フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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「F」の物語と青春群像劇

『アタ男』から話が逸れてそうだけど、ちゃんと『アタ男』に落ちる話だから(笑)


ふたつのスピカ
見てます?
わたし、毎回、半べそで見てます
アスミの背負うものが重すぎて・・・
とーさんの設計したロケットが事故で人を殺してしまい、巻き込まれてかーさんも死んでしまう
それでも宇宙飛行士を目指し、入った宇宙学校で、はじめて好きになった人が、あの事故で亡くなった宇宙飛行士の息子
誰も悲しまない宇宙開発のために彼が作ったロボットと、戦うことになるあすみ
恐ろしいほどの悲しみのドミノ
あたしのとーさんが設計したロケットが大好きなかーさんを殺し、
あたしのとーさんが設計したロケットがあたしの大好きな人の家族を殺し、
あたしのとーさんが設計したロケットがあたしの好きな人にあたしに冷たくさせ、
あたしのと−さんの設計したロケットが起こした事故のせいであたしはあたしの好きな人が願いを込めて作った作ったロボットと戦わなければならない。
それでもあたしが宇宙に行くにはそれ以外に方法はない。
それでもあたしはあの人のことが好き。
この葛藤、アスミは何も言いません。誰も責めません。
逆境の目白押しにも、折れずに前向きに頑張るアスミ。
なんでそんなにいいこなんだよ!!俺の涙腺、緩みまくりです。
でも、心配して追ってきた府中野くんには当たれるのがかわいい。
桜庭ななみちゃんも堀北真希ちゃんと同じ、スウイートパワーなんですね。誠実で心を撃つ演技をする女優さんが多い気がします

第3話、向井さん、盛りだくさんでしたね。マイナスからプラスへと感情のボリュームも豊富で、俳優的に「おいしい役」。
向井さんは、翔のときもそうでしたけど、演じる役柄の表層と、一枚下の本当の顔を「わかりやすく見せる」ことができる俳優さんだと思います。
演劇の方法論として、「隠すことで表現する」のがかっこいいと思う若手俳優さんもいるかと思いますが、「わかるように示す」って技術も、得がたいものですよね。
実は、これらはどちらも同じ方法で、「隠す」と「見せる」の間を、きめ細やかなボリュームで表現できるのが俳優のスキルなんですね。どこをチョイスするのか判断するのは演出家だから、俳優は技術を高めて蓄えておかなければならない。大変な仕事だと思います
向井さん、演劇経験なく俳優になった方ですが、学習能力高いというか、経験を無駄にしない人なんだろうなと思います。俳優業、続けて欲しいですね。


…ちょっと硬かったので閑話休題(笑)
このドラマ、女子目線では、なんといっても、大東俊介*1さん演じる、ふっちーこと府中野新之介ですね。あのキャラ設定、萌えまする。
幼馴染でアスミのそばにいたい一心で宇宙学校を受験って、並大抵の努力じゃないでしょ
府中野の進路・前編府中野の進路・後編
恋心だけではなく、事故でアスミのお母さんを死なせたのは、あの場所をアスミに教えた自分のせいだって思いもあり、アスミを守りたいという使命感にも似た思いがある。
誰よりもアスミを大事に思っている。
それなのにツンデレ(笑)。しかもみんなにはバレバレ。
めがね着用で、機械に強く、管制の才能を発揮なんて属性も萌え条件クリアです(←バカ)

このドラマ、主人公たちも好きなんですが、大人メンバー、本上まなみさんと田辺誠一さん、大好きなんです。体育教師ゴルゴ松本とかもツボ。
SF設定も好きです。
ビジュアルも満足、物語も満足
さすが少年ドラマシリーズ 〜ドラマ愛の詩 〜ドラマDモード〜の流れを汲む、ドラマ8ですね。NHKさん、ありがとう


ドラマの状況設定で、フィクションやファンタジーを強めにし、日常から乖離させいていくと、一見して、子供向け(子供だまし)に見られがちで、リアルな設定のドラマより一段落ちると捉えられることも多いと思います。
だけど、この設定のおかげで、日常では恥ずかしくて言えない当たり前のことや、大人には青臭くて聞いていられないようなこと――――でも本当はとても大切なこと、大事にしなければいけない気持ちを、抵抗なく受け入れることができるんです
日々、改めて考え直すことなく過ぎていってしまうものに、思いがけず出会って、百戦錬磨の大人もうっかり落涙する、そんな魅力を持っているから、いつまでも「F(ファンタジー&フィクション)」と言うジャンルは消えないんだと思います
そして、日常から乖離した設定で油断して無防備になったむき出しの心に、まるでタイムスリップしたように自分の中に降って湧いた甘酸っぱい思いにドキドキするから、「青春群像劇」はやめられないんだと思います

アタシんちの男子』もそうだったようにね

*1:『花君』では佐野森役でした