フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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『続きシリーズ』『その後シリーズ』など、お話を読まれる方は、
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アタシんちの男子のその後を考えよう

智はネカフェへ、千里は畑へ



あくびしながらリビングの階段を下りてきた翔。トレイには昼食
カウンターのところにいる智に気づく


よー
おぉ
何してんだ?
んー。吉田先生にFAX送ったとこ
ふーん
翔、智の手元の紙を覗きこむ
午前中が課題、午後月水金バイト、火木図書館、か
そんな感じで行って見ることに決めたって報告
ふーん
翔、笑って智を見る
なんだよ
翔の表情が引っかかる智
まじめだなー
うるせーよ
言われたとおりにやる必要なんかねーんだぞ
人がせっかくやる気になってるってのに
お前は変なとこがまじめすぎるんだよ。
気楽にやれよーと背中を叩いて
自席について、雑誌を開き、遅い昼食を食べ始める翔


智、リビングには翔しかいないので、仕方なく声をかける
じゃあ、いってきます
おー
雑誌読んでる翔
今日はどっちだ
ネカフェ初日
その言葉に、翔、雑誌から目をあげ智を見る
お前の保護者は?
はぁ?
千里、一緒にいかねーの?
あいつは朝から畑の手伝いに行ってるよ
ふーん。
翔、ちょっとすねてるように見える智を見て
じゃあ、店の前まで、一緒に行ってやろうかー?
とからかう
ばーか!幼稚園児じゃねーぞ!!


ぷんすか怒ってリビングを出て行く智
カラフルパーカーの後姿を笑って見送る翔




トマト畑で収穫作業
千里、ごめんなー
義男が隣の畝にいる千里に声をかける
んー?
昨日、太郎ちゃんにばれちゃった
なにがー?
千里が新造の子どもだってこと
あー
すまん
千里、トマトの葉を掻き分けて、義男の顔を覗く
あたしは、義男さんや、新造さんと、太郎ちゃんのお父さんの関係を知らないから、なんとも言えないけど、義男さんの判断でいいと思うよ
義男、千里が覗いているところに顔を合わせて、
俺の判断って言うより、俺の失敗ってことなんだけどな
いいよ、ほんとのことなんだし
昨日な、千里と太郎ちゃんが一緒にいると込みたら、なんだかたまらなくなってな、ついうっかり
いいってば。太郎ちゃんのお父さんは新造さんと義男さんの親友なんでしょ?
千里、また作業に戻る
そうなんだ、学生の頃からの親友なんだよ
ねぇ、その話、こんど、ちゃーんと聞かせてよ
いいとも




ブリトニー、トランクごろごろ引いてネカフェに入ってくる
そと、あっちーし、最悪
お帰りなさい
声をかけた平次に国土
ホテルじゃないんだから、お帰りはないだろー
でも、住んでますよね
6時間パックとナイトパック
カウンターに料金を置いて、勝手知ったる我が家なので、いつも自分の使っているハイスペック席にむかう
マンガの棚の前で、ネカフェの制服の男子とぶつかりそうになる
っぶねーなー!
す、すいません
ぺこり、と頭を下げ、避けるようにブリトニーの脇をすり抜ける
ブリトニー、フロアに出ていた平次を捕まえて
ねー。あれ、だれよ?
新しく来てもらったバイト君。
カウンターに戻ったバイト君とは智のこと。ブリトニー、カウンターまで舞い戻って、智の顔を煽るように見る。
智、けんか売られてるのかと、ちょっと引き気味
ところがブリトニー
ちょー、かわいくねー?
の言葉とともにラブ目線バシバシ送ってくる。
そのメイクだと、なに言っても、怒ってるようにしか、見えないんですけど、お客様
あとずさる智。たじたじ。




太郎、義男の畑にやってくる
が、人影がない

ちょっと考えて、背の高いトウモロコシ畑の方に声をかける
義男さーん!
がさ、と茂みを書き分けて義男が顔を出す
太郎、コンビニの袋をかざし
アイス買ってきた。ひと休みせーへん?
おお。ありがとう!
アイス!?
隣の畝から、ねこ車に収穫したとうもろこしを満載した千里が顔を出す
千里、休憩しようか。太郎ちゃんから差し入れだ。
やったー!
長袖のチェックシャツを着た千里、ばんざーいと両手を上げる
お茶の支度するね
パタパタと田辺の家に駆けて行く千里
おっそろしいほど元気
千里はタフだぞー
駆けていく千里の後姿を見送る義男と太郎。夏バテ知らずの走りっぷりに思わず笑顔




平次、智と一緒にカウンターに入っている。
智が自動ドア側、平次が奥


まずは、数こなして、なれないとね
平次、先輩風ビュービュー


自動ドアが開く音
いらっしゃいませ
二人揃ってお辞儀
割とかわいい大学生風の女の子、智の前に立つ
会員証を預り、入店レシートを渡す
ありがとうございます


続いてきた、油っぽい男子、平次の前に立つ


その後来た女子高生二人、智の前で会員証を出す


続いてきたお昼寝サラリーマン、平次の前に会員証を放り出す


立ち居地が悪いのかな?と首を傾げる平次
智くん、場所変わって
いいけど・・・


服飾専門学校にでも行ってそうな、めちゃくちゃハデ可愛い女の子、平次の前をスルーして智の前に立ち
会員証作りたいんですけど
この子、研修中なんで、僕がやります
智を押しのけて応対を始める
よく見といてね
これ見よがしに優しい先輩の振りする平次
智、わっかんねーな、と首をかしげて苦笑い


入店客が途切れると、平次、智との間合いを詰める
なんだよ
智、あとずさるが狭いカウンターの中なので、すぐ追い詰められる
この店の、アイドルの座は、渡さないから!
はあ?
平次、智に宣戦布告




義男を真ん中に縁側に座って棒アイスを食べている三人
俺と、新造と、太郎ちゃんの親父の一郎は、大学の工学部で一緒だったんだ。
うちの親父が土木、新造さんが機械工学
俺が発酵化学。学部はバラバラなんだけど、発明同好会で知り合って仲良くなったんだよ
へえ、そんなの、があるんだ。
学生の頃は、新造も、一郎も下宿だったから、しょっちゅう、うちへ飯を食いに来てた。その頃は志保ちゃんもいた。
千里、ちょっと複雑な目をするがすぐに笑顔で隠してしまう
仲良かったんだね
太郎、ちょっと不思議そうな顔で千里を見る
夏休みに泊まりこんで、うちの畑を手伝ってくれたこともあったな。毎日毎日、よく喋って、夜には酒を呑んでまた喋って、二日酔いで俺の両親にたたき起こされて、ふらふらになりながらまた畑に行って
新造さんが!?
そうなんだよ。あいつが一番酒が弱かった。でも、先に寝ちゃうと、なんか楽しいことがあるんじゃないかって、いつも無理して付き合って、翌日ふらふらになってた。
千里、想像できない!と笑う
太郎ちゃんのお父さん、一郎は一番酒が強かった。どんだけ飲んでもニコニコ、ニコニコ。あいつの酒は、いい酒だった。太郎ちゃんも、いける口かい?
まあ、ほどほどですね
ほどほどってどれくらい?
1人で一升、くらいは・・・
うそ!その体のどこにそんなに入るの
お酒って、何でか入ってしまうん。水だとそんな、飲めるわけないのに
さすが、遺伝だな。
義男、思い出し笑い
なに?
発明同好会で、一番最初に三人で出した企画も、そういう宴会の席で生まれたんだよ
なになに?
興味津々の千里
それはね
義男、勿体つけて一拍置く
焦れてる千里をひきつけて、人差し指を立てて言う
冷蔵庫でコールドスリープ!
え!?まさか!
千里の反応に太郎、大笑い
千里の耳に、新造の声がよみがえってくる
いや、まじめに考えたんだよ、これでも
でも、酔っ払った席で出たアイディアなんだよね?
そう、どうして冷蔵庫ってアイディアが出てきたか、だーれもそのくだりを思い出せない
義男、ひとしきり思い出し笑い。
その笑いが引くと、笑いで涙がにじんだ目尻を拭い、義男、千里に笑いかけて庭の隅を指差す
うちの前に、冷蔵庫があるだろ?千里
うん
うちにもあるんだ。使えないでっかい奴が
太郎、にっと笑って義男の向こう側から千里を見る
新造さんの社長室にも、冷蔵庫があったよ
千里、初めて冷蔵庫の意味を知り、あっけにとられる。でもその顔に、ゆるゆると微笑が広がる
その表情を、嬉しそうに見つめる義男
跡取りだった新造は、若くして会社をついで、ミラクルの社長になり、多忙な毎日を送るようになった
俺の親父は、国家公務員になって、オカンと結婚。日本全国転勤族。その後、オカンの実家の会社のあとをとった
俺も、サラリーマン生活の後、親父のあとを継いでここで農家をやっている。みんなそれぞれの人生だ。
ちょっと淋しそうな義男
でも、みんなの家には、まだ冷蔵庫があるんだね
千里、親父三人の友情の証を知って、嬉しそうに笑う
俺はあきらめてないからな
うちの親父もだよ
新造さんも、亡くなる少し前に、コールドスリープのPR映像、撮影してた。撮ったのはあたし
三人で笑いあう


俺も新造に負けないで、まだまだ現役なんだぞ
義男、ちょっとこっちへ来いと、千里を納屋に引っ張っていく
見れくれ!
白布の覆いを取り払うとさまざまな機械類がひしめいている
そこは義男の発明ラボ
これが自動種まき機。こっちが、合鴨農法をロボットでやっちゃう、合鴨マシン「ガー吉」。これが、腰を壊さず畑が耕せるクワ車輪
嬉々として説明する義男
知らなかったー。義男さんがこんなことしてたなんて
今まで知らなかった義男の一面を知り、呆気にとられる千里
うちの親父も、おんなし。
千里の後ろから納屋を除いてた太郎が、千里に笑いかける
しょっちゅー、「下らんもん作んなー!!」ってオカンにどなられとる
やれやれと、いった表情の太郎に、千里も思わず笑い出す


確かに、新造さんのお友達だよ、義男さん