フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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『続きシリーズ』『その後シリーズ』など、お話を読まれる方は、
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アタシんちの男子のその後を考えよう

かくれんぼの続きです
兄弟の大捜索&千里も暗号を解こうとがんばっています

誤字脱字あります
あとで手も入れますが、話の先も急ぎたいので、中途半端ですが上げます
いつもすみません


よろしければ続きをどうぞ




リビング


兄弟で見取り図を作成中


よし完成!
みんなで拍手
それでも28箇所もあるね
最初よりはマシだろ
急ごうぜ
あと1時間半だ


じゃあ、3班に分かれよう
風が指示を出す
探索箇所が広い地下を3人。これは、体力勝負だから、優と智と、俺が行こう
頷く智と優
1階は、明と猛。猛は、9時になったら、明をたのむぞ
猛、明、親指を立てて承る
普段俺たちが生活しているフロアで、不明な部屋が少ない2階を翔が、みんなの報告を見取り図に落としながら探すって事でいいか?
「わかった」と翔も頷く


じゃ、携帯で自分の持ち場を撮って
OK!!!!!
確認終わったら、翔に連絡入れること
了解!!!!!
よし、行くぞ
おー!!!!!




新造さんの発明の部屋


キーワード、間違って、ロックかかったりしたら、大変だからねー
とつぶやきながら、製図板に止めてある、千里作成の見取り図の紙の隅っこに、思いつくキーワードを書き出してみる


暗号の照合機になっている図面筒の収納ボックスは、4×4に仕切られている。
右端のタテ4つは、筒に入っていない図面がそのまま入っていて押せないようになっていた
図面筒は4×3=12本。
数字の配列は、右上から1が始まる、電話と同じ10キー配列になってるところまではさっきの実験でわかった。
ポケベルコードを形成していないと、機械が反応しないことも


あ、でも、暗号間違って、井上さんが攻撃に来れば、この部屋開くよね。
いい考えかも!


千里、適当に1に当たる図面筒を押してみる
合成音が押した数字を読み上げる
ブブーとエラー音


千里、身構えて、びくびく、わくわく井上さんの攻撃を待つ


が、一向に井上さんが乱入する気配なし


なんだ、井上さんが攻撃してくるの、山川豊クイズ、間違ったときだけなのか。早く脱出できると思ったのにー
千里、不満そうに唇尖らせる


にしても、この椅子、座りにくいなあ
千里が座っているのは、木目がきれいな立方体
確かに部屋の中心にあって、どこをみるのにも便利だけど、座り心地は硬くてよくないね
製図板にはキャスター付きのガス昇降チェアがある
ってことは、これ、もしかして、椅子じゃないのかな
立ち上がって、あらためて木製の立方体を見る千里
でも、サイドテーブルにしちゃ、低いし
椅子っていうより箱?




手にマグライト持って地下探索する風、優、智


こんな怖いところに千里さん1人きりなんて…
優、半べそ
泣いてる場合じゃねーだろ
智、優の背中を叩く
気をつけるポイントは、暗号の照合機、物陰の鍵穴、特殊なものをはめ込む型枠なんかの、部屋を開ける鍵になるもの
うんうんと頷く二人
後は、でかい声で千里を呼ぶこと
うん
呼んだら、少し黙ること?

風の指示に首をかしげる優と智
闇雲に騒いでたら、千里の声を聞き逃す可能性があるだろ?
わかった、呼んで、聞くんだね
口元に手を当て、そのあと耳に手を当て、と手振りをつけて見せる優
そうだ
何で風はそんなことに詳しいの?50の資格の中にあったっけ
優が、首をひねる
昔の彼女がSPだったんだ
え、ほんとに!?
お前ら、今はそんなこと言ってる場合じゃねーだろ!行くぞ!!
智、おかんむり。二人を引っ張って探索スタート


一つ目の部屋に入る三人
智と優の頭の中の千里は、太郎が幽閉なんて言葉を使ったもんだから、薄暗い部屋の中で泣いているお姫様のイメージ
その弱々しい姿を想像すると、早く助けなきゃと気ががはやる




その頃、姫は。


お菓子食べながら暗号と格闘中
と・び・ら!
と言いながら、千里が図面筒のプッシュボタンを「45、62、04、91」と押す
ぜんまいが巻かれるような音がして、ばかん、と壁面の一部が開く
千里が中を覗き込む
救急箱が置いてあるよ、至れり尽くせりだねー
次は、ひ・ら・け!
「61、92、24」と押すが、ブブーとエラー音
違うのかー
千里ため息
失敗した暗号のメモを見ながら、「あと押してない言葉はなんだっけ」とつぶやく


鳩時計を見上げる千里
みんな、ご飯食べたかな
何にも言ってないから、ご飯待ってたら、どうしよう
先に食べてていいからねー
と千里、どっちかわからないけどリビングと思われる方向に見当をつけて声をかける
千里は、太郎が兄弟に賭けを申し出たことも、兄弟が自分の事を探しまわっていることも知らない




1階の大広間に接している、隠し部屋かもしれない空間を探す猛と明


腹減ったなあ
猛がピザ生地だめにしなかったら、今頃は焼きあがってたよね
うるせーなー
1階は、もとのお城から、あまりいじっていないみたいだね
携帯の画面確認しながら明が周囲を見回す
親父もメンドーな城、作りやがったもんだよな
文句ばっかり言ってないで、探そう
探すったってなあ
猛、ゴム製ハンマーで壁を叩いて、反響音で壁の向こう側の空間を探している
もっとスピードを上げないと、3時間たっちまうぞ
猛、凝りをほぐすように、壁を叩いていたハンマーでとんとん自分の肩を叩く
一定のリズムで肩を叩く音が広間に響く。
明、その音を邪魔だなあと思いながら、自分の耳を壁に当てて、千里の気配がないかを確認している


猛、目を瞑り、口をへの字に結んで、何か考え込んでいる
ひらめいた!
とんちが閃いた一休さんのようにぱちっと目を開く猛


うるさい!静かにしてよ!
明、迷惑そう&面倒くさそう
やっぱ俺って、天才だわ
ウヒヒヒと笑う猛を、怪訝な顔で見る明
は?
ちょっと行ってくらー
なに?
9時までに自分でリビングに戻っとけよ。寝ちまうと探すのが大変だからな
ビシッと明を指差して、階段を登って行く猛
千里さんを探さなきゃならないのに、暴走しないでよ。
うるせー。奇跡を起こすには、これっきゃねーんだよ
少しは冷静になってよ、大人なんだからと
明、階段駆け上る猛の背中を追いかけて言うが、猛はまったく聴いていない




冷静に冷静に
千里、発明の部屋の中を歩き回っている


まず!
ここは新造さんが日常使っていた部屋らしいこと
ってことはー
遺産の部屋みたいに特別な場合にしか空けない部屋ではない
つまり、
扉を開ける暗号は、ここに入るときに使った「発明の部屋」みたいに、普通の言葉がパスワードになっている可能性が高い
ってことはー
めちゃめちゃ候補の単語があるってことじゃん!
千里、「いやなことに気づいちゃったよー」と、くしゃくしゃと髪を掻く


落ち着こう、とにかく、一回、落ち着こう


千里、自分のうなじに左手を回し、皮ひもを解く。
右手で襟元を探って、オルゴールボールを握る。
耳元で鳴らすと穏やかな響き


千里、トリックハート城が描かれた壁にもたれかかる
お城の絵は、壁の板に直接描かれている
お城の絵の周りには兄弟の写真
新造さんはここでみんなの写真を見ながら発明をしていたんだね
そんな新造さんが作ったお城が、あたしに意地悪するわけがないよ
妙な確信が千里に宿る


少し、落ち着いてきた。さすが魔法使いの瞑想の鈴
千里、「ドルイド」をちょっと勘違いしているみたい。
もう一回、オルゴールボールを鳴らしてみる
千里、城の絵の部分に寄りかかっているから、兄弟の写真に囲まれているみたい


みんなに心配かけないように、何とかここを脱出しなくちゃ
もう一回、オルゴールボールを鳴らして、気分を落ち着け、頭を整理する千里




リビング


携帯電話で風からの報告を受け、リビングの城の見取り図を修正する翔
自分の持ち場として2階を与えられたので、フロアを一周してきたが、特に変わったところは見つからなかった
リビングに戻ると胸騒ぎがするのを抑えられない


翔には、隠し部屋は必ずリビングの周りにあるという、妙な確信があった
みんなを城中に散らしておくよりも、リビングをしらみつぶしにしたほうが、隠し部屋を発見できる可能性があるんじゃないか?


兄弟を説得できるような、理路整然とした説明はできないが、
みらくるん2号の隠し部屋も、遺産の部屋も、入口はリビングにあったってことは、今、千里の幽閉されている部屋も、ものすごく近くにあるんじゃないか?
イライラとリビングを歩き回っていた翔、もう一度、自分の持ち場の2階を見回ろうとリビングを出る
しかし、出ると、「リビングの周りを探せ」と頭の中でもう一人の自分声がするような気がする


隠し部屋は、親父が俺たちのために作ったものの筈
翔、頭をくしゃくしゃとかく


「ちょっと、頭冷やしたほうがいいかも」と、リビングの前にあるフェイクの扉についている、真鍮の装飾金具に額をつけて、ひんやりとした感触に、目を閉じる翔


と、耳をかすめる音


翔、驚いてフェイクの扉を開くと、やっぱりそこはただ壁。板目の美しい木製の壁


板目の際立つ壁の向こうから聞こえた、今の音は、…あの音?


目を見張る翔、壁に耳を当ててみる。
ほんの数秒前、聞こえた気がした音なのに、今は何も聞こえない
体を密着させるように壁に耳を押し当て、さっき聴いた音をもう一度掴もうと、必死で耳を澄ます翔


そこに猛が駆け込んでくる


理屈なんか捏ねていねーで、おめーがこれ持って、城ん中走れば一発でちびっこは見つかるんだよ!
はぁ!?
怪訝な表情で猛を見る翔
対する猛は、自信満々の表情


猛が翔に、乱暴にあるものを放り投げる
慌ててキャッチする翔
翔がそれを掴んだ瞬間、手の中のものは、そこらじゅうに響き渡るほど大きな警報音を立てる
あっけに取られる翔
投げた猛も驚いて目を見張る




その大音量は、一階でゴムハンマー叩いていた明の耳にも届く
「何?」
明慌てて階段を駆け上る




バカでかい警報音は地下にも微かに聞こえていた
三人で携帯電話の画面を見ながら、次に探す部屋を確認していると、明らかに、普段、城の中では鳴っていない音が、遠くで響いているのに気づく
何だ、あの音
ただ事じゃなさそう
行ってみよう
エレベーターを待つのももどかしく、階段を駆け上がる智、優、風




その大きな音は、新造さんの発明の部屋の中にいる千里にも聞こえていた
何、この音!
思わず目を見張る
くぐもってはいるものの、すごくそばで鳴っている気がする
太郎さんと入ってきた扉から出ることばかり考えていたけど、ここの壁、薄いんだ
はじかれたようにトリックハート城の絵が描かれた壁を叩く千里




猛、翔のそばに走りより、得意顔
な、奇跡起きたべ
とニヤニヤ笑い
警報音を発していたのは「ハイパワー探知機」
そのつまみが指していたのは…


わ!
驚いて翔、ハイパワー探知機を放り出す
すると、警報音はぴたりと鳴り止んだ
警報音がやんだとたんに違う音がリビングの廊下に響く
壁の向こう側で、誰かが「この壁」を叩いている音
翔と猛、顔を見合わせる
音がするのは、リビングのフェイクの扉の中の壁
さっき翔がオルゴールボールの音を聴いた壁


千里!
ちびっこ!


翔と猛もがんがん壁を叩きまくる


階段を駆け上がってきた明、2人の剣幕を見て何が起きたか悟る
千里さん!
駆け寄って、2人と一緒に壁を叩く明


明の後から、地下から階段駆け上がって、疲労困憊の風がリビングの廊下に駆け込んでくる
猛、翔、明の姿に、安堵のため息をつき
千里…、そんなところに…
こわばっていた顔が笑顔に変わる


風に送れること数秒、疲労に足をもつれさせた智と、力尽きへたり込む優が到着
風が猛、翔、明を指差すと、智、腕を突き上げてジャンプ、優は口元を手で覆い涙目
千里さん!!
駆け出す優と智を追って、風も壁の前へ
兄弟6人勢ぞろいで、ドカドカと壁を叩き続ける




鈍く鳴っていた壁の音が、だんだん大きく、音数も多くなってきたのに気づく千里
自分を呼んでいる声も聞こえる
みんなが来てくれた
しかも、壁の向こうには、絶対全員揃ってるって千里は確信している
2時間ほど、みんなと離れてただけなのに、なんだか目頭が熱くなる
誰かが見てたら、絶対泣かないけど、今は一人だから、ちょっとだけ泣いてしまおうか
まだここから出られたわけじゃないのに、気が早いけど