アタシんちの男子の構造
今回も印象の記事なので、具体例は上げられないのが申し訳ないけど、またまたマンガの話
でも、わたし的には目から鱗だったので、時間があったら、読んで欲しいです。
アタシんちの男子のフレーバーは、完全に少女マンガですよね
かわいい主人公に、カッコいい男子
きれいな画面に、きれいな衣装
そして忘れてならない、萌え殺される展開の数々
一歩下がってテーマを見ると、「家族」という「絆」が描かれる舞台は、少女マンガ的な「一つ屋根の下」
青春群像劇のさわやかさも少女マンガの得意とするところです
普遍的なテーマである家族の物語を扱っているから「骨太」の物語といわれるのかもしれないけど、『アタシんちの男子』を骨太にしているもうひとつの要素に、時田の記事を書いていて気がつきました
それは『アタシんちの男子』の持つ「少年マンガ的バトルマンガ」の構造
『ふたつのスピカ』と『アタ男』の比較のときに、『アタ男』の次話への引きが「大ゴマでカットアウト」という少年向け連載マンガの手法に近い演出が施されているって指摘をしたんだけど、もうひとつ少年マンガ的なところに気がつきました。
最近、少年マンガから離れているので自信ないんだけど、少年ジャンプ的「友情・努力・勝利」っていう、三つのキーワードがありますよね。
これをマンガに展開すると、
- スポーツなどに取り組む主人公がものすごく練習して、戦って勝利して、昨日の敵は今日の友となります
- そして、新たに友情を結んだチームがもっと練習して、更なる強敵と戦い、ライバルはお互いを認め合い、熱い魂で結ばれていきます
- そして、更に力を高め、更なる強敵と戦い・・・
主人公はどんどん強くなって、勝利を重ね、友達がどんどん増えていく物語が延々続いていきます。悪口じゃないよ。そこに感動するんだもん。
わかっていただけますでしょうか。
これ、『アタシんちの男子』です
- 主人公千里は、兄弟の問題を解決するべく努力して、彼女の一生懸命に打たれた兄弟に認められます
- 千里と彼女を理解した兄弟は、新たな難問(風)に立ち向かい、風も千里と兄弟を認めて家に帰ってきます
- 千里と兄弟は、新たなる敵(時田)に立ち向かい、時田に勝利します、時田が大蔵家を認め、身を引いたところで本編は終わります
…ね?
この次の物語が見えますよね
今度は時田も含めたみんなで新たな敵と戦うんです
『アタシんちの男子』の物語の強さは、ずっと子供たちに支持され続けている物語と、同じ構造を持っていたのです。
世代を超えて支持されている構造。まさに骨太
『アタシんちの男子』の脚本家、男性なのに、女子の萌え心よくわかってるなーと感心していましたが、いやいやしっかり、男子の心を掴んで離さない骨組みを備えた上に、華やかなトッピングをしていたんですね。
そりゃあ、翻弄されるわけです
侮れないという言い方も失礼なくらい、すごい人ですね、武藤将吾さん!