フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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『続きシリーズ』『その後シリーズ』など、お話を読まれる方は、
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アタシんちの男子のその後を考えよう

さて、まだまだ続いてしまいます
今日もなんだか調子が出ない…
いい加減にしなさいと、セルフツッコミ入れつつ
 
誤字脱字加筆修正ご容赦ください





発明の部屋


兄弟、室内を見ている
風は本棚を眺め、手に取ったりしている
猛はお菓子を貪り食っている
怖くなかった?
だいじょぶだった?
智と優は千里を挟んであれこれ質問
明は発明品のショーケースを見ている
遅れて部屋に入ってきた翔
翔を見て、千里、反射的にそっぽを向いて、ポケットの中で指を握る


「発明の部屋」の扉に手をかけ、動かして見る翔
あ!気をつけて
翔の行動に気づいた千里、思わず声を上げる。

それ閉めちゃうと、また閉じ込められちゃう。中から開かないんだよ
うぉ!マジかよ
翔、あわててぱっと両手を離す
気をつけろよ
風が注意
わりい。でも知らねーんだもん、仕方ねーだろ?
翔、顔をしかめて頭を掻く
全員ここにいる状態で閉じ込められたら、今度は誰が助けに来んだよ!
猛、チョコレートを口に入れてるので、苦情がもごもご
今度は携帯電話持ってるから、井上さんとか、国土くんにでも頼めば?
千里が提案
お前がゆーなよ
ごめん
千里、あろうことか猛につっこみいれられて、ちょっと不満げ
明が扉を指差す
閉じないように、なんか、はさんどいたら?
そうだな
風が読んでた本を、隣にいた智に渡し、優、翔へとリレー
受け取った本を敷居の端っこに置く翔


さすがに狭いね
千里、部屋を見回す
一人用の「発明の部屋」の中に、男子が6人も増えると、さすがに窮屈
しかも、風、翔、優は背も高いし
そもそも、千里さんは、何でこんなところに閉じ込められたんだよ?
智が心配そうにたずねる
拉致とか
優が不安気に口元に手を当てる
ううん、極めて友好的に。太郎さんが「新造さんの面白い部屋を見つけたから、教えてあげる」って誘われて
バカか、お前は
猛、やれやれと首を振る
なによー
猛の嫌味な言い方に、千里、カチンと来る
そんな、「おもちゃ買ってあげるから、おじさんと行こう」的なレトロな誘拐の手口に引っかかってんじゃねーぞ
自分ちで誘拐されるなんて思ってないし!
千里、猛に反論
そもそも誘拐されてねーし!
智、援護射撃
それを言うなら幽閉だし!
優も助け舟をだしたつもりだったが、
幽閉?何それ!?
と反対に千里に、びっくりされてしまう
何それって、千里さん、もしかして何にも知らないの?
明、千里をじっと見る
え?え?え?なんのこと?
兄弟、顔を見合わせる
なんかあった、・・・のかな?
首を傾げる千里


身代金は1000万
明が1本指を立て
親父の遺産を渡せばチャラ
翔、腕組みしながら視線を上げる
渡したくないなら、3時間以内に幽閉された千里を探し出すこと
風、製図板の前の椅子に座りながら言う
探し出したら、俺たちの勝ち
智、ゆっくり頷きながら、親指をあごに当てる
もし探せなければ、僕たちの負け
優、指を組んだ手を体の前に伸ばす
遺産も千里もいただきますっときたもんだ
猛、大げさに眉を上げて変顔を作る
それ、優が今度出るドラマの話?ちょっと、むちゃくちゃなんじゃないの?
あきれたような表情の千里
まー、むちゃくちゃだよな
風、ため息つきながらそういうと、千里の目をじっと見つめる
それが太郎の要求ー
翔も中空に漂わせてた視線を千里に合わせる
はぁ!?太郎さんが?いったい何の得があってそんなこと…!
千里、目を大きく見開いて、口もあんぐり
「信じられない」と、言いかけた千里
あ、3時間
太郎が自分に出したリミットを思い出す
急に千里が黙ったので、兄弟、千里を見る
なんか言われた?
うん・・・
千里、くしゃくしゃと頭をかく
俺と大阪に行こう。結婚してください。
猛がめんどくさそうに言う
何で知ってるの!!
猛にはデリカシーってもんがないの?
ちょっと女心がわかる、元オネエキャラの優が猛を叩く
そうだよ
智も優と一緒に猛に迫る。智の場合は、金輪際思い出したくない話題だからなんだけど
いや、いいんだよ
落ち着いた千里の声
いーのかよ
猛糾弾の姿勢に入っていた優と智、勢いそがれて、ちょっとこける
千里、ちょっと困惑気味に眉根を寄せ
いきなり結婚なんて言われても、全然思い当たる節がないって言うか
とつぶやく
は?
兄弟6人のユニゾン。みんな目玉を落としそうにびっくり
ちょっと待て
俺たちが知ってるだけでも、最低、一回か二回は意思表示してるよな、
それも露骨なくらい堂々と
細かいの入れたら、数、限りなく
「嫁さんにならん?」発言だってあったのに
あれだけやっても通じてないんだ・・・
兄弟、心の中で「それはそれで太郎が不憫だな」と、つぶやいてしまう


それぞれに、千里の天然鈍感爆弾を食らったことのある千里に恋する男子たち、現在継続中の揉め事はひとまず置いて、思わず太郎に同情してしまう


風、製図板にとめてある部屋の見取り図に気づく
これは?
あ、この部屋の見取り図
こんなの作ってたんだ
明が覗き込む
この部屋の出口を探してたんだけど、チェックしたところがわからなくなっちゃうから、記録してたの
翔も、おんなじ発想だったね
明、翔を見る
え?
千里、びっくり
隠し部屋を探すのに、みんなで城の見取り図を使ってたんだ
と翔が説明
猛、ニヤニヤといやーな笑顔をつくり
気が合うね〜お二人さん
普通だよ
誰でも思いつくって
めんどくさいのであっさり交わす千里と翔


優と智、千里が作成した詳細な図面に驚く
これ、全部、書いたの?
うん
明、図面に端にたくさん書いてある不正解の暗号の羅列を見て
暗号も解いてたんだ
2時間ちょっとで、よくもまあ…
照合機は?
この図面の収納ボックス
千里、携帯電話を開いてキーの配列を見せる
これが、これと同じってこと
1、2、3、と図面筒の配置を指差す
へえ
感心する兄弟たち
まあ、肝心の暗号はまだ解けてないけどね
千里、苦笑い


すごいな
うん
ひそかに顔を見合わせる優と智
幽閉されて涙を流しているお姫様みたいな千里を頭の中で想像していたが、豈図らんや、姫は自分で脱出する気満々だったみたい


タフだねぇ
風、頬杖ついてニコニコと、頼もしいわが妹をうれしそうに見る


千里の図面を基に、兄弟は「発明の部屋」探検
なんだよ、この部屋いいな、俺にくれ
地下室の充実振りを見た、猛が戻ってくるなり言う
あたしもそう思った


猛、最近建築現場に出入りしているので、建物の構造に興味津々
さっきの寄木もそうだけど、こりゃ大工や建具屋じゃなくて、指物師か箪笥職人が作ってるみたいな部屋だな
へー?わかるの?
まーな
ちょっと得意げな猛
ちびっこ。お前も桐ダンスならわかるだろ、ああいう風に隙間なくぴっちりと作るにはなあ・・・


珍しいね、猛が薀蓄語ってるよ
明、風に話しかける
ていうか、猛は建設現場にいるだけで、箪笥職人に弟子入りしたわけでもないのに、よく、ああも堂々と語れるよな
風も呆れ顔
ほんとに
そばで聞いてた翔もうなずく


たとえばこの扉、見てみろ〜
猛、入口の扉をスーッと引き、閉めようとする
なんだよこの本邪魔だな
猛、ブーツのつま先で本をどけると
この扉の細工なんか、最高だろ〜!
ダメ、猛!
猛の動きに、千里叫ぶ
見ろ、紙1枚入る隙なく。ぴったり収まってらー、な?
「な?」と猛が兄弟を振り向くと、兄弟、呆然の表情
あ?なんて顔してんだ?
まったく意味がわかっていない猛


僕たち、閉じ込められちゃったー!!
優がパニックの声を上げる
え!マジで
猛、扉を開けようと四苦八苦するが、さっき自分で説明したとおり、紙1枚入る隙間がない
何してんだよ
智、猛の肩を突き飛ばす
面目ない
頭に手を添え、詫びる猛
面目ないですむ問題?
千里も腰に両手を当てて猛に文句を言う
3時間たっちゃうよ
千里さん、暗号、暗号
暗号解けてたら、とっくに1人でここから出てたよ
う〜〜わ〜〜〜
兄弟、大パニック


落ち着けって
風が冷静に声をかける
これが落ちついてられるわけねーだろ
あたふたする猛
でられない!
智、パニック
太郎さんがきちゃう
明もあたふた
千里さんが結婚しちゃう
優、半べそ
しないってば
千里ツッコミ
落ち着けって
翔、自分でそう言ってみても落ち着けない
お前も少しは焦れよ!
猛、泰然自若の風を指差す
焦る必要ないじゃん
なんで!?!?!?!?!?!?
千里と兄弟、絶叫気味
だって、俺、暗号、わかったし
にっこりと笑う風
え〜〜〜〜〜!?
思わず叫ぶ、風以外の6人
ま、暗号じゃねぇけど
なになに??


千里のメモがヒントになったんだ
風、千里の見取り図を示し、鉛筆でさす
千里の上げた単語は、動詞が多いだろ
この中で、ちゃんと動作してるのが、扉
ってことは、名詞を入れるってことだよ
風、照合機の前に進み出て
ここに入るのに押した暗号は「はつめいのへや」だろ
うん
だから、行き先を入れたらいいんだと思うよ
ろ・う・か 
「95・13・21」と図面筒を押す風
クリア音が響いて、何か仕掛けが動く音がすると、さっき猛が閉じてしまった扉が開く
おお〜〜!!
兄弟、感嘆の拍手
あたし、わからなかったのに、風は瞬殺かー
千里、ちょっと悔しい
千里がここまで解いてたからわかったんだよ。千里のおかげだ
風、千里を見て微笑む
あ、兄バカ発動
ち・か・し・つ。42・21・32・43っと
風が続けて自分の説を検証してみると、ぱかっと床のハッチが開く
合ってるね
この入り口は、手動と自動、両方いけるんだね
千里、「へえー」と、感心したように地下室を覗き込む
ねぇ智が開けた寄木の扉は?
興味津々の明が、風の隣に張り付く
あれも、作業を続けたら、全部手動で開くと思うよ。もちろん自動でも使えるはず
それを聞いた智と千里、トリックハート城の絵の壁に向い、まじまじと眺める
これが、全部開くんだ
千里、壁を手で撫でて確認
信じられないけど、からくり箱と同じ理屈なら、そうだな
智は自分が開けた小窓を覗き込む
ここを開ける言葉は何かな?廊下は、もう使っちゃったし
優が腕を組んで考え中
そりゃ、これしかないだろう
風、笑顔で12桁のポケベルコードを押す
クリア音


ずずずずずずず


トリックハート城の絵の部分が、周りの壁に収納されていく
壁全体でなく、床上がり170センチ、幅60センチくらいの少し小さめの入口が開く
優と明もそばまでやってきた
明やあたしは通れるけど、新造さんには狭かったんじゃないかな?
千里、明の肩に手を置いて、空間を見てつぶやく
ほんとだね
出来た空間を楽しそうに何度も抜ける明、智、優


なんて押したんだ?
猛と翔が風の手元を眺める
92・62・04・03・23・04
猛と翔、ちょっと考えて「あ!」と顔を見合わせる
リビング!
当たり!


扉が開いたから、リビングからなにやらいいにおいが漂ってくる
ピザ、焼けたんだ
飯にしようぜ
賛成
風、猛、翔も、狭い入口をすり抜けて、リビングに向う
先発隊の明、智、優、こうもり叩いて扉を開ける


みんながリビングにかけて言ったのを楽しそうに見ていた千里、
「さ、あたしも行こう」と、歩き出す
千里、猛が蹴飛ばした本につまずく
仕方ないなー
片付けようと、身をかがめて本を拾う千里

何かがひらめいた気がして、千里、もう一度腰をかがめる
そのままの高さで部屋の中心に進むと、立方体の椅子にぶつかる
そこに座って見ると…


あ…!


千里、思わず口元を覆う
ここは確かに「発明の部屋」
新造さんが家族を思って発明をしていた部屋
その証拠に…


兄弟、千里がリビングに来ないのを不思議に思い、振り向く
振り向くと千里が幸せそうに「発明の部屋」で微笑んでいる
少しだけ目元を潤ませて…


どうしたの
心配そうに駆け寄る兄弟
自分のそばに来た兄弟に気がつき、恥ずかしそうに目元を拭う千里、リビングを指差す
立ち上がって、「ここに座って」と明を立方体に座らせる


あ!新造さん


トリックハート城の絵が消えて、ぽっかり空いた空間には、
開けっ放しのリビングのドアから見える、暖炉の上の新造さんの肖像画が、ぴったり嵌って見える
新造さんの肖像画の周りを囲むように、「発明の部屋」には、兄弟の写真が飾られていた。
新造さんの肖像画の左側には、風、猛、翔の写真、右側には優、智、明の写真


兄弟、明のそばに顔を寄せて、その光景を黙ってみている


千里、兄弟の後ろで、みんなを眺めている
ここで、新造さんは、みんなのことを考えて、発明品を作ってたんだね


風、後ろにいる千里に手を伸ばし肩を抱いてみんなの輪に入るように促す


風、新造さんの肖像画が嵌っている枠の、真上を指差す
あそこに千里の写真を飾ろう。
みんなで親父を囲んでやろうな


千里、小さくうなずく
頷いたんだけど、泣いてしまいそうで顔が上げられない


そんな千里を、兄弟は、照れくさそうに笑顔で見ている