フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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アタシんちの男子のその後を考えよう

その日の午後の話


ミラクル社長室


失礼します
響子さん
お久しぶりです。時田さん
相変わらずお美しいですね
時田の言葉に、艶然と笑う響子。
当たり前だろ?
風の言葉には、響子、笑み崩れてしまう。
好きな相手とそうでない相手では反応が違う響子を、面白そうに見つめる時田。
今日はどうしました?
井上さんから連絡を受けまして。湊本氏が新造氏の発明品のデータを取りたいので、遺産管理を任されている弁護士に立ち会って欲しいとのことでした。それで、社長にご報告に。
データ?
個人的な研究のためとのことでした。
会社で?
いえ、トリックハート城だそうです
仕事口調でかしこまっている響子を時田がからかう
会わせたくないですね
え?
あなたは完成されたイケメンを好む傾向があるので。
ということは、湊本氏は
風さんとも翔さんともタイプの違う、イケメンです
時田、指を立てて「イケメン」のところを強調
時田の言葉を聞いた響子の眉間に少しだけ皺が寄る
一見すると、響子が時田の発言を不謹慎だ思って眉をひそめたかのようにみえる
でも、付き合いの長い時田には、イケメンと聞いて響子が太郎に興味津々なことなんか当然お見通し。両手を前に組んで、やれやれと微笑む
そんなことは、もちろん風だってお見通し。
響子さん、太郎に興味あるんだー
社長のデスクに座っている風。組みあわせた指に視線を落とし、ちょっと淋しそうに言葉をこぼすと、「妬けちゃうなー」と正面に立った響子を見上げる。
上目遣いに綺麗な笑顔を上乗せで、響子さん撃沈
え?妬けちゃうって。そんな
と、頬を染めてもじもじ
天然たらしの風と男に免疫がなさ過ぎる美人弁護士が恋人同士という組み合わせの妙に、時田、笑いをこらえきれずに肩が揺れてしまう
しかしすぐに、射るような目線で響子に睨まれ、あわてて笑いを引っ込める


でも、響子と風の会話を聞いてると、普段とのギャップが面白すぎて、時田は、すぐにまた笑っちゃうんだけどね




智の家庭訪問が終わったので、午後からは田辺家で畑を手伝っている千里


家の近くの畑で、みょうがとしそを収穫。
作業小屋で、それぞれをきれいにして小分けにしている
小さいパック詰めして、近所の直売所に卸すんだよ。
義男が作業しながら説明
直売所?
夕方になると、結構主婦でにぎわうんだ
へえ
夏は冷奴やそうめんに、薬味は欠かせないけど、たくさんは必要ないだろ?
そうだね。ちょっとあればいいかも
今は結構便利になって、携帯電話で値札のバーコードを予約しておいて、納めるときに、値段と生産者がわかるシールをもらって貼るようになってるんだ。今度、一緒に行って見よう
うん。行ってみたい


軽トラが庭に入ってくる
太郎ちゃんだ
ぇ、また来てるの?
うん
二週間で、こっちで出来る仕入れを片付けたいって言ってた
いそがしいんだね。
そうだな
うちにも結構来てるよ
新造の発明品、見てるか?
うん、お城の探検も
太郎ちゃんは、新造が大好きだったからなあ。
そうだったの
太郎の親父は結婚が早かったから、太郎ちゃんが生まれてからは、俺たちみんなで取り合い見たいに遊んでやったもんだ
それで太郎さんは人見知りしないのかな
ふふふ、そうだな


こんちはー。また荷物置かせてくださーい
太郎が作業場の義男に声をかける。義男、背中で返事
はいよー
ダンボールを納屋に運び込む太郎と、もうひとり
え?
千里びっくり
義男さん、ちょっと太郎さんとこ、行って来る
おう。邪魔するんじゃないぞ
義男は太郎たちのほうに背中向きで作業しているので、向こうの様子が分からないらしい
千里、納屋のほうにかけていく


千里を見つけて「よ!」と手を上げたのは翔
なんで?
ん?
今日は、荷物が多いから、翔に頼んだんだ
バイト君ですー
翔、敬礼
いつの間にそんな仲良しに
仲良しか?
翔が太郎に問いかける
そうでもないやろ
にっと、太郎が笑う
そうだよなー
翔もニヤニヤ笑っている
笑いながらも手は動いている。
小さい太郎が軽トラの上で荷物を降ろして、背の高い翔が荷台の下で受け取って納屋へ運び込む
仲良しじゃん
千里が両手を腰に当てて二人の様子をあきれ気味に観察


大体収まったな
よし、じゃ、もう一往復
まだあるの?
まだまだあるよー
運転席に乗り込む太郎
助手席に回ろうとする翔に千里が尋ねる
翔、義男さんに挨拶した?
朝、太郎と一緒に来たときに、引き合わせてもらった。
そう
優しそうな人じゃんか
うん。
いつもお世話になってるから、うちの人が義男さんにあったら、お礼を言ってもらいたかったの
分かった。帰りに寄るようにするよ
ありがと
翔、千里の顔をちょっと覗いて右手を伸ばす

ほっぺた
指でそっと撫でる
よごれてた。
ありがと・・・。
がんばってるんだな
うん
よし。えらい
千里の頭を撫でる翔
頭撫でられると、やっぱり恥ずかしくて黙っちゃう千里
翔、お父さんみたいやな
運転席から助手席の窓越しに太郎がからかう
お父さんはねーだろー
文句いいながら助手席に乗り込む翔
バン、とドアを閉めてから、窓から顔を出し、千里に手を振る
がんばれよ
翔もね
じゃあね、千里ちゃん
翔の向こう側から太郎が手を振る
軽いエンジン音を立てて、軽トラは出発
千里、大きく手を振って見送る


義男さん、今日、うちの翔が来てたんだね
ああ、いつも千里がお世話になってますって、丁寧に挨拶して行ったぞ。
あ、大蔵家からって、菓子折り貰ったの、千里に言うの忘れてたな。
ごめんごめんと頭をかく義男
翔くんが兄たちから預かりましたって、持ってきてくれた
え?
みんな、千里が心配でたまらないんだな。
「やさしいおにいちゃんがたくさん出来てよかったな」と義男、作業の手を休めて千里を見る
千里が大蔵家のみんなと、うまくやってるようで、安心したよ。
ふふふとうれしそうに笑う義男
千里、照れてしまう


知らなかったから、さっき、翔に余計なことを言ってしまったな
おくびにも出さずに、みんなが千里を気遣ってくれているのが、うれしいような恥ずかしいような。
今日、帰ったらどんな顔しよう
千里、困って髪をくしゃくしゃとかく


手が止まってるぞー
はーい
とりあえず、仕事が終わるまでに考えよう