フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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アタシんちの男子のその後を考えよう

えーと・・・
適当に話を転がしていったら、なんか予想外の展開になってきました。
自分でも驚き。
でも、勝手に転がったってことは、多分、辻褄合ってるってことだと思うんですが
書きっぱなしで上げます
加筆修正取り下げ可能性もちろんありです
よろしければどうぞ


※ちょっと加筆しました(2009/9/10 23:40)




リビング


新造さんの発明品のダンボールがリビングに運び込まれた。


優と智、千里の部屋とリビングを、重いダンボール抱えて何往復もしたので、ぐったりとへたり込んでいる
太郎、お茶もそこそこにダンボールの中身をチェック
あっという間に目の色が変わり、さっきまでの愛想のよさはどこへやら、新造の発明品に没入
兄弟は、びっくりはしたものの、客人なので、あまり口出しもせずに好きにさせとくことにする


にしてもさー、親父の発明品の、どこがそんなに楽しいのかねー
気が知れねーな
何かとりえがあるんじゃないのか?
すごい集中力
信じられねー
僕にも分からないよ
ダイニングテーブルに座って、太郎の様子を見守る兄弟
千里、太郎の仕事で仕入れてきた昔のおもちゃと、新造さんの発明品の共通点を考えてみるが、
よくわかんない
とあきらめてしまった。
ただ、太郎がすごく、目を輝かせて発明品を見つめているのは、うそや演技ではなさそう。本当に好きなんだなー、と感じる




太郎の来訪から一時間
新造さんの発明品の入ったダンボールの山の前に座り込んでいる太郎
すごいね!このフォルム!
感嘆の声を上げてはあれこれ質問をしている
ここの基盤って、どうなってるんですかね
と風に解説を求め、
ねえ、これを作ったとき、新造さん、なんて言ってた?
と千里に尋ねる。
あー、もう、たえらんねえ!クソしてくる
猛は、しびれ切らせて一番最初に離脱
お客さんの前で、下品なこと言わないで!
千里の小言を背中で受けてさっさとリビングを出て行ってしまった




太郎の来訪から二時間
新造さんの発明品の入ったダンボールの山の前に座り込んでいる太郎
ここのエッジがたまらないんだよなー!
歓声に近い叫びを時々上げながら、、一時間前と全く変わらないテンションであれこれ質問をしている
新造さん、FRP成型も自分でしていたんですかね。
と風に解説を求め
これの構想時の話とか、聞いたことない??
と千里に尋ねる
千里は何回目かのお茶を兄弟に入れ替えている。
ちょっと、部屋に資料、置いてきちゃった
明も付き合いきれなくなって、パソコン持って自室に戻ってしまった




太郎の来訪から三時間
新造さんの発明品の入ったダンボールの山の前に座り込んでいる太郎
ボタンとかビスとかツマミとか、マニアの心をくすぐるんだよなー
ほーっと、甘いため息をついて、頬擦りしそうなまなざしでおもちゃを見ている
はいはい
風は質問もされてないのに生返事
番犬のように優と智が千里を挟んで座っているが、やることないので三人で花札
千里に甘い札ばっかり切るので、賭け点代わりに使ってたお菓子は、ほとんど千里の前に山積になっている
風、意地で残っている優と智に、邪魔になるから、いいかげんに部屋に戻っていろと命じる。
優と智、「絶対、千里さんとあいつを二人きりにしないでよ」と、小声で風に念を押して、しぶしぶ部屋に引き上げていった
できれば俺も部屋に帰りたいよ
ダイニングテーブルに頬杖を付いて恨めしそうに太郎を見る風
実はあたしも
と、風の向い側にいる千里も猫が伸びをするように、テーブルの上にぐーっと両腕を伸ばす




意外なことに、太郎の遊びに一緒になって付き合っているのは翔
最初は遠巻きに兄弟と一緒に眺めていたが、次第に太郎が夢中になっているダンボールの中が気になってきた
太郎が感心して眺めていた発明品を手にとって見たり、「どこがポイントなの?」と太郎に質問してみたりしている
ついには自分で発明品を手に取って、取扱説明書なしの状態から、使用方法を推測。操作を間違ってエラー音を立てたり、うまくいって口笛吹いたり


大きな子どもが、ふたぁり


テーブルに伸ばした腕をそのまま組んで、顎を乗っけた千里がおかしそうに笑う
千里の声を聞いて、翔と太郎を見た風が、頬杖ついていた腕を、千里の真似して、テーブルの上に伸ばし
ほんとだな
とくすくす笑う
ダイニングテーブルで退屈そうにしている風と千里は、時間をもてあましている猫みたいにだらだら
この猫兄妹とは対照的に、子どもに戻ったみたいに、楽しげにおもちゃをダンボールから掘り出している翔と太郎は、まさしく犬。尻尾が生えていたら、パタパタと振ってるだろうってくらいに上機嫌 





太郎さんって、なんでおもちゃを仕事にしようとしたの?
え?
好きなことを仕事にするのって、どんな気分かなあって
難しいことは何にも考えてないんだよ
そうなんだ?
子供の頃、親父が転勤族で、引越しの荷物になるから、余分なものはあまりもたせてもらえなかったん。
ふーん
その、余分なものの、筆頭が、おもちゃ
ああ
もともと、俺、素地として収集癖があるようでな、子供の頃から、もう、とにかくたくさん、とにかくいっぱい、欲しかったんや。色違いとか、全種類とか。
そりゃ、親は許さないよね
そのリベンジやね。自分で金が使えるようになってからは
なるほど
俺も、おもちゃは贅沢に買ってもらえる環境じゃなかったから、わかるよ
くやしかったもん。
うらやましかったねー
それなのに、うちの親父、今じゃおもちゃメーカーの社長になりよって。
そうなの?
母親の実家がおもちゃメーカーやったなんて、子供の頃には教えてくれんかったくせに
ははは
俺、もう、おもちゃ、自分で買っていいってなってからは、すごい勢いで買いまくってな、まさに物欲大魔王やったよ
物欲大魔王って
翔、笑っちゃう
集めるほどになー、作っとる人の心意気にしびれるようになってきてん
太郎、翔を見て、にっこり笑う
おもちゃって、子供向けだけど、子供だましとはちがうんや、って

大人が本気で知恵を絞って、子どもが喜ぶものを作ってるんや
太郎の話が、腑に落ちた翔。頷く
そこが、いいおもちゃか悪いおもちゃかのポイント
なるほどねー
あとね、おもちゃには、少しだけ未来への希望が乗っかってるん。そこが好き。
あ、わかる。超合金とか、合体ロボとか変身ヒーローとかもそうだよな。俺の子供の頃は、おもちゃに展開するアニメや特撮って、たいがいSF絡みだったし
うん、そーやな。
あこがれたよー
うん。おれも。・・・でも、そのほかにも、子どもに優しく成長して欲しいって思いがお人形になったり、元気に育って欲しいって思いは乗り物や遊具になるかもしれない。賢くなって欲しいって思って作れば知育玩具だし。―――これも未来への希望やと、思わへん?
あー。すごくわかる。おもちゃを作る大人も、おもちゃを買ってあげる親も、子供の未来を、子供以上に夢見てるのかも
翔、力のことをちょっと思い出している
大人が本気で作っていて、未来への希望が乗っかってるって言うのが、俺が思ういいおもちゃの二つの条件
うん
だから新造さんの発明品は、最高なんだよ
・・・
君たちの事を思って、作ったんだから
翔、手にした新造さんの発明品を、新鮮な気持ちで眺めて見る




予想外。あいつがハマるなんて
風が、翔と太郎を見つめて呟く
え?
聞き逃した千里が風を見ると
なんでもないよ
と綺麗に笑って見せる風
千里、釈然としない気持ちで風を見つめるが、今日の風の笑顔からすると、なんだか悪いことにはならないんじゃないかと思えてくる
千里も風の真似して、新造さんの発明品を囲む翔と太郎を眺めてみる


千里から見た翔と太郎は、なんだか久しぶりに会った幼馴染みたい。
いつまでもおもちゃをはさんで飽きることなく話しを続ける




話し込むほどに、敬語も外れ、さん付けも取れてきた同い年の二人


新造さん、こんなものも作ってたんだなー
太郎、ハイパワー探知機を取り出す
ああ、役に立つようなたたないような
使った?
千里たちが、温泉掘削に使ったけど、
温泉のチャンネルはないやん
そ。公園に発破かけて、大穴掘ってー、ハイパワー探知機のセンサーどおりに掘り進めていったら、水道管破裂させちゃって水浸し。近隣、断水させたからって水道局に始末書かかされたみたいだぞー
翔、思い出し笑い
あ、水のチャンネルはある。これ使ったんやな
太郎がつまみをいじりながら言う
俺は現場にいなかったけどな。猛や、千里がやらかしたんだ
千里ちゃんもいたん?
うん。あいつがホームレスのために始めた温泉騒動だったんだ
ホームレスって?
「ま、あいつもいろいろあったんだ。」と、翔、ちょっとテーブルにいる千里を見て
千里のことは、千里から聞いたほうがいいから。
言葉を濁したようだけど、翔の表情は穏やか。
太郎、なんとなく雰囲気で察し、うなずく
翔のそういう考え方、すきだな。現実主義っていうか、体感主義いていうか
んー?まあ、又聞きするより、自分で見聞きしたものが、一番だとは思ってるけど
そーそー。それ。だから俺も自分で脚を運んで買い付けするんだ
あー。なるほど。
その人のことは、その人に聞くのが一番だよな。
まーな



ぉ、恋人のチャンネルがある
そうなのか?
ほら、みてみ
太郎がハイパワー探知機を示す。
ほんとだ。何でこんなスイッチ、作ったのかな
覗き込む翔
なー
ん?
おまえんちの兄弟は、みんな千里ちゃんが好きなんやな
そーだな
翔、くすくすと笑う
その中で、翔がリードしているように見たんだけど・・・つきあってるん?
・・・
そうと言ってしまいたいような、まだまだのような…。いずれにしても、風がいる前では、なんとも返事のしようがない。翔、「まいったな」というという表情で太郎を見る
もし、そうでないんやったら、そのレース、俺もエントリーしたいんやけど?
!?
太郎の発言に困惑する翔。風と千里のいるテーブルを振り返れないまま、くしゃくしゃと頭をかく
そういうことは、自分が決めることなんじゃねーの?
そうなん?
太郎、ハイパワー探知機のチャンネルを恋人に合わせて起動
じゃあ、これで決めよーか
おまえなー
翔、苦虫噛み潰した表情で太郎をにらむ
太郎、そんな翔を見てニコニコと笑い、
まだね、わかんないんだけど。好きになりそうな予感がしてるん。千里ちゃんのこと
と、ハイパワー探知機を千里の方向に向ける太郎
だから早めに名乗りを上げておこうかと思って
太郎の言葉に、翔、反射的に探知機をつかんでしまう
そのはずみで探知機の先が翔に向く
俺の恋人は翔ではないみたいやな
と、太郎、探知機が無反応なことを確認してニコニコ
翔、太郎にからかわれて脱力。
まだ使わないよ。もったいないから
太郎、翔を見て笑い、探知機のスイッチを切る
翔、腹立たしいので太郎の肩を突く
大げさにひっくり返りながら楽しそうに笑う太郎



仲良いねー
千里が翔と太郎のじゃれあいを見てわらっている
二人の様子を観察していた風の見解は違うみたい
いすの背にもたれると、千里から表情を隠すように、天井を仰いで
また悪い虫が一匹・・・
と、大きくひとつため息をつく