フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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『続きシリーズ』『その後シリーズ』など、お話を読まれる方は、
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アタシんちの男子の続きを考えよう

続きシリーズ」です


今日は、話が進みません
使い始めてしまった、沙織のキャラ補強です

花火の前に入る話です

兄弟、千里は、薄めなので、沙織時田の設定を確認したい方は読んでみてください

いつものとおり反転で

呼び鈴の音


はーい
千里が玄関を開けると、着物姿の老婦人と、モーニングの老人が立っていた
どなた、ですか?
峯田、千里様ですか?
はい、あたし、ですけど
お初にお目にかかります。
私どもは、小山内家の使用人でございます
ゆっくりと深くお辞儀をする老人二人
ああ、沙織ちゃんちの
お嬢様がお世話になっております
いいえー。こちらこそ。・・・今日、沙織ちゃん、来てませんよ
はい。本日は、ご挨拶に伺ったのみで
ここではなんですから、どうぞ、中へ

廊下を歩きながら、老紳士は
ご立派なお屋敷ですなあ
と感心しきり
きれいねえ
老婦人は井上さんの額縁をしげしげと見上げる
リビングの前で、フェイクの扉の前でかしこまる二人
あ、こっちなんです
壁のこうもりをたたいてリビングのドアを開ける千里
何もないところが開いて驚く二人

リビングには、兄弟
お客さんだよ。沙織ちゃんちで働いている・・・
執事の五十嵐と申します
乳母の小春と申します
いらっしゃいませ
兄弟、ぎこちなく挨拶
わたしが大蔵新造の長男で、現在ミラクル社長をしております、大蔵風、そして、こちらから、猛、翔、優、智、明です
風様ですか。お初にお目にかかります。そういえば、新造様の面影がございますねぇ
年寄り、うんうんとうなずきあう
こちら、つまらないものですが
風呂敷を開いて高そうな菓子折りを手渡す
ご丁寧に、申し訳ありません
どうぞ、おかけください
しつれいします
井上さんが、紅茶を給仕
この方は、先ほどの絵に描かれていた方とそっくり
絵から出てきたんです
は?

今日は、お礼を一言申し上げたく、参上したしました
お礼、といいますと?
お嬢様のことです
沙織ちゃんの
お嬢様、先にこちらにお邪魔して依頼、すっかり活発になられて
家でもこちらのお宅の話ばかりしておるんですよ
先般、三日ほどお嬢様がいなくなられた際は、家中で心配しまして。すわ誘拐かと警察に乗り込む寸前でした。
老婦人、着物の胸を押さえる
私は当初大変憤慨しておりまして。お嬢様をお預かりしているのなら、なぜこちらに連絡をくれなかったのかと、大蔵様に乗り込む覚悟を決めておりました
そんな、大事になってたんだ
沙織ちゃん、何も言わないから
でも、あの箱入りならありえるな
そうしましたら、沙織お嬢様にきつくしかられまして
沙織様がこちらにご迷惑をおかけしていたとはつゆ知らず
申し訳ございませんでした
迷惑だなんて。ちっともそんなことはありませんでしたよ
そうそう。
今ではすっかり千里と仲良くなって
ありがとうございます。

お礼というのはそのことなんです
はい
話が長くなって申し訳ないのですが、よろしいですか?
あたしは、かまいませんよ
それでは申し訳ありませんが、年寄りのことと、お許しください

私、五十嵐は小山内家に奉公して60年になります
わたしは58年になります
現在の当主の先々代から仕えております。
私は先代の奥様のお輿入れについて小山内家に参りました。
ほんとに長そうだな
半世紀以上、遡ったね
今回、時田様とお嬢様の縁組を後押ししてくださるとお聞きしまして、
いや、そんな、大それたことではなく、一回デートをセッティングするだけなんですけど
いえいえ、十分でございます
お嬢さまは控えめな性格で、ご自分で時田様をお誘いすることは一生出来ないのではないかと心配しておりました
五十嵐が主に話を仕切る。
小春は時々、うんうんとうなずいている
沙織様は22歳
今年で都内某女子大をご卒業なさいます
お嬢さま学校だよー。合コンもセッティングできないくらい
ばか
千里さんより年上だったんだな
ちびっ子の態度がでかいから、気がつかなかったぜ
うるさい!
小山内製薬社長令嬢として、掌中の珠と育てられました。
沙織様には、お姉さまがお二人おられます。
長女の伊織様は、御歳30歳。製薬会社の跡取りとして早くから教育を受け、薬科大学院博士号を取得後、現在系列会社へ修行に出ております。少し遊びが足りないのではないかというほど、しっかりと小山内家を取り仕切っておられます。
次女の佳織様は、御年27歳。大変愛らしく、誰からもかわいがられる性分なのですが、お姉さまの反動からか、住所も分からぬほどの旅暮らし。何でも、ほ、ほ、ほ、ほと、ほとぐらはー
違いますよ、五十嵐さん、「ふおとぐら、ふあー」
フォトグラファー
はい
写真家ですね
そうなんです。難しいですね、洋風の言葉は
ほんと
数年たって、沙織様がお生まれになったのですか、お体の弱かった奥様は、沙織様を産まれて、程なくしてお亡くなりになってしまいました。
乳母って、小春さん、沙織さんの乳母?
え、うそだろ!
違いますよ、と老婦人はころころと笑う。
私は現在の社長の乳母です。そのまま、小山内家にとどまり、お子様のお世話をいたしております。沙織様の頃には、粉ミルクも質のよいものが十分にございましたから、文字通りの乳母の必要はございませんでした。
沙織様がお生まれになった少し前から、お父様である現社長・恭介様は、小山内製薬の事業拡大のために、海外の製薬メーカー、ドラッグストアチェーンとの提携のために、月の半分以上は海外にいらっしゃるという状態でした。おいたわしいことに、そんな中で奥様がお亡くなりになったのです
お屋敷の使用人は多うございますが、古くから家計や家族に接しておりましたのは、私とこの小春さんの二人のみ。私どもは、責任もってお嬢さまをお育てしなければと心に決めました。
沙織ちゃんのお母さん、なくなってたんだね
私どもは、精一杯沙織様をお育ていたしました。伊織様のように厳しい世界を知らなくても良い。佳織様のように広い世界を知らなくても良い。ただただ、優しく健やかにお育ちいただければ、それでもう十分でした。沙織様は、本当にそのとおり素直にお優しいお嬢さまに成長されました。私どもの自慢のお嬢さまです
そんなお嬢さまも、お年頃になりますと、心配なことが出てまいりました。
それ、もしかして、時田さんのことですか?
五十嵐、小春、頷く
時田様のご実家は、お爺様の代に小山内から暖簾分けされた時田薬品という製薬会社です。規模は小さいですが特化した薬品を扱っています。修司様は現会長のご長男。時田薬品は、修司様の弟さんが社長を継ぎ、お父様は会長に退いています。
五十嵐さん、ここからは私がお話しますね。
小春が話を継ぐ
沙織様のお父様は、修司様のお父様と親友で、だんな様が海外からお帰りの際は、時田様を小山内の家に呼んで、双方の家族と一緒に過ごしておりました。修司様も弟さんとよくいらしてました。
お父様方のご趣味は囲碁。二人で書院に籠もり、時を忘れて盤面をはさんでおるのが常でした。自然と、お子さん方はお子さん方で遊ぶようになりました。
時田様は伊織様より二つ年上。当時の時田様は、大変お優しく、おっとりとした性格で、必要以上に厳しくお育ちにった伊織様や、人一倍自由にお育ちになった佳織様とはお話が合いませんでした。
沙織様はお子様の中でも一番年下。本当にかわいらしく、時田様を慕い、どこへ行くにもそばを離れませんでした。修司様も、よく遊んでくださいました。
年齢の近いお子様をお持ちの親友同士、お互いの子供が、将来、一緒になれば良いななどと話すのが常。上のお嬢さまも修司様もまったくそんな冗談を気にはしておりませんでした。
ところが急速におしゃまになられた沙織様が6歳のとき、
おしゃま?
おしゃまって?
おしゃまってのはなー、おしゃまんべ出身の・・・
たーけーる!デタラメ教えんな
うそ、まちがってる!?
あとで説明してやるから、黙ってろ
すみません、どうぞ
お嫁さんという言葉にあこがれるお年頃だった沙織様が、ご結婚の話を聞きましたから大変です。二人のお父様と、修司様に質してしまったのです。
お父様方は、年頃になって、本人が良いのなら、結婚したら良いよと軽くお約束なさいました。
そのとき修司様は16歳。年齢も離れているので、沙織様が大人になったら、そのとき好きになった方と結婚すれば良いのだからと、お父様方のお約束に頷きました。
そこから沙織様は、ぴたりとそのお話をしなくなりましたので、皆、忘れてしまいました。
今までと同じように修司様がおいでになれば連れだって庭を散策し、ご兄妹のようにほほえましく語らっておりました。
しかし、今思うと、そのころから、沙織様はお稽古にご熱心になり、私ども使用人の仕事まで興味深そうにたずね、時にはお手伝いまでしていただけるようになりました。そうしますと、ますます私どもは沙織様がかわいらしく感じられ・・・。今にして思えば、花嫁修業のおつもりだったのかもしれませんねぇ
熱弁をふるう小春に、申し分けなさそうに井上さんが声を書ける
あのー
ん?井上さん、どーした?
お連れ様をご案内いたしました
え、誰の?
井上が招き入れたのは数名のお年寄り
おお!
あら!
驚く五十嵐と小春
お年寄りは口々に自己紹介をし始める
小山内家・庭師の源蔵と申します
小山内家・料理番の菊と申します
沙織様に作法をお教えしております・・・・
小山内家運転手をしてます・・・
沙織お嬢さまに和裁をお教え・・・
私どもは、沙織お嬢さまの行く末を心配してやってまいりました!

このノリ、どっかで見たことがある
あるね
あるある
おまえらが考えてるのは、あれだろ?せーの
千里親衛隊!!兄弟ユニゾンで正解
やっぱり
だいぶ高齢だけどね

話を続けてもよろしいでしょうか、と小春
どうぞどうぞ
失礼しました
まあ、みなさんも、おかけになって
兄弟、自分の座っていたいすを、老人たちに譲る
お年よりは大切に
おお、申し訳ありません。
口々にお礼を良いながら、腰掛ける年寄り

仕切りなおす五十嵐
最近、分かったのです。この間、大蔵家にお邪魔した件で、沙織様がまだあの結婚のお約束を信じておいでだということを
沙織親衛隊、うんうんと頷く
これまで、学校からまっすぐ帰り、家にいらっしゃったのも、修司様に会えるかもしれないという思いだったのです
お稽古をがんばられたのも、
お料理を習われたのも、
お花を習得なさったのも、
お作法を熱心に学ばれたのも、
すべて、修司様の元へ嫁ぐ日のためのお支度だったのです

この劇団性も千里親衛隊に似てるな
確かに

だって、口約束なんでしょ?子供の頃に一回だけの
はい

年頃の女の子の遊びは一切しないで、
家で爺婆に囲まれてお稽古三昧・・・
そりゃ、世間知らずになるわけだよ
最初のタイムスリップ話も、信じちゃったもんなあ

そもそも、時田さんはそのこと、沙織ちゃんが結婚の約束を信じていること、知ってるの?
ご存知ないと思います

あっしも、お庭の手入れをしながら、お散歩するお二人を見ておりますが、指一本触れてないと思いますぜ
お話は、とても和やかにしたおられるよーですが

見てたらできねーな
・・・あの庭師侮れないね
ちょっと!
小声でごそごそ言っている明と智をつつく千里

ね、時田さんは、どのくらいの頻度で小山内さんちに来てるの?
前から時田の気持ちが気になっていた翔が尋ねる
MIT留学中以外は、週1回は、お見えになっていたかと
え?
どのくらい前から?
10年以上は続いているかと・・・
まめ!
義務感では出来ないよ
楽しくなきゃ行かないよな
これは、確定じゃないの?
時田、沙織ちゃんのこと、好きだって

しかし、ここ最近は、そう3ヶ月ほど、まったく小山内の家にいらっしゃらなくなり・・・

大蔵家の遺産騒動だな
あの時はそんな暇はないだろ

最近、また、時々お見えになるようになったのですが・・・、2週間に一度ほどでしょうか・・・

そのあとはトレジャーハンター建設予定地選定作業と、社長交代でばたばたしてたしな
10年以上続いていたデートが突然途切れたら、沙織ちゃんも乗り込みたくもなるかもね
いや、そもそも、沙織ちゃんは、時田がその気なことを知らない
大蔵兄弟、沙織の事件を思い出して妙に納得

極端に言葉の少ない、二人なんだね・・・
兄弟、ため息をつく

日曜日は是非、沙織様の思いを遂げさせてあげてください
ください!
土下座する勢いの沙織親衛隊

ああああ、顔を上げてください
うちでお手伝いするまでのことなく、うまくいくんじゃないですかね
そうでしょうか。わしらもう心配で心配で
今度の日曜。お屋敷の外で会うところまでは、お手伝いします。
でも、後は二人に任せるしかないんじゃないですか?
お年寄りをなだめる千里を兄弟が見る

沙織ちゃん、愛されてるな
なんとなくしんみり
猛だけ男泣き

バタン!
人様に迷惑かけたらだめでしょう!
リビングのドアが開き、黒髪をひとつにまとめた、パンツスーツの女性が現れた
伊織様!
老人たちこそこそと隠れようとする
だれ!?
失礼しました。
女性は一礼し、顔を上げて名乗った

小山内伊織です。先日は妹が、本日はうちの使用人がご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした
どうやってここまで入ってきたの?
父が、山川豊さんのファンなので、答えられました。
沙織ちゃんと一緒!

ほら、表に車、寄せといたから、乗って

はい、では、大蔵家の皆様、本日はどうもお邪魔いたしました
はーい
日曜日、よろしくお願いいたします
お年寄り、深々と頭を下げ、ぞろぞろと出て行く

すみませんでした。ええと・・・
大蔵風です
こちらがわたしの兄弟と、妹の千里
はじめまして
ご迷惑をおかけして、すみませんでした。
キチン、と一礼したあと、伊織は風をじっと見つめる
なにか?
わたし、以前、あなたと縁談が起こりそうになったことがあったんですよ。
俺とですか?それは知りませんでした
お写真を見る機会もなかったので。・・・あなたが風さんでしたか。
にっこり微笑む風
あなたが、ミラクルの後継者を放棄したあと、大変優秀な方だから、うちの入り婿にって話が出たんですが、女が行列する露天商では困るので、断りました

きびしーねー
女に冷たくされたことのない風、最大級に驚きすぎて、固まっている

そっちのご兄弟、次男三男四男も、うちの女子高で有名でしたよ。顔は良いけど、ヤンキー、タラシ、オカマだから、観賞用にしておこうって

暴走族だ!ヤンキーじゃねえぞ!
モテてただけでたらしじゃねーから!
ひどい!オカマじゃないのに!

あ、悪口じゃ、ありませんよ、噂。ただの思い出話です

すごい・・・。あのうるさい大蔵動物園を、口で負かしてる。あたしがはじめて来たときとぜんぜん違う
千里、伊織の迫力にびっくり

今のところ標的にされてない智と明、高みの見物
鬼嫁・・・。いや、鬼姉?
ナイス明!
ありゃあ、まさしく鬼姉だ

峯田、千里さん
はい
なに言われるのか緊張してしまう千里。

あなたには感謝しています

あなたの度が過ぎたおせっかいのおかげで
き、傷つくんですけど
沙織が年頃の娘らしくなってきました
にっこり、とキレイに微笑む伊織
・・・・・・・
その落差に、見ほれる兄弟と千里

すたすたとリビングを横切り、ドアのところで振り返ります
今日はうちの年寄り連中が大変失礼いたしました。あの年寄りたちの話を、聞いていただいて感謝しています
いえ、何のお構いもできませんで
あの人たちは、長いこと、小山内の家に仕えてくれていて、生まれたときから母のいない沙織にとっては、大切な家族みたいなものなんです。あの年寄り達が、あれこれ世話をやいてくれたお陰で、沙織は淋しい思いをしなくてすみました。できればすっと一緒にいてもらいたいと思っているのですが、ちょっと目をはなすと、今日のように無茶をするので、困っています
くすくす笑う伊織
それぞれ家族の欠けている兄弟と千里は、いろんな思いで伊織の言葉を聞く。
それじゃあ、日曜は、沙織を頼みます。・・・お手柔らかに

来た時と同じようにあっという間に去っていく伊織
誰もいなくなった、開けっ放しのリビングのドアを、ボーっと見る兄弟と千里

こわーい!
かっこいー!

前者は兄弟、後者は千里
お互いの言ったことの違いに顔を見合わせます

部屋の隅では猛が特攻服の背中を震わせている
だいじょーぶ?
千里が猛のそばに心配して寄り、背中をよしよしとさすります

その千里を弾き飛ばすように猛
ほ、れ、た・・・!
はあ?
伊織さん!素敵っす!
はあ?
たーけーるー。沙織ちゃんはどーなっちゃったのかなー?
沙織さんは沙織さんでかわいいっす!
小山内家に弱すぎだろう
育ちが悪いから、育ちのよさに弱いんじゃない?
んだと!

こうなるとさ、もうひとりの、旅するお姉さんにも会わせて見たいなー
鬼姉と旅姉!
旅姉にも惚れちゃったりして!
猛なら、あるかもね

もしかすると、だけどさ
どーした優
旅姉に、会うかもしれないよ、僕
え?
次の仕事で、ワールドワイドに活躍する旅行写真家の人に、対談と撮影してもらうっていう仕事があったと思うんだ。写真家の名前はKAORI.O.
まちがいねーだろ

何で、こんなに急に小山内家と縁が出来たのかねー

といったところです