フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
「はじめに」「まとめ」のカテゴリーからどうぞ
『続きシリーズ』『その後シリーズ』など、お話を読まれる方は、
「目次」のカテゴリーからどうぞ

アタシんちの男子の針を進めたら…

うーん
少しだけ書きましたので上げときます




小山内姉妹


太子堂


住宅街の中をきょろきょろ見回しながら歩いている千里
あった
目的のお店を見つけて赤い木製のドアを開ける
アメリカンダイナー
間口は狭いが、奥行きは結構ある。中は、60年代70年代のアメリカという感じ。
若い店員さんが元気に声をかけてくれる


千里さん、こっちこっち
優が手を上げる
優のテーブルには2人の女性
千里が手を振ると、よく似た笑顔でニコニコ
柔らかい色のベルスリーブのニットジャケットを羽織っている沙織の隣に、カバーオールジャケットの女性。
沙織の髪は、センターパートのAライン。耳横のカール感が愛らしいお嬢さまっぽいオーバルウェーブ
一方、隣の女性は、セミロングの髪を、耳の後ろあたりで簡単にピンでねじりとめている
彼女が、多分、佳織さん。
沙織によく似た顔立ちだけど、印象は真逆
表情もしぐさも沙織の倍の大きさ


今日は優がやっているOL雑誌の街旅連載の撮影が三軒茶屋であった
カメラマンは佳織。千里の友達のお姉さん
お互いに噂話は聞いたことがあるけど、実際に会ったことのない佳織と千里を、引き合わせようと優が思いついたのが始まり
それなら、ついでに沙織ちゃんも呼んじゃおうと千里が提案
超箱入りのお嬢様は、噂に聞くハンバーガーというものを食べてみたいとのこと
初めて食べるなら、おいしいほうがいいでしょ、と佳織が店を決めて待ち合わせ
千里は仕事終わって、義男さんちから直行した


優と沙織がお互いの家族を紹介し、千里と佳織が初対面の挨拶を交わす
みんな揃ったところでオーダーを通して、ひと段落


話題は沙織の結婚話


もう、衣装とか、決まったんでしょ?
優と千里がわくわくした表情で沙織に訊ねる
はい。
沙織、恥ずかしそうに微笑む
早く見たいな
千里ちゃんたちは、うちの年寄り達を知ってるんでしょ?
ずっと前からの知り合いみたいに親しげに話しかける佳織
うん、一応。
執事の五十嵐さんと、乳母の小春さんしか、名前は覚えてないけど
あ、その小春さん。小春さんが沙織の白無垢を縫ってるの
え!すごい
あと、振袖も。お嫁に行ってから、留袖にするようにって、黒と色と両方。色無地も縫うって言ってた
沙織が小春が仕上げる予定の着物の枚数を指を折って数える
「何枚縫う気なんだか」と、佳織、楽しそうに笑う
沙織、小春さんの張り切りぶりを思い出し、「無理しないといいんだけど」と、ため息をつく
やらせてあげなよ。小春さんから、あれを取り上げたら、きっとシュンとしちゃうよ
佳織が朗らかに笑う
佳織ちゃんは、お仕立てしてる小春さんの写真を撮りたいから、そんなこと言ってるんでしょ
まーね。うちの年寄りはいい被写体だから
佳織ちゃん!
沙織、とがめるように佳織を見る
姉妹ケンカを見てた、元ひとりっこの千里が気づく
沙織ちゃんはお姉ちゃんを名前で呼ぶんだね?
そうなんです。姉さんって呼ぶと、上の姉だか下の姉だかわからなくなっちゃうんで
あ、わかる
大所帯の四男、優も納得
うちもそれでなの?
さすがに六人兄弟だとややこしいよね。明なんか大変
そか


ねえ、千里さん、エステって行ったことあります?
沙織が困ったような顔で千里に尋ねる
ないない
ブライダルコーディネーターの方に勧められてるんですけど、よくわからなくて
沙織ちゃんには必要ないんじゃないの?
あたしもそう言ったんだよね
千里の意見に佳織も頷く
そんなことないよ。特別な日のために、特別な準備をするって、いいことだと思うよ
優、エステの必要性を解説
エステって、からだの外見をきれいに整えるだけじゃなくて、ケアをプロの手にゆだねることによって、精神的にもゆったりリラックスできて、それがまたお肌の状態を内面から良くして行くんだと、ボクは思うんだ!
胸の前で拳を握って力説する優
へ〜
空気が抜けたような声を出して感心する、元ホームレス、旅暮らしの写真家、時代錯誤の箱入り娘
え、ちょっと、やだ、何、その気が抜けたような反応
この四人のなかで、一般女子に一番心情が近いのが、唯一の男子という皮肉
僕、ヒーリングエステのいいとこ知ってるから、教えてあげる
優、いそいそと自分の名刺を取り出して、店の番号をメモして沙織に渡す
ありがとうございます
沙織、受け取った名刺をバッグにしまう


顔を上げた沙織、千里がぽかんと口をあけているのに気づく
千里さーん?
沙織、向かいの席から、意識を確認するみたいに、千里の目の前で手を振る
佳織も不思議そうな表情
どうしたの?
千里の右隣に座っている優が心配そうに顔を覗きこむ
千里、優の様子にびっくりしちゃってた
「おんなのなかにおとこがひとり」と昔のひやかし歌みたいな状況なのに、優、まったく違和感なし
いや、むしろ、女子の会話に混じっていきいきしている
三人にじっと見られていることに気づいた千里、「ごめん」と慌てて苦笑い
隣の優のジャケットの袖を引いて耳打ち
優、女性恐怖症、かなり克服できてきてない?
え?
千里が、佳織、沙織、自分の順に指差し、最後に優をびしっと指差す
ね!?
え?あ!?おぉ!?ホントだ!
優、自分が女性に囲まれてるプチハーレム状態なことに気づき、どびっくり。思わず両手で口元を覆う
…ここにいる人たちは平気みたい
優が千里に囁き返す
良かったね
千里、親指立ててグーサイン
優もくしゃくしゃの笑顔でグーサインを返す


千里さん?優さん?
心配そうな沙織の声に、優、にっと笑って
心配かけてごめんなさい
小山内姉妹に頭を下げる
実は僕、ついこの前まで、ひどい女性恐怖症だったんです
優、恥ずかしそうに笑う
女性恐怖症?
佳織が、不思議そうな顔で首を傾げる
女の人がそばにいると、ドキドキしちゃって、うわーってなっちゃって、ガタガタ震えちゃって、パニックでどうしようもなかったんだけど、今はそれほどでもなくなったみたいなんです
「まだ、完全に克服したわけじゃないけど」と優、苦笑い
大変だったんですね
沙織、いたわるような目で優を見る
うん。千里さんも最初はだめだったんだよ。
そうだったね。よく悲鳴上げられてた
千里、当時を思い出し、笑顔
なんか、二人をみてると信じられないね
佳織、優と千里をかわるがわる指差す
何か、楽になるきっかけがあったの?
千里、優に尋ねる
千里さんだよ
優、隣の千里を見る
沙織と佳織も、優の視線を追うように千里を見る
あ、あたし?
千里、みんなに見られてびっくり
僕が、落ち込んでるときに、「もっと自分に自信を持ちなよ」って、励ましてくれたことがあったじゃない?
「そんなこと、あったっけ」と、千里、照れ笑い
あれが一番最初のきっかけだったんだよ。
自分に自信が持てないから、人の評価が気になっちゃって、全部悪いこといわれてるみたいに感じるって仕組みに、ちょっと思い当たったの。
だからってすぐに治るもんではなかったんだけど
優、椅子の背もたれに寄りかかり、ちょっと視線を上げて、そのころのことを思い出す
うちにドロボーが入ったこともあったよね?
うん、偽吉田先生事件ね
あれもひとつのきっかけだったの。みんなで捕まえようと一生懸命、格闘してたとき、偶然、とび蹴りしてバランス崩した千里さんを受け止めて、さ、さ、さ、触っ…ちゃったんだど
優、千里を姫だっこしたとはさすがに言えなくて、1人で赤面
その時、なんでか、震えたり、気を失ったりしなかったの。僕、1m以内に女性が近付いただけでもパニックになるはずなのに
で、「あれ?どーして?」って思って。
でね、千里さんは、家族だから平気になったのかなって思ったんだ


そのあと、千里さんが家を出てかなければならない事件があって、でもそれが僕らの誤解だったってわかったとき、僕たちは自分でできる方法で千里さんを手伝うことにしたんだ
優、千里の温泉掘削騒動を、身振り手振りで小山内姉妹に説明
千里、「そんなことがあったねー」と懐かしそうに笑う
猛はダイナマイト使って、つるはし振るって一緒に温泉を掘って、
引きこもりの智だって、ちゃんと現場に行って千里さんを応援し
いつも1人で行動していた明が、みんなの輪の中で千里さんを心配していた
翔は、千里さんのために作戦を立てて、
僕はその作戦の実行するために、いやでいやでたまらなかった、女性タレントと2人っきりのデート企画をがんばることにした
生放送だし、パニックになったら、僕の芸能人生終わりかも、なんてドキドキしながら撮影に臨んだの


撮影前に、機材のトラブルがあって、僕は、ロケバスでその女性タレントさんと2人きりで待たなきゃならなくなったんだ
生放送も、女の人も慣れなくてドキドキしながら、早く時間が過ぎてくれるようにお祈りしていた
そしたら彼女、僕がひどく緊張してると思って、声をかけてくれたんだ
「大勢のスタッフさんに支えられている仕事なんだから、一緒にがんばって、いい番組にしましょうね」って
その通りだなーって思ったら、彼女が怖くなくなってきたんだ
そしたら、本番も震えなかった


優・・・
千里、優がトレジャーハンター建設にホームレスを臨時作業員として雇うらしいと突然喋り始めたときの姿を思い出す


そん時に僕、ちょっとわかったの。―――いろんな人がいるんだって
女の人の中には、いい人、悪い人。優しい人、怖い人。僕を女性恐怖症にしちゃった人もいるけど、尊敬できる人もたくさんいる。
男の人の中に、意地悪な人も、親切な人もいるのと同じなんだよなって
最初、どんな人かわかるまでは、ドキドキしちゃうけど、いい人だってわかっちゃえば大丈夫
だから、僕、今、普通で言うところの、人見知りが激しい人、程度にはなってるんじゃないかな
優、自分のことを話すのが恥ずかしくて、わしゃわしゃと項あたりの髪をかく


今では女性恐怖症のリバウンドなのか、その人のいいところを見つけると、大好きになっちゃうんだよ
沙織ちゃんは、じいやばあやに大事に育てられたから、他の人もすごく大事に出来る人だし
佳織さんは、僕の知らない新しい僕を、いつも見つけてくれる大事な仕事仲間だし
千里さんは、僕にとって…、大事な家族で…、それから…,あの、それから…
優、言いよどんでくちゃくちゃにストールを揉む
ああ、だめ、僕、もう、恥ずかしくなってきた
優、思わず顔を覆ってうつむいてしまう
どさくさにまぎれて、肝心な人に肝心なことを言おうと試みるも、恥ずかしさに沈没してしまう優


ありがとうございます。わたしも、優しい優さんが大好きです
私も、優さんがぐんぐん変わっていく時期に、一緒に仕事ができて、良かったと思うよ
優、よかったね
千里が優の背中をポンポンと叩く
自分が少し変われたことを千里に話せてうれしい優だけど、どさくさにまぎれて告白しようと思ったのに叶わず、ちょっと残念


頃合いよく、ハンバーガーが運ばれてきた
千里は、ラタトゥイユがおいしいベーカーズホットベジバーガー
沙織は大定番・ベーコンチーズバーガー
辛い物好きな佳織はゲットホットチリバーガー
優は男の子らしくダブルバーガー


沙織、サラダとポテトとバーガーの乗ったプレートを見つめて首を傾げる
バッと持って、ガッと食べればいいんだよ
隣の佳織が大雑把なアドバイス
見かねた優
はい。では食べ方講座します!
と、人差し指を立てて、みんなの注目を促す
え?食べ方があるの?
気軽に食べるファストフード店のハンバーガーしか食べたことない千里も注目


まず一回、ハンバーガーの上のバンズを、取ります。
はーい。
生徒、沙織と千里がいいお返事で優を真似る
で、自分の好きな味付け。ここのケチャップ自家製でおいしいんだよ
優、たっぷりケチャップを乗せる
あたしマスタード好き
千里、テーブルサイドのボトルに手を伸ばす
沙織は控えめに味付け
笑顔で沙織を見ている佳織も、一緒になってバンズをまくり、ケチャップ+マスタード+塩+コショウ
好みでピクルスを置いてね
ピクルス、と
野菜好きな千里、ちょっと欲張って乗せる
なんだか楽しいですね
沙織わくわく顔
そしたら、もう一回もとに戻しましょう。
戻しましたー
千里、沙織、優先生に「OKでーす!」と手を上げる
ここからは女の子らしい食べ方、ナイフとフォークを持ちましょう
はーい
がぶりと言ったほうが、おいしくない?
佳織が優先生に提案
「うん、わかる。」優、笑ってうなずく
でも女性は口が小さいから、こういうレストランのハンバーガーは半分に切ったほうが食べやすいと思うよ
優、上のバンズを軽く親指と人差し指で押さえて、ズレないようにナイフをいれ、きれいに半分に切る。
このサイズ、食べやすいし、ハンバーガーのがぶっと感も味わえるからお勧めなんだよ
え、もっと小さく切らないんですか?
せっかく持ったナイフ、フォークをワンアクションで置いてしまった優に沙織が質問
沙織ちゃん、ハンバーガーの楽しさは肉・パン・野菜をがぶっと噛み切るところにあるんだよ
優の変わりに、上品さとはちょっと違う楽しみを教えてあげる千里
もっとちっちゃく切ったら、バラバラになっちゃって、「ハンバーガー」オーダーした意味がないよね
ハンバーガー切らない派の佳織、うんうん頷いている
千里と沙織、優の説明どおり、ハンバーガーを半分に切ってみる


いっただっきまーす
みんなで挨拶して揃って一口ほおばる
もぐもぐしながら、千里、優、佳織、沙織の反応に注目
おいしいです!
沙織、大きくうなずく
お店選んだ佳織、ガッツポーズ
千里、優、ぱちぱち拍手
沙織、ハンバーガーデビューに大満足。早速、二口目もぱくり
千里ちゃん、ありがとうね
佳織が千里にウインク
え?
あなたと出会ってから、この子がどんどん元気になってったって、伊織姉が言ってたのがわかった
沙織、照れ笑い
千里さんは、私が何にも知らなくても、全然馬鹿にしないの。だからね、初めてのことも、思い切ってやってみようかなって気持ちにさせてくれるのよ。すごく感謝してる
あたしだって、女の子らしいこと、何にも知らないし
千里、恥ずかしそうに苦笑い
それにね、千里さんと一緒にいると、いろんなことが楽しくなるのが不思議なんです
みんなの顔を見ながらゆっくりうなずく沙織
千里さんは、誰かと一緒に楽しむの、すごく上手だよね
楽しむって言うか、すぐ、夢中になっちゃうのかも
千里、腕組みして、自己分析
でも、夢中になれるのは、大好きな人と一緒だからだよ。
千里、佳織を見て、
あたしも沙織ちゃんと友達になれてよかったです
と、笑う
優も満足気
だって、沙織の話は、そのまま優が千里に対して思っていることと同じだから
千里さんと一緒なだけで、何でいろんなことが楽しくなっちゃうんだろうって、優もいつも不思議に思ってた
それはもちろん、千里さんが僕にとって家族以上の存在だからに決まってるんだけど
沙織にすごく共感したんで、今の千里と佳織のやり取りを聞いて、まるで自分のことも大好きって千里に言われた見たいに感じられて、優、1人で赤面してしまう


あ、
ポテトにケチャップ追加してた佳織の手が止まる
どうしたの?
隣の沙織が気がつく
この色、見てて、思い出した
佳織、ポテトを一本つまんで、皿に取ったケチャップをすくう
あたしさ、日本にいるとき、実家で寝起きして、近所の仕事場に通うのね
唐突に話題が変わったことに首を傾げる千里
その途中に公園があるんだけど、そこにね、こういう派手な色の服着た男が、よくいるんだよね
優、その色のセレクトはセンスないなと眉根を寄せる
不審者ってわけじゃないけど、とにかく目立つ服だから、気になっちゃって
「どんな服なの?」と沙織が尋ねる
全身真っ赤の長い丈の上着に、ド派手な刺繍がしてあってさ
え?
あれ、なんていうんだっけ。日本のヤンキーが好んで着るような…
ええ??
髪も、いまどきリーゼントでさー
えええ???
佳織の説明に、顔を見合わせる千里、優、沙織
ねぇ、佳織さん、その男の人、こんな感じじゃ、なかったのかな?
知ってるの?
千里、バッグからペンを出して、備え付けの紙ナプキンに、良く存じ上げている男の全身図を描いて、佳織に見せる
あ、そうそう、こんな感じ!
猛!?
優、びっくりしてオネエキャラが出てしまい、両の拳を口元に当てる
猛さん!?
沙織も千里の絵を手にとって目を見張る
やっぱり!?
千里、思わず椅子から立ち上がる
ねぇ、この服なんていうの?
佳織がこの中で一番ファッションに詳しい優に質問
…特攻服
その様子を見ると、知り合い、なのかな
佳織、三人の反応に首を傾げる
多分、兄です。大蔵猛
え?お兄さん?
多分・・・。そんなファッションセンスの人間、そうはいないから
うちと千里さんちって、結構離れてますよね
うん。


猛、その公園で何してるんだろう?