風に宛てた巻物をみんなの前で読み上げる時田。
翔「どういうことだよ」
猛「養子じゃねえのかよ」

沈んだ顔の風



f:id:so_childish:20090530234701j:imageその頃大蔵家では、なぜか腕相撲
井上VS猛「レディー・ゴー!」
猛「まさか風が、あのジジイの本当の息子だったとはな」
寝耳に水の千里
「え?」
WINNER井上さん。翔と交代
「ああ、お前は新入りか。」
「だって全員養子なんじゃ。」
井上VS翔「レディー・ゴー!」
猛「俺らだってそう思ってたよ。」痛そうに手を振りながら「あいつだって、自分でそういってたからな」
千里「何でそんな嘘を」
悪戦苦闘する翔「もしかしたら、親父に実の息子だと認められなかったんじゃないのかな」かなり劣勢
「ああ、痛って〜」
WINNER井上さん。猛烈に腕を痛がっている翔。
「あいつ言ってたんだよ、自分の存在を全否定されたって」
首をひねりつつ、対戦に入る千里
井上VS千里「レディー・ゴー!」
勝負に身が入らない。上の空の千里。
猛「それが、あいつがジジイをうらんでいる理由」
力を入れているそぶりもないのにびくともしない千里にあせる井上さん。男二人を難なく下したのに
バタンとリビングのドアが開き智が帰って来た。
満面の笑みで迎える千里。あっさり井上を破る。
「お帰り」と小走りに智に駆け寄る千里を呆然と見送る井上。
千里「どこいってたの?」
智「ぁ、蕎麦屋で飯、食ってたら、その場で寝ちゃってさ。」
ふうん、とうなづく千里に「あれ、優は?」と尋ねる
千里「あー…、まだだけど」
猛「仕事じゃねえの?デルモは不規則だからよ」
その言葉になにも言わないが、考えるふうの翔。智も半信半疑といった表情で頷く。
敗戦に青ざめる井上さん
風実子ショックか考え事しつつ無表情で井上さんに勝つ千里。ってことは、翔や猛よりも強いんだ


バスの中で巻物を読む優
キャップ、めがね、ヘンリーネックTシャツ、ジャケット、ジーパン。スーツじゃない優、貴重

四男 大蔵優
大蔵家に来る前の君の話をしよう
優、君のご両親が自宅の
火災でなくなったのは、
君が7歳のときだった
当時の記憶を君は断片的に
しか思いだせないようだが、
君の妹はすべてを知っている
なぜご両親が亡くなったのか、
君はそろそろ知るべきだ
君の妹は火事が起きた
家の近くに住んでいる

バスは海沿いの道路を走っていた。



城の庭で巻物を読む明。
城から猛のでかい声。
明「どうしたの?」
千里「井上さんがいない」
智「これが、額縁に」
【たびにでる。いのうえさん】智が井上さんの書置きを見せる。
翔「井上さん日本語書けたんだ。」
智「井上さん、自分でもさん付けなんだよ」
千里「旅って・・・」
翔「腕相撲お前に負けたからじゃねえの?」翔が千里をひじでつついてからかった。
バイクで疾走する井上さん。かっけー。革ジャン!革パン!ブーツ!打倒千里のハチマキ!
風圧で息がうまく出来ずにパクパクしている(笑)
千里「え〜!!」
明が書置きを裏返すと
【だいやくたてた】
猛「たいやきたべた」呆れ顔の翔
千里「代役立てた!・・・代役?」首を傾げる千里
兄弟と千里がリビングに戻ると、嬉々として掃除に励む国土
猛「あ」
千里「国土君」
国土「今日から、井上さんのここでお世話になることになりました。国土豊です」
f:id:so_childish:20090530234842j:image千里翔猛智明「はあ?」


タイトル


あからさまに人相をゆがめて翔をにらみつける国土。翔はリビングで雑誌を読みながら菓子をつまんでいた。
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翔「なに」
国土「千里さんは渡さねえ。」
早速、翔をライバル視
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翔「は?」




国土「俺はわかってるぞ。お前は千里さんの子と好きなんだろう。」
「話が飛躍してない?」と翔がお茶を飲みながら適当に返事をしていると、「してない!!!!!」と国土怒鳴る。思わず耳を押さえる翔。
国土「俺はな、四年も千里さんを!」
翔「うるっさいよ。なんだよもう。」
あまり至近距離でまくし立てるから、翔に突き飛ばされてしまった。
明、国土に投函を命令しようとしたら、すぐ後ろから入ってきた明に封筒を取り上げられてしまった。
猛「なんだよ、これ。・・・ジャパンイケてる男子コンテストぉ」
智「ああ、俺、これ知ってる。」智もリビングにやってきた。「これで受かった奴、ほとんど芸能界デビューしてんだよ」
翔「何でおまえ、」
猛「わかった。お前芸能界入りしてグラビアアイドルと付き合うつもりだろう!」
明「そうだよ」
わが意を得たといった表情の猛「やっぱし」と満足げ。「じゃあ、俺が、奇跡で優勝させてやるから、グラビアアイドル紹介しろよな。」と明に取り入る。奇跡を呼ぶ男、奇跡を起こす引換に、明にグラビアアイドルの紹介を依頼 安い
明「国土、締め切りは明日までだから、今日中に郵便局に出して来い」
国土「何で俺がお前のパシリしなけりゃなんねえんだよ。」
猛「それがお前の仕事なんだよ。しょうがねえだろ、ほら」国土の手に無理やり握らせる。「早く行けよ」と背中を蹴り飛ばす。国土、ムカついて唾吐く勢いでリビングを後にする
ひらひらと手を振る智。翔もストローをくわえたまま「大丈夫か、あいつ?」と兄弟と顔を見合わせる
国土、「千里さんは俺が守る」封書をポケットにねじ込み、井上の額縁にポーズを合わせ入ろうと試みが。
角度が合わず首をひねってしまった。
国土「あいて」
大蔵兄弟、リビングから顔を出し、その様子を見てため息。
翔「だめだろ」
智・猛・明「(無言で頷く)」



ボウリング場に小金井響子。お見事ストライク
「よ、さすが弁護士」
千里のヨイショ。
千里「(振り向いてカメラ目線で)てゆうか、何でボウリング?」
響子うれしげに券を広げ、
「無料券をいただいたんです。152回分」
千里、苦笑。「がんばってください」
弁護士「風君のことですね?」
千里「はい」
ミニスカ弁護士、千里に座るように促す。
千里「本当に、新造さんの息子なんですか?」
弁護士「ええ」
千里「だったら…、何で養子扱いに?」
弁護士「風君は、自分が水商売の女性との間に生まれた子だから、新造氏に認知されなかったんだと思っています。」
千里「それが、真実なんですか?」
無言で、ゲームを続ける弁護士。見つめる千里の背後から、派手なピンクのウエアの時田が現れる
時田「ナイスボール」
あまりうれしくなさそうな表情でゆっくり振り返る響子
時田「いや〜、ボウリングやるなら、言ってくれればいいのに」
怪訝な表情で時田を見る千里に気づき「なにか?」
千里「何かじゃないでしょ。何で親父を使って、あたしを城から遠ざけたの?」
時田「ああ、あれですか?社長の思惑を誤解されたらいけないかと思って。」
千里「どういう意味」
時田「社長はご子息に、試練を与えられたのです。」
千里「試練?」
時田「つらい境遇を隠している彼らが、家族にそれをさらけ出すことによって、互いの絆を深めていく。そのために社長は、自分が嫌われてでも彼らが過去と向き合うきっかけを作ったのです」
と、さらりと言う時田
千里「新造さんはみんなを城から追い出すつもりはなかったってこと?」
時田「もちろん。まあ、ただ、過去と向き合うには、城を出て自らを省みる選択肢もあるのかなと思ってああいったんです」って、それは時田さんの意見じゃん
時田「わたしはねえ、千里さん。皆さんが城を出て行かれなかったことのほうが心配なんですよ。そんなかんたんに過去は乗り越えられませんから」
念入りに支度をするから、凄腕かと思わせといて、ドゴン。すっぽ抜けガター。レーン痛んじゃうよ。


猛(苦虫噛み潰したような顔で)×!、(智、めんどくさそうな顔で)×!、翔(にこやかな微笑で)×!
f:id:so_childish:20090530235623j:image:w200:right ブブーっと、ハズレの効果音
城では明のファッションチェック
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猛「こんな格好で優勝できるわけねえだろ。審査はな、ビジュアル重視なんだよ」
国土「どうしてこのおしゃれがわからないのかなあ」
国土コーデ(チェックシャツ、オーバーオール)今までの衣装の中で一番似合っていないぞ明(笑)
千里「ただーいまー」
明に気づき
千里「だっさ、なにそのカッコ、ありえないよ」
傷つく国土。笑う兄弟。肩を落とす「じゃあ行こうか」明を連れてリビングを出る
千里「なにしてんの?」
猛「ああ、明をジャパンイケてる男子コンテストで優勝させるための特訓。」
千里「ジャパンイケてる男子コンテスト?何で明が?」
猛「優勝してグラビアアイドルと付き合うんだってよ」
翔「そう思ってるのはこいつだけ」
猛「ぁあん?」
翔「考えても見ろよ、人前に出たがるようなタイプじゃねえだろ、きっとなんかほかに理由があるんだよ」翔は大蔵家ではやはり一番お兄ちゃんですね
翔の言葉に考え込む千里
国土「それでは、ニュー明君の登場です」。一同拍手。国土の呼び込みで現れたのは、
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猛コーデ(ピンクの特攻服+跳ね上げ丸サン+地下足袋+リーゼント)
猛(満面の笑みで)○!!! 翔(心底いやそうな顔で)× 智(ありえなーいって顔で)×
猛「おい、ちょっと待てよ、おめえら〜!!」明に駆け寄りf:id:so_childish:20090530235816j:image:left:w200
「見てみろよ背中」と背中の刺繍を千里たちに猛烈にアピール
猛が振り返らせた明の背中に巻物
猛「やっぱ、こりゃあねえよな。白はねえや、白は。着替えてこいよ、そら、なしなし」
猛が追い立てるように国土と明をリビングから締め出志、ドアを閉める。
猛「ちょっと、見たか今の」
千里「あの巻物、何?」
翔「みらくるん2号に入っていたぁ、親父の遺産」
千里「え?」
智「あの巻物には兄弟それぞれの秘密が記されている」
猛「あの中に、コンテストを受ける理由が書いてあるってことか…」
翔「確かに巻物見てからの応募だかんな。可能性としてはある」
智「でも、あの様子じゃ見れそうもねえぞ」
猛「・・・いや、俺にいい作戦がある。」
額を集めてひそひそ話の兄弟たち。猛主導で巻物奪取作戦


空き地の前に立つ優。
火事の記憶。炎の中、ぬいぐるみを抱いて「パパー!ママー!」と叫ぶ男の子。
「あの」優は偶然通りかかった男性を呼び止めねる。
優「ここで起きた火事をご存知ですか?」
男「ああ、岸田さんちでしょ。・・・かわいそうだったねぇ。本当なら、みんな無事に救出されるはずだったんだって。」
優「どういう意味ですか」
男「うん?あ、息子がそんなこと言ってたんだよ。岸田さんちの娘と同級生だったから。」
優の妹の同級生のお父さんでした
優「そのこの居場所わかりますか」


リビングの時計はまもなく9時に差し掛かる
千里「あと一分・・・」
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腕相撲 明VS猛 レフェリーは翔 ギャラリーは智
翔、苦戦する猛に「お前、弱ぇな」猛、「うっせーな」といいつつも必死の形相
みんながじりじりと待つ中、ついに!
明、9時になった瞬間眠る(笑)
千里「ほんとに9時ちょうどに寝た」
猛「言ったとおりだろ」そっと、握っていた手をはずし後ずさる
智「にしてもさ、この体勢で寝るか普通。」
翔「うっせえ」ささやき口喧嘩
猛「いいから、巻物、取れ」
千里、「し〜っ」としながら、明のポケットから巻物を引き出そうとする。翔も顔を寄せ、見守る。
突然、明がしゃきん、と背筋を伸ばす
千里・翔・智・猛「うぉ!」
驚いて一気に後ずさり、明ニ注目。
寝ぼけた明はふらりと体の向きを変え、そのせいで踏み台を踏み外す
危ない!
床に打ち付けられるぎりぎりで、明を千里が受け止める。
翔・智・猛「セーフっ」
智「おい、取っちゃえ取っちゃえ」
猛、首にかけた巻物を慎重にはずす
巻物奪取成功
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明がうわごとで、「おかあさん」
千里、その言葉を聴いて・・・


千里の部屋で巻物を読む、猛、翔、智、千里

六男 大蔵明
大倉家に来る前の君の
話をしよう
明、君が5歳のとき、お母さんが
突然君の前から姿を消したね。
父親がいない君は、何が
おきたかわからず、ひとりで
お母さんの帰りを待ち続けた。
餓死寸前になるまで
でもね、お母さんも人間だ。
きっといろんなコトが
あったんだろう
恨んでも何も解決しない
どうか、お母さんを許して
あげてほしい

智「これって、育児放棄ってコトだよな」
猛「ひっでえなあ」
千里「・・・」
翔「どうやらコンテストとは関係ないみたいだな」
千里「・・・あ、井上さん」

ファイトクラブでアームレスリングをする井上さんに電話確認。
「はい、もしもし。あ、そのコンテストなら、わたしが勧めました。なんかお母さんを探したいと相談されて、芸能人になってテレビで探してもらうか、探偵雇えって。」
WINNER井上さん。「やったー!!」の叫び声。千里あまりのボリュームに顔をしかめる。
猛「どうなってんだよ。育児放棄して失踪した母親だろ?」
智「あって文句のひとつも言いたいんだろ」
翔「見捨てた理由を聞きてえのかもな」
千里「・・・そうかなぁ。ただ純粋に合いたいだけなんじゃないのかな」
猛「んなわけねえだろ」
千里「・・・でも、さっきの『おかあさん』っていう寝言、恨んでいるようには思えなかったんだよね。」
翔・猛・智「・・・」一同納得。
智「まあ・・・、まだ12歳だもんな」
翔「どうする?奇跡を呼ぶ男!」翔が猛をぽんと叩く。
考える猛



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千里「ジャパンイケてる男子コンテストまで、あと一週間」
翔「いいか?特技披露とファッションチェック、これが、勝負の明暗をわける」熱いぞ翔
明「どうしたの急に」突然入れ込む兄たちをいぶかる明。
猛「俺たちがお前を優勝させてやる!特技はなんだ!」
千里がマイク風に手を差し出す
明「株の銘柄宛」
猛「地味すぎる〜」
翔「しかも、かわいくねえ」
猛「そこで!お前には今日スペシャルなコーチを用意した!国土!」
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音響国土のラジカセONで、マリックのテーマ。
智、リビングのドアから、堂々と登場。タキシード、かっこいい。
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智「今からお前に俺のマジックを伝授してやる」
明「なんなの」
満足そうに微笑む千里。智、すっかり自信を取り戻したんだね。
千里「あ、でもファッションのほうはどうするの?
翔「そりゃあ、あいつしかいねえだろう。」
優「とぅ」智の後ろからひらり飛び込む優。キメて「ただいま」
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千里「優〜」
智「どこ行ってたんだよ」
優「・・・う〜ん。沖縄旅行」
猛「バカンスかよ。」
智、疑わしそうに優の横顔を見つめる
翔、優をびしっと指差し、「お前をファッション大臣に任命する!」
優「え?」話が飲み込めていない。
帰ってきた優を見て、嬉そうに微笑む千里。


ネカフェ。千里親衛隊が怪訝な顔で見守る中、平次が妄想暴走中。
「国土さんの代わりに千里さんが店長としてやってきた。僕たちは始めこそ反発するんだけど、いつしか、仕事でもプライベートでもよきパートナーとなっていって・・・」平次、妄想。光あふれる中で、千里にチューを・・・。平次のビジュアル、なかなか堪能できる機会がないので、お得感のあるショットです。中津がなつかしい。
「うりゃー」
現実世界ではブリトニーに迫っていて、拳を食らう。鼻血(笑)
ブリトニー「妄想ぶっこいてんじゃねえよ」
西郷「国土さんがいなくてさびしいんでしょうね〜」
千里と翔がネットカフェに入ってくる。足元に平次。
平次「千里さん」
千里「明のお母さん、探してほしいんだけど」
鶴の一声
西郷「千里親衛隊〜!!」
千里親衛隊「イエッサー!!」
発進!
千里「ちょっと、・・・ちょっと!」。
翔「おお。すっげ〜」
千里「まだ何にも説明してないんだけど・・・」
足元には踏み荒らされた平次。ぴよぴよ


翔と千里は商店街みたいなところで聞き込み。デートっぽ

明は智とマジックに使うステッキのトレーニング。外野(猛&優)も一緒にくるくる。

聞き込みを続ける千里と翔「滝沢舞さんについて、お伺いしたいんですけど」
成果なし。住んでいたところに行ってみることにする

面接の練習。面接漢(官)役の猛は居眠り。智と優の制裁。「なにすんだこのやろう!」優だけ報復される(笑)。そんな二人を見て笑う明。

千里親衛隊の聞き込み。刑事のコスプレ。暴力的。

優先生のウォーキングの教室。頭に本を載せて歩く明。傍らでは猛と智がちょけている。
ぴたりと動きを止める明。優、猛、智が「あれ?」と時計を見ると、9時
明、9時にはちゃんと眠る。立ったままでも

翌朝ネカフェに状況を聞きに来た千里と翔。
千里「みんな、どうだった?」
千里親衛隊の情報はボウズ



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公園のベンチでため息つく千里と翔。デートっぽ
千里「なかなかうまくいかないね」
翔「失踪したんだから、かんたんにはみつかんねえよ」
千里の傍らにミラクルの大きな紙袋 
翔「さっきから気になってたんだけど、それ、何?」
千里「ああ、これは…」
風登場。ここは風の縄張りの公園だったんですね
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翔「風!」
風「偶然てわけじゃなさそうだな」
千里「実は、お願いがあって」
紙袋の中から取り出したものを持って風に
千里「これ、新造さんの発明品なんだけど、未完成なんだよね。何とか完成させたくて。」
風「何で俺に」
千里「ガイドブックに、50個以上の資格を持っているって載ってたから。風なら作れるかなって思って。」
風「それが用件?」
ずばり聞く風に、千里、少し間を空けて
千里「て言うのは口実で、・・・ほんとは風に家に戻ってきてほしくて」
風「俺がいないと母親10か条が成立しないから?」
千里「ううん。それは関係ない。ていうかむしろ、家に戻ってきてくれるなら、契約は破棄してもいい」
翔「はあ?」
風「悪いけど帰ってくれる?そんなガラクタ作れる資格なんて持ってないし。」
千里の脇を通り過ぎ、いつものベンチで仕事に支度を始めようとする
千里「がらくたって…。とりあえず、ほら、見るだけでも」
f:id:so_childish:20090531000701j:image:w200風、発明品を振り払う。地面に叩きつけられる発明品。
千里「なにすんの」
風「聞いたんだろ?俺が大蔵新造の実の息子だって。」
千里「・・・」
風「でもあの人は俺を認知しなかった。ホステスの子供となると、自分のイメージが悪くなるから」
千里「新造さんがそんなことで」
風「まだわかんねえのかよ。自分を守るためなら他人の人生なんかどうでもいい。・・・それが大蔵新造の本当の顔なんだよ。」
千里「確かめもしないで決め付けないで。あんたこそ、真実を知るのが怖くて逃げてるんじゃないの?」
つえーな千里。しっかり風の目を見据え、後ろも振り返らずに立ち去っていく。
風「・・・」
翔「おせっかいだねえ〜。」
翔、風に近寄り千里の後姿を見送るコミカルなしぐさ。
翔「でも、あいつの言うとおりだよ。…親父、そんな悪い奴じゃないと思うけど?ああ、これ経験談」ナイスアシスト翔
風、発明品を見つめてすねたように「もって帰れよ」


国土「何で俺が洗濯物まで干さなきゃいけないんだよ」
洗濯かごををいやいや運ぶ。
国土「ん?」洗濯物の中に、茶封筒を見つける。
国土「なんだこれ?・・・ジャパンイケてる男子コンテスト?・・・あああっ!!!!!!」
明の郵便を出していなかった。

猛「何したかわかってんのかよ」
国土につかみかかる猛。ちょうどそこへ千里と猛が帰ってきた。ネットカフェの入り口といい、千里の後ろにいつも守るように背の高い翔がいるの萌え。反対ならカメラに映らないとかいう技術的な問題はさておき(笑)
千里「どうしたの?」
猛「こいつ応募用紙、出し忘れてたんだよ」
優「しかもジーパンに入れたまま選択までしちゃって。」
国土「すいませんでしたぁ!」
f:id:so_childish:20090531174246j:image:right
智「ったく、なんだったんだよ。この一週間」
明「もういいよ、そこまで出たかったわけじゃないし。」
猛「嘘つくなよ。母ちゃんに逢いたかったんだろ?」
明「何の話?」
猛「母ちゃんに逢うためにコンテストに出ようとしたんだろ」
明「なにいってんの?そんなのでたらめだよ」明はリビングを出て行ってしまった。
猛、くしゃくしゃの封筒を手に取り
猛「・・・おい、どうなってんの?・・・俺たちの勘違いってわけ?くっだらねえ。」と、テーブルに叩きつけ、荒々しくリビングから出て行った。やりきれない思いで見送る千里と翔。

サウナで怒る猛「ああああ!!!!大自然の映像なんか、何にも癒されねえ!」
智「なに切れてんだよ。コンテストに優勝したからってなあ、グラビアアイドルを紹介できるわけねえだろ」
猛「そんなんじゃねえよ!奇跡でも起きるんじゃねえかなあと思ってたんだよ。もしほんとに優勝して親に会うことができたら、ろくでもねえ親でも変わってくれるんじゃねえかと思ってよ。てえか、なに聞いてんだよ。…バーカッ」
呆気に取られる智と優に悪態をついて、猛はサウナから出て行った。
智「・・・んだよ、あいつ」
残った智は、気になっていたことを優に尋ねた。
智「そういやさ、おまえ・・・、沖縄旅行なんて嘘だろ。
優「え?」
智「巻物もってどこ行ってたんだよ」
優、図星を指されて少しうろたえるが、「嘘じゃないよ。」と悟りの隣から離れ、
優「バカンス楽しかったよ。ゴーヤチャンプルー食べまくって。でも仕事サボって言ったから、事務所カンカンでさ。早速明日から仕事でございます。ローカルテレビのちびっ子歌自慢大会の特別ゲスト。」
一気に笑顔でまくし立てる優を見て、
智「ならいいけど。」
サウナを出る去り際に智は優に「…家でもかっこつけてどうすんだよ」と声をかける。智、男っぽいです。優も感じるところがあったよう
 
リビングのテーブルに千里。カウンターに翔。
国土「あのー、いまさらなんですけど、明君の応募用紙、ちょっと選択でぐちゃぐちゃになっちゃいましたけど」テープで補修した応募用紙を千里に見せる。
猛「ほんっと、いまさらだな。」
智「絡むなよ」
猛と智がリビングに入ってくる
国土「明君の、この、志望動機・・・」
千里「コンテストの日が・・・、母の誕生日なので、放送を見てくれるような気がして!」
翔「放送って?」
国土「いや、このコンテスト、テレビで流れるんすよ。」
智「・・・ってことは、あいつやっぱり。」
千里「お母さんに気づいてほしかったんだよ。」
猛「どうにもなんねえだろ、誕生日の明日じゃなきゃ意味ねえんだからよ。」
国土「そうですよね。ただ番組にでりゃいいってワケじゃ」ないですもんね。」
猛「いや。・・・いいんだよ。テレビに出られりゃなんだっていいんだよ。おい、ほら番組表。なんか調べろ」
翔「そんな都合よく見つかるわけねえだろ」
智「そうだよ、明日急遽出られる番組なんてあるわけね…。」
バタンと扉が開く音がして、見るとサウナから出てきた優。カ(リス)マモデル体良過ぎです。そういえば、いつの間にか、腰タオルになってますよね。
智「あった!」
優「?」
智「ちびっ子歌自慢大会」
優「??」
思わず体を隠す優おもろ
 
優の電話で出場枠確保。
「大会の出場枠、ひとり増やしてくれるって」
千里・翔・猛・智・国土「よっしゃあ〜」
翔「問題はその番組をどうやってお袋さんに見てもらうかだな」
優「コンテストと違ってローカルテレビだからね。」
智「なんか、気づいてもらう方法ないのかな」
猛「・・・」
千里「・・・。あっ」
千里、なんかひらめいた。
一話のあれだねたぶん。
飛び出す千里を見つめる翔



まだボウリングしている弁護士の元に風。千里の置いていった紙袋を肩にかけている
風「ここのボウリング場、3ゲームやったらカーネーション1本もらえるんだって。母の日のあまりものかなあ」
ボウルを整え、構える弁護士。
響子「よかったらご一緒にどうですか」
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いすに座って、弁護士の背中に話しかける風
風「大蔵新造が俺を養子にした理由を教えてほしい」
弁護士、ボールを置いて
響子「ようやくこの日が来ましたか」
響子「新造氏がお母様から始めてあなたの存在を聞かされ他のは、あなたが10歳のときでした。」
風「10才・・・。俺15のときに大蔵家に来たんだよ」
響子「はじめは資金援助をを頼まれたんです。しかし、あなたが15歳のとき、突然お母様のほうからあなたを引き取ってほしいという申し出がありました。」
風「何で急に」
響子「当時お母様の交際相手が子供嫌いを理由に、お母様との結婚をためらっていたそうです」
風「男と一緒になるためにおれを大蔵新造に押し付けたってワケだ」
弁護士の話を小さくうなずきながら冷めた表情のままの風
響子「要するに、俺はどっちからもうとまれてたってことだ」
「新造氏は心からあなたを愛してました」
風「だったら何で俺を養子扱いにした!」
声を荒げる風
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響子「養子を希望されたのはお母様です。15歳の隠し子がいたとなると、会社の重役やマスコミが騒ぎ立てるのは目に見えてました。それでも新造氏は会見を開くつもりでしたが、お母様が面倒なことに巻き込まれたくないから養子として引き取ってほしいと頼まれたんです。新造氏はあなたを実の息子として認知できなかったことでひどく胸を痛めておられました。」
弁護士、言葉を切って風を見つめ、力強く言い切った。
響子「それこそが、真実だと私は思っております」
ぼんやりとした表情の風。目を伏せ、足元の新造の発明品を見つめる。


宵闇の中、街灯のともるトリックハート城の外階段を千里がかけ上がってくる
階段上の生垣の向こうにいた、白いジャケットの後姿に気づき、歩を止める千里。ポケットに両手をいれた翔が振り返る。
翔「こんな遅くまでどこに行ってたの?」
見上げる千里の表情。いつもと違って女の子っぽい。翔はどのくらい待ってたんだろ

庭のベンチに二人 デートっぽ
翔「ふうん。明のためにね。ほんとよくやるよ。」
千里「あたしのできることは全部やっておきたくて」と微笑む
翔「なんでそこまでするの」
千里「ん?」
翔「いや、別に血がつながってるわけでもないし、三ヶ月の契約が過ぎればただの他人でしょ?」
翔の言葉に面白そうな表情を受かべる千里
千里「アタシも新造さんに同じ質問したことあるんだよね。」
翔が千里を見る。
千里「風に渡した発明品あったでしょ。」
翔「ああ、あの未完成品?」
千里「うん。」

千里の回想
ベッドの上の新造と傍らに寄り添う千里。新造の手元には例の発明品
新造「ミラクルスポットライトこれひとつで花火から紙ふぶきまでいろんな演出効果を楽しめて、どんな余興も盛り上がる。・・・でも、完成は、無理かな」
千里「なに言ってんの。早く体治して、かんせいさせようよ。」
新造「こいつを使って、子供たちが持ってる輝きを、少しでも引き出してやれたら最高なんだけどな。」
千里「あのさあ、前から聞きたかったんだけど、どうしてそこまで、血のつながらない息子たちのことを」
新造「それが、わたしの幸せだからだ」

千里「あの時は、新造さんの言葉がぜんっぜんピンとこなかった。・・・あたし、お母さんいなくなってからずっとひとりだったから。」
千里の話に耳を傾ける翔。千里はベンチを立ち話を続ける。
千里「でも大蔵家に来て、智がマジックできるようになったり、優の女性恐怖症が治っていったりするの見てるうちに私も、一緒に嬉しくなって、幸せな気持ちになれた。」
その千里の言葉に、おだやかに微笑む翔。満足気。
千里は翔を振り返り、翔に向かって自分の思いをなげかけるように
千里「そうやって誰かと一緒に笑ったり泣いたりできるのって、血のつながりとか関係ないんじゃないかな」
真剣な表情で受け止める翔。
千里は、軽く微笑み空を仰いで指を組みお祈りのポーズを作った。
千里「明日、明のお母さんが見てくれますように」
トリックハート城の上に、大きな満月。祈るように。
そんな千里を見てくすくすと笑う翔。照れ笑いの千里も一緒に「えへへへ」と声に出して笑う。



「東西テレビ・ちびっ子歌自慢大会」の看板
明「何で、歌自慢」
川沿いの並木。晴天。千里と猛・翔・優・智が明を囲む
猛「うるせーなー。だまっていけ、おら。」
「ほらいけ!」と明の肩を押す。不安そうな顔で振り返る明。みんなで「がんばれよー」と声をかける
智「教えたとおりな。」と明にうなずき励ます。みんなの横顔を優が見つめる
千里「どうかした?」
優「いや、なんでもない」
猛「あ」と上空を指差す。
見上げると観覧車の上にミラクルの飛行船『大蔵明(急性・滝沢)のお母さんへ。今日放送するちびっ子歌自慢大会を見てください!』と船体ににメッセージ
翔「即席にしちゃあよくできてんなあ」
千里「うん」
まぶしそうに見上げる満足気な面々。翔が何かに気づく
翔「わりい、先行ってて。」
一人でその方向へ行った。うれしそうな表情の翔。不思議な顔で見送る千里。

スカートの女性の歩く足元。立ち止まり、上空を見上げる。飛行船のメッセージを読んだ。

ちびっ子う歌自慢大会のステージ上では、歌にダンスにちびっ子大活躍。楽しげな審査員の優。
客席には千里と智
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智「そろそろだよな。」
千里「うん。・・・翔と猛、どこ言ったんだろう」
客席を見回す二人。
智・千里「うわお!」
背後に千里親衛隊
千里「どうしたの?」
平次「明君のお母さん、見つけられなかったから、せめて応援だけでもと思って」
西郷「われわれの気持ちをひとつにすれば、きっと思いは届くはず。」
千里親衛隊「フレー、フレー。あっきーら!」
千里「・・・どうも」
リアクション、母っぽい
「それでは、続きまして23番、大蔵明君です。どうぞ」
司会者の声にみんなステージに注目
司会者「さあ、明君、今日は何を歌ってくれるのかな」
明「マジックやります」
司会者「ぇ、マジック?あのー、歌自慢大会で・・・ということなんですけどね」
f:id:so_childish:20090602002633j:image優「あると思います」
司会者「じゃあ、いいか。マジックです。どうぞ。」
優を振り返る明。優親指を立ててにっこり。
客席にびびる明。不安そうな智と千里と親衛隊。応援の声をかけるも始まられない明。
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とそこへ音楽。指揮者は特攻服。
千里「猛!?」
振り向いて明にピース。明に笑顔が戻り、マジックをはじめることが出来た。
上手に明がマジックをこなして喜ぶ智師匠たち。
すると、どこからかシャボン玉が
智「何だこれ」
千里「・・・ミラクルスポットライト?」
あたりを見渡すと、袖でミラクルスポットライトを使っている翔の姿が
f:id:so_childish:20090602002212j:image不思議な表情の明に翔がウインク
智「翔の奴、なにやってんだ?」事情を知らないので怪訝そうな表情
千里「・・・風」
うれしそうに微笑む千里

その頃、川沿いを歩く風の元にもシャボン玉が流れてきた。
振り向くと虹
微笑んでまた歩き出す風。

明のマジックは順調
舞台上では嬉しそうな優
タクトを振る猛も満足気
翔も笑顔でステージを見つめる
智も弟子の成果にうれしげ
そんな息子たちを見て
千里「新造さん、みんな輝いてるよ」

ステージ上で、ふと顔を曇らす優。兄弟の表情を見つめうつむく。
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智「そろそろだ」
智の言葉と意味ありげな笑顔を不思議そうに見つめる千里。
ステージでは大詰めのボールマジック。慎重にボールを浮かせ
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「3・2・1」
中空のボールが割れてくすだまに。盛り上がる場内
明が見上げた垂れ幕に『お母さん 誕生日おめでとう』
智「よっし!うまくいった」
明のために一生懸命になる智をいとしげに見つめる千里。
翔がミラクルスポットライトで紙ふぶきを打ち上げる。更に盛り上がる場内
明、客席を探すとVサインの智。思わず笑顔。
満場の拍手。千里も、猛も、翔も、優も、智も、幸せそう。もちろん明も、輝く笑顔。
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客席の後ろにさっきの女性の後姿。明を見つめる。


夕暮れ、みんなで帰り道
明「なんだよ、あれ」
智「くすだまの中身、入れ替えただけじゃねえか。あの垂れ幕、最高だったろー?」
千里「お母さん、見れるといいねー」
明「だから、違うって。」

優が「あのさあ」とみんなの背後から声をかける。立ち止まる兄弟と千里。
優「実は僕、この前、妹に合いに言ったんだ。」
猛「お前、妹なんていたのか」
優「うん。僕の両親が家事でなくなって、でもそのときのkとはよく思い出せなくて、だから、その話を聞くために妹に会いにいったんだ。15年前、僕の家は火事で全焼した。でも、一度は家族全員助かったんだ。」
翔「一度はって?」
優「僕が、大事にしていたぬいぐるみを取りに戻って、父さんと母さんが僕を助けるためにまた家の中に・・・。僕が、ぬいぐるみなんか取りに戻らなければ、二人とも助かったんだ。・・・僕が、父さんと母さんを、殺したんだ・・・」
無言で聞き入る兄弟たち
優「ごめん!なんか、へんな空気にして・・・。みんなを見ていると、なんだかわかんないんだけど、黙っていることが、どんどん苦しくなって・・・。」
優を優しく見つめる千里
千里「・・・話してくれて、ありがとう」
翔「優。お前間違ってるよ。お前のせいで両親が命を落としたんじゃない。両親のおかげで、お前が助かったんだ。」
翔の言葉に、涙ぐみそうな優
猛「しんきくせえ面、してんじゃねえよ。」
智「そうだよ。自分責める暇があったら、親の分までいい顔してみろ」
優「・・・みんな・・・」
千里、歩み寄り強く拳を優の胸の心臓の位置に当て
「優の痛み、わたしたちがちゃんと受け取ったから」
しっかり優を見つめる。
優、家族の顔を見つめて「ありがとう」
笑顔になった優に、兄弟たちが手荒い愛情の伝達。
そのとき、千里の携帯がなった。
「え?」っと、思わず明を振り向く千里
千里「お母さんから連絡きたって」
明の表情が固まる



トリックハート城
国土「明君のお母さんを名乗る人から連絡があって、それがあの、飛行船に気づいて歌自慢を見たとかで・・・。」
優「それで」
ただならぬ兄弟の雰囲気におびえ気味の国土。
国土「それであの、5時に帰ってくるんでぜひ会ってくれませんかって言ったんですけど、なんか、まずかったですか・・・?」
息を飲む驚き顔の翔、智、優、猛。明は無表情。一瞬の間のあと、「うわ〜っ!!」っと、国土に襲い掛かかる、智、優、猛。腰が引ける国土。
猛「でかした国土ぉ!」
智「ナーイス、国土!」
国土「えへへへ、なんか、めちゃめちゃうれしいな」
微笑む翔と千里。明は無表情
明「おかしなことしないでよ!!」
千里「・・・」明の顔を見つめる
明「僕は会う気ないから。」
ぷいとリビングを出て行こうとする。その背中に猛が「おい。」と声をかけ、歩み寄る
振り向く明。
猛「逃げんのかよ。」
明「僕の気持ちなんか、わからないくせに!」
珍しく語気を荒げる明の頭を、猛がくしゃりと手荒く撫でる。
猛「・・・わかるよ。」
猛は背後にいる翔、優、智、千里を親指で指し、
猛「ここにいる奴らは」
明「・・・」。明は改めてに千里や兄弟たちをを見る。
真剣なまなざしの猛。心配そうな智。優。安心してと呼びかけているような千里のまなざし。翔が力づけるように頷く。
明の手元に、赤いカーネーションの花束。
響子「よろしかったら、どうぞ。」
弁護士が大きな花束を明に差し出した。
千里「それ・・・。」
響子「カーネーションです。全部で50本(3ゲーム×50本=150ゲーム!!超ハイペース。)。母の日は過ぎましたが、国土君から明君のお母様がお誕生日だとお聞きして。プレゼントにどうぞ。」
優しく小首をかしげる弁護士。受け取る明。花束を見つめる。


ミラクル。風と時田。恐竜の部屋を歩く。
時田「どうしたの?」
風「いろいろ心配をおかけしましたが、ようやく腹が決まりました。」
時田、立ち止まり風を振り返る。
風「俺は、大蔵新造の息子です。」
風の顔は今まで見せたことがないほど、まじめで、穏やか。時田はとぼけた顔で、
時田「・・・うん、わかってるよ。」と軽く流す
風「いや、わかってない。」間髪いれずに風が時田の言葉をさえぎる。にこりと微笑み、
風「これは宣戦布告です。」
時田、穏やかな、しかし能面のように表情の読めない顔
風「もう、あなたの思うようにはさせませんよ。」
時田をしっかり見て、笑顔で時田の元を去る。見送る時田の顔にも微笑み。
しかし次の瞬間、真顔に変わり、胸ポケットの携帯電話をすばやく出し、どこかへ電話をかける。
「例の件ですけど」
ゆったりと歩いていた足をぴたりと止め、「そろそろ始めますから」
と険しい顔で電話を切った。


8時41分
猛「もう、まだかよ」
千里「きっと、なんかあったんじゃないかな」
テーブルの明を中心に智、優、反対側に千里千里の後ろのカウンターのスツールに翔、イライラと歩き回り落ち着かない猛。階段に座りこむ。
智「それでも、連絡くらいしてくんだろ。」
明「もういいよ。」
千里「良くないよ。」
明「僕を置いていなくなったのに、来るわけないよ。」
千里「明・・・」
明の独特の棒読み調のせりふが、傷ついた心を隠しているように感じられます
ジリリリリ、と電話のベル。みんながいろめきだつ。
千里たちを見る明。"早く出ないと"と目で促す心配そうな千里。力づけるように微笑む翔。反対側にいる猛を振り返ると、明を怖いほどまじめな顔でじっと見つめて頷く。優と悟るも、力づけるように明に頷いてみせる。
決心をして、立ち上がる明。電話に歩み寄り、電話台下のボタンを押すと、ろぼ型スピーカー?
国土「はい、大蔵でーす。」
すたすたとやってきて、かるーく事務的に電話を取る
猛・千里・翔・智・優「おい!」とそうツッコミ
国土振り返り、みなの表情に驚き、手に持った受話器をじっと見つめ「〜〜〜〜!!!!」と声にならない叫びを上げて明に受話器を渡して逃げる
明、しばらく無言で受話器を握り、やっと、小さな声で「もしもし。」と話しかけた。
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明の母「明・・・」
明「おかあさん?」
見守る一同
明の母「マジック、見たよ。元気そうでうれしかった。」
明「・・・」
飛行機が見える電話ボックスに明の母がいた。
明の母「お母さんね、これから日本を発つの。」
明「・・・ぇ?」
兄弟も息を呑む。
明の母「・・・本当にごめんね。」
明「・・・」
明の母「・・・じゃあね」涙をこらえているかのような息遣いが聞こえる
明「・・・」
猛が明の受話器を奪い取る。
猛「おい。・・・何がごめんねだよ。何がじゃあねだよ!明なぁ、あんたにずっと会いたかったんだよ!顔ぐらい見せたっていいだろうがよ。」それはいつもの猛の口調とはまったく違う真剣なものだった。千里も、翔も悟るも優も、猛の後姿を見つめる。そして明も。
明の母「・・・」
猛「・・・おい、頼むよぉ。頼むからさぁ、会ってやってくれよ。こいつさあ、あんたのために、一生懸命がんばったんだよ!頼むからさぁ、ああ、あの、時間ナインだったらさぁ、こっちから会いに行くからさぁ、・・・頼むから会ってやってくんねえかなあ!」
自分のために必死になる猛の後姿をじっと見つめ続ける明。千里。
明の母「明を、・・・お願いします。」
涙を流しながら、受話器を置く母親。飛行機の音。ガチャンとフックに受話器がかかり、通話が途切れた。
猛「・・・おい。出ろよ!おい!」
切れた通話に怒鳴り続ける猛の手から、明が受話器を取り、フックにかけた。チン、という電話の切れる音
明を見る猛。悲しい顔で見つめる千里。
明は「じゃあ、僕、宿題あるから。」とあまりのことに固まる兄弟に冷静な声で言うと、足早にリビングを出て行こうとする。
明が千里の脇を通り過ぎようとしたとき「強がる必要なんてないんだよ。」と千里が声をかける
立ち止まる明。
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千里「・・・泣きたかったら泣けばいいじゃん。腹が立つなら怒りなよ!・・・ここは、あんたのうちなんだから」
背中に語りかけられる千里の言葉に、表情の揺らぐ明。見守る翔、優、智。
猛「だあぁ!!!」
電話を強く叩き、涙をこぼす猛。声を殺して。振り返り、そんな猛を見つめる明。
翔「何でお前が泣いてんだよ」翔の声も少し震えている
猛「悔しいからだよ・・・。悔しいから泣いてんだよ!!」
電話を突き飛ばすように強く押し、その勢いで猛は翔に近づき胸倉をつかみ
猛「・・・おい、何でこうなんだよ!こいつこんなに必死でがんばったじゃねえかよ!これじゃ報われねえだろぉ!」
激しく翔を揺さぶり、憤りをぶちまけます。やりきれない思いで、翔から手を離し、下を向く猛。
千里の瞳からは今にも涙がこぼれそうです。
優「・・・我慢、してたのにな。」
智「・・・くっそ・・・」
兄弟の頬にも涙が
しょうが、テーブルを荒々しく叩き
「ああぁぁあ〜!!!」と叫び、頭をかきながら「あほらし…」と足早にリビングを出て行った。その怒りまくった態度とは裏腹に、静かな音で扉が閉まった。翔は、扉の外で、こらえ続けていた涙を流していた。悲しそうにリビングの扉を見つめ、足早にそこを離れた。
涙をこらえている千里。その脇でかさりと音。その方角を見ると、カーネーションの花束を千里に差し出す明がいた。
千里「あたし、誕生日じゃないけど・・・」
明「・・・母の日の。プレゼント。」
千里に手渡す。
明「・・・もう、遅いかな・・・。」
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千里を見つめる明に、ついに涙をこらえ切れず、千里は花束を置いて、「・・・ずるいよ」と明を抱きしめた。明の頬にも涙が流れる。

バタン
風「ただいまー」
左手を上げてお茶目に風登場。後ろから国土。
千里「・・・お帰り」涙で撚れてる千里の声。あわてて涙をぬぐう兄弟たち
風「何で泣いてんだよ」
ぐいぐいと目元をぬぐうと猛「・・・ぅるせーな。目にごみが入っただけだよ。」
猛「国土!掃除しろ掃除、早く」
国土、八つ当たりに不満の声。翔もリビングに戻ってくる。手には大量のティッシュペーパー。指で目元をぬぐい、階段を下りながら風に「よお、おかえり。」と声をかけ鼻をかむ。
風「お前もないてんのか?」
心底びっくりした様子の風。翔あわててティッシュを放り投げ
翔「泣っいてねえよ、・・・あれだよ、あくびだよあくび」
大げさなゼスチャーと、下手な偽あくびをしてみせる
千里が目尻の涙を小指でぬぐっていると、傍らの明の様子がおかしい
千里「明ー。」
明の閉じた目の前で、ざかざかと右手を振ってみる
千里「え〜・・・。」
そんな明を見て笑う智「ちょうど9時」
猛「誰のためにないたと思ってんだよ!」
大声で憎まれ口を叩く猛の口調はもういつもの調子「ほんとにもう」と愚痴る猛に笑い出す千里。優。兄弟ゲラになる。リビングの入口を一生懸命掃除する国土
風「笑ったり泣いたり、忙しい奴らだなあ」
呆れ顔の風に、翔が歩み寄り
翔「これからは、お前も一緒じゃ」
その口調に笑いあう風と翔。
発ったまま眠っている明、ふらふらと、でもバランス崩さず倒れない。
智「すっげえな。」
兄弟大注目、大爆笑。
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と、そのとき
急にバランスを崩して倒れる明
すぐそばにいた翔と千里が気づいて一緒に抱きとめる。
思いがけずのし近距離に驚き、動きが止まる千里と翔。
モップがけで後進していた国土のしりが、翔の背中に当たる。
明を支えてバランスの悪かった翔の体が、千里のほうへ傾く
「ああ、ごめん」と振り向く国土の表情が豹変した。
こんな偶然ありますか?ぴったり千里の唇に賞の唇が重なってしまいました!!!!!
一同「ああああああああ!!!!!!!!」
あまりのことに顎外しかけてる国土
驚いているけどなんだか面白そうな表情の風
明らかに笑っちゃってる猛
男らしくなったと思ったのに両手を口元に寄せてショック〜!!の表情の優
明らかにむかついている顔の智
兄弟の混乱はお構いなしにすやすや眠る明
目すら閉じられない混乱の極地の翔と千里
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