フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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アタシんちの男子のその後を考えよう

ネカフェの事件、再び・その3

続きです
書きたい話なんだけど、やっぱり、うまくかけないですφ(._.)ー3
誤字脱字、加筆修正あります




29番が店を出るので、会計を済ませる智
釣銭を受け取った男が、智に話しかける
俺さ、何回かここに通ってるんだけど、
は?
君、神林智くん、だよね
・・・
男が自分の顔を見ていた理由を知り、逃げ損ねたことを後悔する智
男、カウンターに名刺を滑らす
俺、こういう仕事をしているんだけど、
智、名刺を受け取らずに黙読
君の役に立てるんじゃないかなと思って
げいのう、ぷろもーたー
智の頭の中でうまく意味が取れない文字がふわふわと漂っている
こんなところであるバイトしてるってことは、ひょっとして、物入りなんじゃないかと思ってね
親切そうな声音だけど、すごく気持ちが悪い顔で笑ってんだろうなと、うつむいたままで智は思う
もし、お金が必要だったら、手っ取り早く稼ぐ方法は、あると思うんだよね
智、男をぶっ飛ばしたい衝動に駆られ、腕に力が入るけど、バイト先で暴れるわけには行かないんで、ぐっとガマン
一時的にまとまったお金が欲しければ、暴露本とか、一発屋追跡取材とか・・・
「てめー、どうでもいいから、早く帰れよ」と心の中で呟く智
イライラが募る。このまま振り返ってバックヤードに飛び込んでしまいたい
女の子の注文にうきうき出かけて行った平次の顔を思い出し、「あいつが俺をここに一人で残すからいけねーんだ。平次の野郎、戻って来たら、絶対殴る!」と八つ当たりを決心して、気を散らす
智、「よかったら、相談に乗るけど」という男の腹に、今すぐ拳を叩き込みたい衝動を抑えて、
機会がありましたら、よろしくお願いします
顔を上げ、愛想笑いを男に向ける智。もっとも、目は笑っちゃいないけど
悪い話じゃ、ないと思うんだけど…
男は智のことなどお構いなしに、ニヤニヤ笑って言葉を続ける
そこへ


ちょっと、おっさん!!


葵が智と男の間に割って入る
智、いきなり飛び込んできた葵に、驚きすぎて声も出ない
制服姿の女子高生が、突然、飛び込んできて、男もびっくり仰天
智をかばうようにカウンターを背にして、葵、至近距離から男を見上げる


おじさん、大人のくせにサイテーだよ
大蔵くんは、ずっと戦ってたんだよ
おうちで、ひとりで、誰にも会わないで、傷が治るのをガマンしてたんだよ!
おじさん、人の噂も75日って言うでしょ
あれは、75日もたてば噂はきえるって意味じゃなくて、75日もガマンして自分を傷つける噂に耐えてたんだから、もう許してやろうっていう、立派な大人の心がけなんじゃないの!?
大蔵くん、どれだけ苦しんできたたと思ってるの!
75日どころの話じゃ、ないんだから!!


男相手に大声で啖呵を切る葵
啖呵切ってるくせに、半べそ
田中、葵を追ってあちこちにぶつかりながら、フロアをかけてくる
国土も騒ぎを聞きつけ事務所から飛び出してくる
葵の怒鳴り声に気づいた千里もブースを飛び出す
やめろって、岡崎!
田中が葵を取り押さえる
うるさい、ハジメちゃん
葵、大暴れ
大蔵くん、頑張ってるのに、このおっさんが…!
感情が沸騰してしまった葵、ボロボロ泣きながら、男に手を上げようとする


他のお客様のご迷惑になりますので、ご遠慮いただけますか


国土、カウンターまで来て、静かに言うと店外を指差す
あ…
国土の言葉に、憑き物が落ちたように大人しくなった葵
田中、葵を促して店外に向う
ケッと、葵の後姿を見て、嘲るように笑う男


出て行かれるのは、お客様です


国土、男を正面から見据え
当店では、酔客のご利用は、固くお断りしております
人懐こい笑顔を浮かべながら、しかし厳しいまなざしで、国土が男に退出を促す
俺が酔っ払ってるってのか!?
国土に食って掛かる男を、平次と千里親衛隊が捕らえる
俺は客だぞ
わたしは店長です
凄んで見せる男に、国土、怯まず宣言
男、国土をにらみつけ、自分の体を押さえつけている平次と親衛隊を振り払う
二度と来るか、こんなとこ
ジャケットをばさっと調えて、男が捨て台詞
はい、申し訳ございませんでした
国土、深い礼をして、男を送り出す


男が出て行って、自動ドアが閉まると、国土、顔を上げ、店内を振り向いて
えへへへ
と笑う
千里が国土にVサイン
国土もうれしそうにVサインを返す
平次、千里親衛隊、国土をたたえて拍手喝采
照れて頭をかく国土、一、二歩、歩き出したら、恐怖に膝が震えていていることに気づく
先輩!
ぐずぐずと崩れ落ちる国土を平次や親衛隊が駆け寄って支える
こういうこと、慣れなくて
恥ずかしそうに千里に言い訳する国土
国土くん、立派な店長だよ。かっこよかった
千里、国土の肩を叩いてねぎらいの言葉をかける


ことの流れを、ただただ見ていた智、まだボーっと立っている
千里が智のそばまで行き、ポンと背中を押す
智、千里を振り返る
ほら
千里、店の外を指さす
あ、
智、あわてて店の外へ駆け出す
走り出した智を見送っていた千里のそばに、何とか歩けるようになった国土がやってくる
智くん、いいお友達が出来たんですね
うん




ネカフェの外階段に座ってべそかいてる葵
葵のそばで、手すりにもたれて、黙ってる田中。ネカフェから出てきた智に気づき、口の端でちょっとだけ笑顔を作る


自分でキレたくせに、泣いてんじゃねーよ
からかうような調子で智が声をかける
俺が殴りてーのを我慢してるのに、何でおまえがキレてんだよ
智の声に顔をあげる葵
だって、あのおっさん、さっとんにひどいこと言うから
そっぽ向いて、明るい調子で智
別に、あのくらい、どーってことねーし
どーってことなくない!
俺、免疫ついてるから
免疫?
こういう「ひどいこと」は、一度、お前にされてるからな
智、初対面の葵に、神林智の動画をいきなり見せられた事件を揶揄して、にーっと笑う
ひどい〜!
葵の目に、涙が膨れる
ほんとだ
田中、くすくす笑いだす
ハジメちゃんまで〜
葵、決まりが悪く、座っている膝に顔を伏せる
わりぃわりぃ
岡崎、ゴメン
智と田中、葵を泣かせちゃって苦笑い


千里、三人の様子を見に、ネカフェから出てくる


階段に座って顔を伏せている葵の、3段下まで降りて、ちょっと躊躇しながら、葵の頭に右手を伸ばす智
気配を感じて顔を上げようとする葵の頭を柔らかく押さえ、俯かせたままで話し始める智
『人の噂も七十五日』
え?
お前、ことわざの意味、間違ってんぞ。そんなとこまで、猛に合わせること、ねーのに
さっとん?
少しだけ頭を上げて、智を見上げる葵
智は葵の視線を避けるように、手を乗せたまま


あのことわざは、そのまんまの意味だよ。人の噂はそのうち消える。気にすんなって意味だ。
お前が言ってたみたいな、解釈は聞いたことねーよ
でも、覚えとく。
おまえがひねり出した解釈、俺にあってるみたいだから
とりあえず、礼は言っとく。…ありがとな


しっかりとした口調で言い、手を引き際に葵の頭をぺちんと叩く智
いたいよ〜
葵が両手で頭を押さえる
そんなに強く叩いてねーだろ
恥ずかしいので、いつもより、更に、ぶっきらぼうに言い放ち、今、下りてきた階段を一段越しで上る智
視線を上げると、千里がそばにいたことに気づく
一連の行動を見られていたことが照れくさく、口元ゆがめる智
千里、智の腕を取って引き寄せると
やるじゃん、智
と、笑顔
ちゃんと葵に感謝の言葉を伝えられる智がうれしい千里
腕を組まれた格好になり、ドキドキしてしまう智、耳まで真っ赤
うれしいんだけど慌てて千里の腕を振り払い、挙動不審
田中、智の様子にニヤニヤ


千里、階段に座っている葵の隣に並んで座り
ありがとね
と葵の頭を撫でる
おねーさん
いくら葵ちゃんが元気だって言っても、男の人とケンカするのは怖かったよね。
葵ちゃんが智のために言ってくれたこと、あたし、すごくうれしかった
今日は泣き癖がついてしまった葵、千里に撫でられてわんわん泣き始める
さっとんが叩いたとか、おじさんが怖かったとか、なんだかんだと千里に呟いては、うわぁんと泣く
千里は、その度、あやすようにうんうんと頷く
 

葵の大騒ぎを田中と智、並んで階段の手すりにもたれかかって見ている。
大蔵くん、
ん?
岡崎、ここで、最初に大蔵くんに会ったときより、ちょっと成長したと思わない?
智、田中の言葉に首を傾げる
「これにはわけがあってさ」と田中、智に笑いかける
岡崎、大蔵くんちに家庭訪問する前に、吉田先生に宿題を出されたんだよ
宿題?
「大蔵くんの気持ちになって考えてみよう」ってレポート。最初の事件の反省文。―――少しは役に立ったのかもね
吉田、先生が?
智、びっくり
それ、3回、吉田先生に突っ返された
田中の言葉を聞きつけた葵、ふくれっつらでそれだけ言うと、またうわぁんと泣く


その様子に、田中と智、思わず笑い出す
笑わないでよー!
と涙でよれた声で文句を言う葵の肩を千里か抱いてよしよしと揺する


散々千里に甘えて、気がすんだ葵
おねーさん、ありがとう
と千里に神妙に頭を下げる
こちらこそ、ありがとう
千里も葵に頭を下げる


葵ちゃん
千里、改めて葵の名を呼び
田中くん
少し離れたところにいる田中を見て
これからも智をよろしくおねがいします
と笑顔で頭を下げる千里
田中と葵、千里のきれいな笑顔に一瞬見とれ、顔を見合わせて恥ずかしそうに頷く


これを見ていた智、千里の母親口調にいたたまれなくなり、踵を返してネカフェに戻っていく
智、国土くんが、今日はもう、上がっていいって
千里が智に声をかける
あと三十分、勤務時間残ってるから
ご機嫌損ねてずんずんネカフェに戻って行く智の背中に、


終わるの待ってるから、一緒に帰ろ
と千里が明るく声をかける

ぴた、と、足を止めた智の表情が柔らかくほころぶ
千里を振り向いて、一つうなずくと、智は、駆け足で店内に戻っていく