一つ屋根の下の物語

某有名ドラマの話じゃありませんよ

共同生活、擬似家族
映像作品や文学、ドラマや漫画、もっと低俗だけど一部の人が大好きなジャンル（笑）なんかでも見かける良くありがちな設定だけど、
『アタシんちの男子』のファンタジーっぷりやドタバタを見ていると、少女マンガの印象を受けますね。
しかも、放送時間帯からして、首から上の愛情表現が最大値だろうから、昭和の少女マンガっぽい。

あたしゃー、好きでした。
80年代の豪邸共同生活ユートピア的少女マンガ（遠い目）
『エイリアン通り』
『前略ミルクハウス』
ちょっと古いし豪邸じゃないけど『陽あたり良好』
人類以外もいるけど『So What!?』
『めぞん一刻』も実は含めたい(笑)

大人の手前のユートピアですよ*1

喧嘩するほど仲が良い的ドタバタ多くて、恋愛もちゃんとあるんだけど王道恋愛マンガより薄めで、でも時々「きゅん」とするとこがあるんですよ
『アタシんちの男子』っぽくないですか?

だからいい歳してこのドラマにはまったんだー、と腑に落ちましたもん。

豪邸、ファッション、飛び道具、キャラ強い登場人物が作品を華やかに彩って、「家」という場所で様々な問題を一緒に解決し、成長していくひとりひとりをじっくり描く。
って、言えば何てことない普通の少女マンガの要素ですよね。前述の作品群は共同生活少女マンガのなかでも初期のヒット作だから印象深いのかもしれませんね。

これらの作品中の恋愛濃度と愛情表現の加減が極めて好み。想い合っている二人がなかなか纏まらないのって、好き(バカ)。
うきうき、もやもや、ドキドキ、ハラハラ、わくわく、にまにましながら見守り、最後にどっかーん!!ってのが好ましい。なんだこの頭悪い文章。
物語のおしまいが恋愛の成就時。そこから後は皆さんの頭の中で。ってのもいいんです

ま、そんなきっかけでドラマをみはじめてみると。

上記作品は月刊誌連載だったのでのんびりお付き合いができたけれど、『アタシんちの男子』は1クールという駆け足のお付き合い。しかし、毎週新たな局面がやってくるという幸せな面もあります。

まさか自分が若い子むけのイケメンドラマ（笑）＝『アタシんちの男子』にはまるとは思っていなかったのですが、はまってみてわかったことがあります。
このドラマ、すごく登場人物を愛せるように作られているんです

『アタシんちの男子』は、ぱっと見「キャラ男」を取り揃えたイケメンドラマに見えるかもしれませんが、その
「キャラ」にはちゃんと原因があるんです。傷ついた過去があったから今の「キャラ」になったんです。
例えば
手ひどい女性の言葉に傷ついた優は女性恐怖症のカ（リス）マモデル
親のスキャンダルに巻き込まれて傷ついた智はひきこもり
親に置き去りにされた明は人に頼らなく関わらなくなり
ってなふうに。
年長の兄弟達にもそれそれ納得できる理由がこれから明かされていくと思います
このドラマ内では、強烈なキャラってことは、それだけ悩みも大きいってことを示しているんです。

その各々の生い立ちや、コンプレックスにちゃんと向き合うきっかけになっているのが千里なんですね。
千里の打たれ強さ=タフさが兄弟に影響＝力を与えていくんだと思います。
問題（悩み）を解決するのに1番必要なのは、止めないこと、折れないこと、立ち上がること＝タフであることなんですね。

千里が大蔵家に来るまで、底辺に向かって進んでいたり、底辺を這うように停滞していた折れ線グラフが、峯田千里という局面でバーンと右肩上がりに変化していく。マイナスがプラスに。いやなところは魅力的なところに。

そうしてみると、もう兄弟がかわいくてしかたがありません。
がんばれーって思ってしまうんです。
いい歳をして

エイリアン通り(ストリート) (第1巻) (白泉社文庫)

前略・ミルクハウス (1) (ソノラマコミック文庫)

陽あたり良好! (1) (小学館文庫)

So what? (第1巻) (白泉社文庫)

めぞん一刻 1 新装版 (ビッグコミックス)

人生は薔薇色だ (花とゆめCOMICS)

スマリの森 (花とゆめCOMICS)

笑う大天使(ミカエル) (第1巻) (白泉社文庫)

*1:川原由美子はもともときれいな絵だったけど、ミルクハウス途中くらいから、絵がデコラティブになって、その後はあまり手にしなくなってしまいましたが、小学校から読んだ読んだ。頭の中の少女マンガ文法は川原由美子に作ってもらったようなものです。少女コミックスつながりで『陽あたり良好』、共同生活つながりで成田美奈子にはまり、そこから『Ｌａｌａ』つながりでわかつきめぐみ、桑田乃梨子と来て、遠藤淑子に、川原泉ですよ。おいおい、『アタ男』ブログ内なのに脱線もはなはだしいな。