フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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アタシんちの男子のその後を考えよう

ネカフェの事件、再び・その1

久々の『その後』です
メール投稿なので、3つに分かれます
誤字脱字、加筆修正あります




智、17番ブースのクリーニングを終えて戻ってくると
さっとん!
と声が聞こえる
いやーな予感に顔をゆがめて振り向くと、案の定、制服姿の葵
げ!
お小遣い貰ったから、来ちゃったー!!
カウンターで受付しながら、智にぶんぶんと大きく手を振っている
見なかったことにしたい智、ぎゅっと目を瞑ってもう一度葵に背を向ける
今日は、ハジメちゃんの分もおごり
嬉々とした葵の声
田中、いるの?
智、振り向く
ひっどー!!あたしだとそっぽ向くのに、ハジメちゃんの名前出したら、こっちむくんだー
葵、唇をつきだしてすね顔
なんつー顔してんだよ
さっとんのアヒル口の真似
葵、自分の口元を触って確認
智、苦虫噛み潰しついでに、口の中でぶつぶつ葵への文句も噛み潰す
田中、いねーじゃん
葵の周辺を見回す智
あれ?
葵も、自分の周りをキョロキョロ
人質ならぬ「物質(ものじち)」預かってるから、いるはずだけどね
葵、ポケットから携帯電話を出す。
葵の携帯は、うざったいくらいストラップ満載だったことが記憶にある智。
ってことは、この携帯の持ち主は…
「ったく、往生際が悪いんだから!」と、葵、自動ドアから店外へ出て行く
葵にデイバッグを引っ張られた田中が顔を出し、口パクで「ごめん」といい、申し訳なさそうに智に手を合わせている
もう、レシート作っちゃったんだから、来なよー
葵に引きずられた田中
ごめん、大蔵くん
入れば?もう受付しちゃったってさ
智が苦笑いで店内を示す
田中、額に手を当ててため息
携帯、返せよ
逃げないと約束するならね
葵、田中の腕を取ってネカフェのオープンエリアに連行
「あーあ」と智、田中を見送る
田中も災難だなー。あいつに関わると、ろくなことねーぞ。
とつぶやいて「あ、俺もか」と、くしゃくしゃと頭をかく智


智、クリーニングセットを戻しにカウンターへ
「智くん、友達?」と、カウンターに入っている平次が声をかける
ああ、同級生
ちょっと独特のノリだよね、あの女の子
平次、背伸びして、葵がいるオープンエリアを眺める
一緒にカウンター担当してた国土が智に耳打ち
智くん、あの子、この前の?

仲良くなったの?
まー。仲良くってのとはちょっと違うけどな
ふーん。
国土、智をニコニコ見ている
んだよ。おかしいかよ
この間、動揺してネカフェから逃げちゃったことを思い出し、ちょっとバツが悪くて、きつめの声を出す智
国土、智の口調を怒らせてしまったと誤解し、
お、おかしくはないよー
と、鉄拳制裁を恐れて、あわてて否定
あまりの国土のキョドりぶりに、智と平次、顔を見合わせ、首をかしげる


17番ブースから片付けてきたコミックスをパックしなおし、本棚に返しに行く智
ドリンクバーの前を通りかかると、ソフトクリームメーカーの前で、なんとかソフトクリームを高く巻き上げようと苦心している田中を見つける
おかわりすればいいじゃん
何度も来るの、面倒だし
田中、息をつめてレバーを戻してフィニッシュ。そこにチョコソースをたっぷりとかける
お前のくいもんへの執念はすごいな
育ち盛りだから
あ、そ
智、呆れ顔
大体ねー。「大蔵家出入禁止」なんて極端なこと言うから、岡崎にバイト先まで、押しかけられるんだよ
スプーンでソフトクリーム食べながら田中、智に苦情
お客様、飲食はお席でお願いいたします
智、まずは田中に従業員として注意
あ、すいません
ってか、お前も止めろよな、ミヤザキアオイをー
今度は同級生として田中にもんくを言う智
仕方ないだろ。岡崎に携帯、取り上げられちゃったんだから
油断禁物!
あの生き物が、次に何やるかなんて、予想すんの、無理!
ちゃんと飼いならしとけよ、委員長なんだから
委員長は飼育員じゃないからね
2人でドリンクバーの前でごちゃごちゃ言ってると、葵がスキップで通りかかる
さー。今日は、甘々の少女マンガでも読もーかなー
お客様、店内では走らないでください
走ってないよ、スキップ、スキップ
それもだめ
固いこといわないでよ
一般常識!
智、大声にならないように気をつけて、葵を指差し、きつめに注意
ちょっと年上ってだけで、こうも、おっさんみたいなこと言うのかなー
葵、わざとらしく腕組みして考えるふり
誰がおっさんだと?
さっとん
葵の言い方にイラっとした智、反撃
お前、そもそもここに押しかけてくるってことは、とーちゃんの問題解決してねーんだろー
学校が夏休み中のさっとんにあわせて、勝負を待ってあげてるのー
葵も引かないで応戦
智、「むかつく」とアヒル口


「そーだ」と田中、思い出したように智を見る
夏休み終わったら、大蔵くん、ここのバイト、どーするの?
あ、そーか
バイトも図書館も、そこそこ慣れてきた智、ちょっと考え込む
田中と葵、智の様子を見て顔を見合わせ、「吉田先生に相談してみる?」と提案
そうだなー
とつぶやく智


こんにちわ〜
いらっしゃい、千里さん
千里の声と、明らかにテンションが上がった国土の声が聞こえる
借りるね〜
どうぞどうぞ
国土と平次がご機嫌で二重唱
千里さん!
ブースのあちこちからも、モグラ叩きのように、親衛隊のおなじみのメンバーが顔を出している
智も千里の声が聞こえて、ぱっと顔が輝く
シスコン智に笑っちゃう田中
おねえさん、顔パス?
すたすたと店内に進んでいく千里を見て、葵、驚く
ここでは千里さん、特別なんだよ
特別?
なんで?
首をかしげる田中と葵
あれ、見てみ?
智が指差す
歩いていく千里の回りにわらわらと人が群がっている
なに、あれ?
千里親衛隊
親衛隊?
千里を先頭にした大行列をあっけに取られて見る二人
何しろ、店長からして、あれだから
智、今度はカウンターを指すと、
ボーっと頬を染め、幸福そうに表情を緩めきっている国土。
その隣には、なにか妄想している平次が夢見心地
すごいな、おねえさん
田中が千里の破壊力を見てつぶやく
なんか、尊敬しちゃう
葵、顔の前で指を組み合わせ、憧れの眼差し


ねー。調べたいことがあるんだけどー
千里の鶴の一声
イエッサー!!
千里親衛隊、敬礼で承る
蜘蛛の子散らすようにわらわらと四散する千里親衛隊
お願いねー
千里、笑顔でみんなを見送る
智、千里のそばに行き
何、調べんだよ。求人か?
あ、智。…まーねー。そんなとこ
調べものなら、俺がしてやるのに
いいの、智はお仕事、がんばって
千里、智の背中を押して、仕事に戻るように促す
智、なんか釈然としないけど、千里に背中を押された勢いで、ととと、と、2、3歩躓くように前に進む。
「仕事中だから、仕方ねーなー」とつまらなそうにつぶやいて、智持ち場に戻っていく