フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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アタシんちの男子のその後を考えよう

その日の夕方
帰宅風景・その1です

後でちょっと手直しするかもしれません



太郎のおもちゃデータベース作りは着々と進んでいるものの、何しろ点数が多いから、なかなか終わりが見えない。
太郎の作業に顧問弁護士として立会い依頼を受けた響子、リビングのデスクを借りて、自分の仕事も片付けている
それにしても長いですね
ため息をついて作業中の太郎の姿を見る響子
腕時計に視線を落すと、そろそろ5時を指そうとしている


太郎は一定の作業を繰り返している。
弁護士、自分の仕事の休憩がてら、太郎の作業を観察をする
計測、観察、記録、撮影、梱包
計測、観察、記録、撮影、梱包
計測、観察、記録、撮影、梱包
規則正しすぎて、眠気が差してくる




バタン
たっだいまー
リビングのドアが開くと、千里と智が声を揃えて帰宅の挨拶
おかえり−。おじゃましてまーす
作業の手を止めて、太郎が二人に手を振る
仲いいねー。一緒にご帰宅?
智がバイトでネカフェに行ってるときは、義男さんちの帰りに寄るの、ねー
千里が智の顔を見て笑う
お、おう
かわいい笑顔を向けられて思わず口元が緩みそうになるが、あえてぶっきらぼうに返事をする智
千里が好きなことなんかバレバレなのに平静を装おうとしている智と、智の苦労なんか微塵も感じていない千里を見比べて、太郎すごく楽しそうな顔をする
太郎のニヤニヤ顔が癇に障った智「なんだよ?」とアヒル口
なんでもないよ
笑って視線を外す太郎。
太郎の周りには相変わらずダンボールの山
まだやってたんだ
智、あきれ顔
けっこう進んだやろ?
俺がバイトに行く前と、状況変わらない気がするんだけど
そうかなー
あ、響子さん、来てたの?
千里がデスクの弁護士に声をかける
書類に目を落としている響子、無反応

響子さん?
どうした?
智が怪訝なかおで響子を見ている千里の隣に行く。気がついた太郎も弁護士を見る
あ!
三人、同時に気づく
いねむり・・・
めずらしーな
書類見てると思った。
三人なんとなく声を潜める
動かないねー。
これなら、学生時代、居眠りしててもばれなかったやろ
即身成仏
こら、智!
三人が耳を済ますと、やっと寝息が確認できる
やっぱり寝てるよ
三人でくすくす笑う
それに反応したかのように、弁護士「んご」と軽いいびきをかく
千里、人差し指を口に当て、
ねかしといてあげようよ
と小声で言う
うなずく太郎と智
抜き足差し足で階段のそばの太郎の作業スペースまで移動
そーっと振り返ると、響子はそのまま静かに眠っている
この距離になると、書類読んでるようにしか見えないね
うん




智、そばにあったダンボールの蓋を開けて見る。箱の中は梱包されたおもちゃがきちんとに詰め込まれている
あ、ほんとだ。進んでる
そやろ?
千里もやじうまで智が開けた箱を覗く
全部、記録するの?
そうだよ
大変だねー。
これじゃ、響子さんが付き合いきれなくて、居眠りするのもわかるな。朝からやってんだよ。この作業。
うわー・・・。
几帳面に整えられた記録紙をまくって、千里、ため息をつく
このカードの番号と、おもちゃについている番号が一緒だから、すぐ探せるんだよ。たとえば、ハイパワーボイスは27番だから、三つ目の箱の中にある
千里、3と番号がついている箱を開け、中から27番の包みを取り出す。梱包を解くと、確かにハイパワーボイス
おおー
智、拍手
確かに探しやすいね
いつも発掘に近い作業をして発明品を探している千里、感心する
ハイパワーボイスを包み直しながら、千里「太郎さんって、結構、几帳面な性格なんだね」という
なんか、そういう言い方されると、俺の器がちっちゃいみたいで嫌やな
しっかりしてるって意味だよ
がめついってこと?
そうじゃなくてー
太郎がわざと話の話の芯をずらして、千里を慌てさせている。
困っている千里をかわいくてしょうがないという笑顔で見ている太郎に、智イライラ
パーカーのポケットの中でこぶしを握り、「客でなければ、ぶんなぐりてー」と心の中で悪態をつく
殺気に気づいた太郎が、不思議そうな顔で智を見る
なんか言った?
智、ぶんぶんぶんと大きく首を横に振る。イキオイありすぎてヘルメットボブが乱れてしまう。
整理整頓されちゃって、引越しでもするみたいだよなー
苦し紛れに智が適当なことを言うと、いつもの明るい太郎の笑顔が、一瞬でクールな微笑みに変わる
でもそれはほんの一瞬だけ。すぐにまたいつものニコニコ顔で
智くん、結構いい線ついてるやん
と智に笑いかける
太郎が作業を続ける横で、千里がバインダーを持って、記録の手伝いを始めている
嫉妬目線でしか太郎を見たことがなかった智、さっきの太郎の笑顔の変化を見て、この間、兄弟でサウナに入ってたときのことを思い出す
太郎と遺産のことを語っていたときに見せた風の浮かない表情。
太郎が千里さんを好きだってだけでも十分気にいらねーが、もし、千里さんを利用しようなんて考えてんのなら、俺は絶対ゆるさねーからな
智、アヒル口を引き締めて、千里を守る決意を新たにする。


あれ、俺、こんなキャラだっけ?


最近の俺は、自分でも驚くことばっかりだ
千里さんが誰かと喋ってるだけでもイライラしたり、どうかすると手が出たりしちゃうくらい、自分が嫉妬深かったってのも驚きだったし
俺、この前まで、人を殴るどころか、パソコン越しに会話をしてたのにな
それに、一生懸命頑張っている自分を千里さんに見て欲しくて、ちゃんと課題やろうとしたり、外出の練習にもがんばってチャレンジしてるし
俺、学校にちゃんと通ってる頃なんか、マジメなんて一回も言われたことなかったのに
その上、今度は、「もし太郎が悪巧みしてるなら、その企みから絶対千里さんを守る!」とか、うっかり熱くなっちゃってるし
褒めてもらいたがりで、やきもち焼きで、熱血…
なんだよそのダサい三拍子そろい踏み。かっこ悪すぎじゃねぇか…
智、こっそりひとりでため息をつく


何でだろうな。千里さんといると、俺はどんどん違う自分になっちゃうみたいだ