フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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『続きシリーズ』『その後シリーズ』など、お話を読まれる方は、
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アタシんちの男子のその後を考えよう

最近上げてなかったですね
あまりまとまらないけど、まあ、許してください
加筆修正の可能性あります

2009.11.25追記




兄弟サウナ


一日の仕事を終えた翔が帰宅
今日はなんだか、疲れたなー
と言いながら、サウナの扉を開く


お!?


兄弟勢ぞろい。9時過ぎてるから、当然、明はいないけど
全員腕組みで翔をにらみつけている
びっくりしたー。
「なんなんだよ」と入り口でひるむ翔
まあ、座れ
風がモニターの前を示す
サウナの一段目、モニター左右に風と猛。二段目に優と智
モニターの前に座るってことは、兄弟にとりかこまれる形になる
なんだよ、気持ち悪りーな
いつまで待たせんだよ
しょうがねーだろ、仕事なんだし
おめーの留守によ、えれーことになっちまったんだよ
猛がニヤニヤ笑いを浮かべて、からかうように言う
風は、なにやら仏頂面
優は口元に手を当てておろおろ
智は不機嫌なときのアヒル口
翔は意味がわからないと、苦笑いして首を傾げる
あの関西弁がな?
勿体つける猛
太郎が何?
いらいらと翔
ちびっこにプロポーズしたんだよ!
それと同時に優、「言わないでー」と耳を押さえる
じょ、じょ、冗談って言ってたろ?
信じたくない智、ぎこちなく笑う
冗談じゃねーよ。その証拠に、見てみろ、この風の顔
風、憮然とした表情のまま顔の筋肉ひとつ動かそうとしない
風・・・
智と優、がっくり
そういうこった!
なぜか勝ち誇ったように言う猛


で?
「で?」じゃねえよ。ちったー慌てろよ
思ったよりも翔がダメージを受けてないのが気に入らない猛
全然状況が見えねーんだけど?
首を傾げる翔
いつものようにさ、太郎の奴がリビングで新造さんの発明品を見てたんだよ
智が状況を説明し始める
そう、ちょうど千里さんが、ハイパワーボイスの使い方を説明してたときだったの
優が補足説明
そん時、関西弁がな、「ねー、千里ちゃん、俺の嫁さんにならん?」っていいやがった
猛が太郎のものまね
にてねーよ
風のツッコミ
お。久しぶりにしゃべりやがったな
猛の騒ぎがめんどくさい翔。浅くため息をつく
で?
「で?」じゃねえよ。
冗談って言ったんだろ?
翔、智に確認
お、おぉ、言ってた
じゃあ、冗談なんじゃねーの?
軽いなー
元はといえば、THEサウナ勝負に勝ったのに、翔がいつまでも、もたもたしてるからいけないんだよ
そうだそうだと優に同調する智
風までなんでそんな顔してんだよ
あいつが言ったことが気になったんだよ
ん?
千里の夫になれば、遺産にちょっとは関われるんじゃないかって、あいつ、言ってたろ
なんだよそれ
翔ばかりでなく、兄弟もちょっとざわつく
「新造さんの遺産が、この城の中に、まだあるって言うの?」優が風に心配そうに問う
俺は、そんなニュアンスを感じたんだ
「あの、ガラクタのことなんじゃねーのか?」智も自分なりに推理してみるが浮かばない
そうかもしれないが・・・
歯切れの悪い風に兄弟、なんとなく顔を見合わせる
「なんか、心あたりあるのかよ」猛は考えるまでもなくいらいら
あいつ、城に執着しすぎだろ?
風、思案顔。顎に手をあて、首をかしげる
なんか探してるもんはあるんじゃねぇのか
猛、ごろごろと寝転がりながら話に加わっている
うん、それは俺もチラッと思ったんだよ。いくら親父の発明品が好きだからって、あの熱の入れようは、ちょっとな
太郎と一緒に発明品を見ていた翔も同意
城の探検も、かなりのレベルまで、井上さんについていったみたいだったな。
風が、太郎の城見学の日に家にいた猛に確認
俺たちのしらねー抜け道も案内してたみたいだぞ
それ、セキュリティとしてどうかと思うよね
優が心配顔でつぶやく。つられて兄弟も顔を見合わせる。
「あんなに食らいついてきた奴は、初めてです」って井上さんが言ってた。
井上さんが人を認めること自体、めずらしいもんな
認めらんないから、対千里トレーニングをやめないわけだし
いえてる


兄弟口々に太郎の行動を分析。すると、今度は遺産が気になりだす


でも、新造さんの遺産ってさ・・・
二つの隠し部屋のほかに何があるんだろう?
第一の隠し部屋で、兄弟の巻物と、みらくるん2号がでてきたろー?
で、みらくるん2号は新造さんのメッセージの投影とか、母親10か条のコンプリートに欠かせないアイテムだったから、次の遺産の鍵みたいなもんだったよね
その結果、第2の隠し部屋が見つかったんだもんな
そうそう
第3の隠し部屋があるとしたら、第2の隠し部屋の中にそのヒントがあるってことなのかな?
いやー。あそこにメカニックなものはなかったと思うよ
財宝と、絵本か
ああーわかんねえ。
財宝があれ以外にあるとは思えないし
太郎が見ると宝ってこともあるんじゃねえの。ほら、マニア垂涎みたいな
俺たちにはガラクタに見えるってことか?
でも、そんなもん、ムキになって探すかね
サウナの中で侃侃諤諤、喧喧囂囂



寝転んでた猛、がば、と起き上がり
遺産なんかどーでもいいよ。ちびっこはどうすんだ?
めんどくさくなっちゃった猛が話題を引きもどす
それは千里が決めることだから
翔はこの話には乗らない構え
余裕かましてっと、痛い目見っぞ
翔に顔を近づけて煽る猛
うるせー、バーカ!
翔、いつものけんかのように猛をドン、とつく
と、ふらふらと倒れる猛
お、お前、大丈夫か?
翔が助け起こす
おめーの帰りが遅いから、二時間もサウナで待ってて、こちとらへろへろなんだよ!
助けてくれた翔をばしんと叩く
いてーな!
猛の言葉がきっかけになったのか、音を上げる兄弟続出
僕も限界かも
優、額に手の甲を当て、目を伏せる
俺もー
智も頭を振って立ち上がる
まあー、そういうこったー
おい、行くぞと猛、優と智を促してふらふらとサウナを出て行く
ちょっとさー、話途中でいーのかよー
翔、三人のうしろすがたに声をかける
風も、「俺も、引き上げるわ」と立ち上がる
はいはい。それで、いってーなにが言いたかったんだよ、お前たちは
まあ、太郎の思惑にちょっと気をつけてみてくれってとこかな
ひらひらと手を振ってサウナを出て行く風


翔、出て行く後姿に悪態をつく


ぽつんとひとり、サウナの中に残されてしまった翔


あらためて疲れをほぐすように首を回し、肩をもんで、腕を伸ばしてストレッチ
と、ちょっと動きを止めて、ひとつため息をつく


プロポーズ、ねー…




恐怖時計の部屋の前


平気な顔をしてみても、無意識にここへ足が向いている自分に苦笑いする翔

サウナで足止め食って、時間もかなり遅くなったし、今日はやめとこ
いつもする小さいノックを、今夜は振りだけですます。
それでも、そのまま去りがたく、扉を軋ませないように気をつけて、背中で寄りかかる


プロポーズかー


ハイパワー探知機で自分をからかった時みたいに、明るくあっさり言ってのけたであろう太郎が、翔には容易に想像できる

そうできるっていうのは、ある意味うらやましいよな


暗闇の中で手を繋いでいるような、見えないけれど確かな絆を、千里との間に感じている翔だけど、言葉にはなかなかできないでいる
嫉妬も確かにあるけれど、千里にするはずの「大事な話」の先を越されてしまったことの方が、翔にとっては残念だったりして


翔、くしゃくしゃと髪をかいて、ため息




朝食
兄弟、表情がさえない
箸を持ってボケーっとしている
何、食欲ないの?
千里が心配そうにみんなの顔を見渡す
なんか、サウナあたりみたいよー?
仕事柄、夜更かしもいつものことの翔は、一人だけ元気
サウナあたり?
千里が不思議そうな顔をする
みんなで入ったの?めずらしいね
ちょっとサウナで話し込んじゃって
優がなんとか笑顔を作って千里に返事
めずらしいよなー。
翔、にっと兄弟に笑いかける
うるせーよ。
智の悪態も迫力がない
おめーは、晴れやかな顔、してんじゃねーか
猛のいやみっぽい口調
ふつーだよ
そっけない翔の答え方にむかつく猛。でも、応戦する力が出ない
いつもなら、みんな並んでおかわりする大根の味噌汁も今日は残り気味
作りすぎちゃったなとがっかりしている千里に、晴れやかな顔でおかわりのおわんを差し出す明
明はいつもどおりだね
うん
千里「サービス」といいながら、明に味噌汁をたくさんも盛ってあげる
俺もおかわり
と、翔もおわんを差し出す


表に時田さんが迎えに来てます
井上さんがリビングの扉から風に声をかける
えー、もうそんな時間かー
めんどくさそうに上着を持って席を立つ風
風、歯磨きしてかないと
会社でするよ
そう?
俺も行くわー
猛もずるずると出勤体制に入る
いってきまーす
行ってらっしゃい
手を振る千里
あ、翔
風が立ち止まって翔を呼ぶ
なに、
ちょっとこっちに来いと手招き
なんだよー
めんどくさそうに、お椀と箸を持ったまま、風のそばまで行く
昨夜、猛があんなこと言ったけど、プロポーズの件は、心配ないだろ
は?なに言ってんの?
お前に合わせて、夜中までがんばって起きてる千里は、えらいなーと思ってさ
・・・
俺は一晩で懲りたね
あくびをかみ殺す風
じゃあ。いってくる
…おう
箸を持ってる手でお見送りの挨拶
シスコン・風がこんなこというなんて、と、翔ちょっと拍子抜け。よっぽど太郎のもくろみが気になるらしい
にしても、千里が夜中、起きていることを把握してるあたり、やっぱり重度のシスコンだよな。見送りながら味噌汁を立ち飲み


行儀悪いよー
千里が翔を注意
風が呼ぶから悪いんだろ?
お碗ぐらい置けるでしょ
硬いこというなよ


翔がダイニングテーブルを振り返ると、人数が減っているのに気づく
あれ、智と優は?
もう一回寝るって
あ、そ
みんな、昨夜は何喋ってたの?
さあ?
味噌汁飲むおわんで笑い顔を隠す翔


もう、いい加減、落ち着いて食べたら?
千里が翔の席まで背を押していく
はいはい
千里が体を動かしたとき、小さな金属音が鳴る。オルゴールボール?
翔が音に気づいて千里を見ると、ピタ、と千里の動きが止まり、恥ずかしそうに笑うと翔のそばを離れて自分の席に戻ってしまった。
千里の様子に、翔の口元も、思わずほころぶ


持ってんだ
席に戻った千里に聞くと、千里は「うん」と小さくうなずく
明が不思議そうな顔で、二人のやり取りを見ている
一度千里を見て、今度はゆっくりと翔の表情を吟味
翔が明の視線に気づき
なんだよ
明、にっと笑い、
みんなにはナイショにしといてあげる
としれっと言ってのける

口数の少なかった明が、喋ってくれるようになるのはいいが、なかなかきついツッコミをお見舞いされることに、先が思いやられるとため息つく翔