フジテレビ火曜9時ドラマ『アタシんちの男子』を楽しみましょう!!
ドラマは感動のうちに幕を閉じましたが、まだまだ『アタ男』熱は冷めません。
終了したドラマなのでネタバレ含みます。ご承知おきください
『アタシんちの男子』をこれから見る方、ストーリー、次回予告、登場人物をお探しの方は、
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彼女を笑顔に変えるのは

今日は猛です

猛については、9話あたりでがっつり語った気がしたんで、もう書くことはないんじゃないかと思いましたが、翔くらい記事ののボリュームが出てしまいました(笑)。
例によって、記憶を頼りに書いています。思い込みで違っているところがあるかもしれません

そして、…長いです(笑)
お時間のある方は読んでみてください

大蔵 猛(27)岡田義徳

現役の暴走族で、 昼間は自慢のバイクでバイク便のバイトをしている。
昭和57年2月6日生まれ
趣味はギャンブル。
時代遅れのヤンキーで、基本的にKYなため、後輩にも疎まれている。
喧嘩っ早いが、弱い。おまけに見栄っ張りで、すぐ調子に乗って自分を大きく見せるための嘘をついてしまう。
甘い話には目がなくて、いつも何か事件に巻き込まれるトラブルメーカー。
酒を飲むと、人格が豹変。腰が低いお人よしになる。
ある事件がきっかけで、自分の本心を周囲に見せることができなくなった。
だが、ひとりになるのが恐いため、常に仲間とつるんでいる。
普段の猛は自分の弱みを隠すため、常に明るく振舞い、バカばかりしている。本当は誰よりも人を信じたいと思っている。
そして、傷ついた経験がある分、根は優しい。
自称「奇跡を呼ぶ男」
実はそれほど運はよくないが、ここ一番で本当に奇跡を呼ぶ?!


大好きな猛(笑)

キャラ男の中でも一番強いアクを持ち、『アタシんちの男子』以外の世界では生きていけないかもしれない男
最終回の酔ってお人よしに豹変で、キャラクター紹介はほぼ回収。でも、芝居だったみたいですね
KY設定よりも、字が読めないのが印象に残ります。『寄生虫×帰省中』『もろて×りょうて』(笑)
兄弟のトラブルメーカーでありムードメーカー。そして一番大事なペースメーカー
多分、猛が大蔵兄弟の色を決めたといっても過言ではないと思います
それは何でかというと、猛の登場人物紹介の一文、

普段の猛は自分の弱みを隠すため、常に明るく振舞い、バカばかりしている。本当は誰よりも人を信じたいと思っている。
そして、傷ついた経験がある分、根は優しい。

これは、風や翔にも変換可能なんですね。下手すると千里にも応用可です。
「常に明るく振舞い、バカばかりしている」を空白にして、それぞれの言葉を入れれば、優、智、明にも使えます
改めて振り返ると、登場人物紹介のボリュームが六兄弟中一番多かったんですね。まあ、一行二行の違いですけど
猛はキャラ変をしなかったことから見ても、物語の初期から、猛が背負っていた役割、機能は『アタシんちの男子』の根幹に関わるものだったってことだと思います
1話では、千里を追い出そうと画策します。やな奴でしたね。
2話では、明や千里を助けたり、翔と少しだけ和解したり、千里を認めてくれたりします。結構いい奴じゃんと変わります。
3話では、的外れながらも優のコンプレックス解消のための企画を考えたり、
4話では、力の狂言誘拐に協力します。的外れだけど、家族の情を感じさせてくれます。
5話では、風の暴露で千里を城から放逐しますが、そのおかげで千里を更に理解することができ、カウンターとなってより絆が深まります
6話では、トラブルメーカーを風に譲って、コメディーメーカーに徹します。高級カツラをめぐって右往左往。でも、これが実はリビングの鍵穴のありかを示す物語機能を果たします。
これ、バイク便クビ宣告(2話)⇒秘密のアタッシュケース請負(5話)⇒ダイナマイトで温泉発破(5話)⇒ダイナマイトは弁護士の仕込み(6話)って、すごい長いネタ振りがされてるんだもん。侮れないよ、『アタ男』ってやつは
7話では、明の努力を一緒に支え、明のために怒り、明のために泣きます。猛の感情の沸点がなければ、兄弟の涙は各々の心にしまわれたままでいたと思います。思い合うお互いの姿を見せ合うことができたのは『夢邪気=無邪気』な猛がいてくれたからです。
8話では、翔が裏切られることを予見していたかのごとくに、嫌味なほど翔に絡みますが、きちんと情の通った兄弟の結束を見せてくれます。
9話では、猛の葛藤の原因である父親が現れ、千里、弁護士、風の後押しで和解。兄弟の進む道を示すように、一足先に城を出ます。
そこには、血のつながりも住む場所も関係ない。大事なのは絆なんだという、本当の家族の姿を示すメッセージが込められていました。
10話では、城を放逐された千里の様子から兄弟の危機を察知、奇跡を呼ぶ男が城に戻ります。猛というピースがはまると、とたんに兄弟が兄弟らしく活気づくのが象徴的でした。またにぎやかにケンカをはじめ、千里をめぐる恋の鞘当も活発になります。穏やかな翔を乱すだけでも大したもんですよ。猛は大蔵兄弟のペースメーカーでもあったんですね
11話では、兄弟一丸となって最後の関門に挑みます。ちゃんと最後まで恋のバトルも煽ります(笑)。表面的には面白がっているようにしか見えないけど、城に一人遺される千里のことを心配しているんですよね。
そして、兄弟との別れに涙する千里。でも、兄弟を自分勝手で止めるのではなく、ちゃんと、みんなにお礼をいいます。猛との別れを経て、千里も成長したんですね。
そんな千里を微笑ませたのはやっぱり猛でした。でもこれは、兄弟みんなの気持ちですよね。兄弟みんなの気持ちを、かっこ悪くても一番きちんと表現できるのが猛なんです。さわやかに笑いあって別れる兄弟と千里。
すがすがしくも淋しいラストシーンをぶっ壊してくれたのは、やっぱり猛でした。いい話で終わるはずだったのに、大蔵動物園にあっという間に逆戻り。たちまち千里も元気になって大声で兄弟を怒鳴りつけ、「あんたちなんか大っきらい!」と困り顔では隠しきれない笑顔も覗かせ、『アタシんちの男子』は幕を閉じました。

『大蔵6兄弟』を生かすも殺すも猛次第って、大袈裟な表現ではないと思います。
アタシんちの男子の表面を覆っているコメディの部分や、わかりやすさ、明るさを支えているのは、猛のキャラクター背負っているダメな部分だったと思います
時代遅れのヤンキー、KY、喧嘩っ早いが弱い、見栄っ張り、調子乗り、嘘つき、甘い話には目がない、事件に巻き込まれるトラブルメーカー
これは他の兄弟も同様なんですけどね。智の引きこもりや暴力キャラ、優の女性恐怖症やオネエキャラ、明の上から目線なのにいじめられっ子・・・、なんかがこれにあたります
特にドラマ序盤、兄弟間の空気が出来上がって、間で笑いを作り出せるようになるまでのあいだ、猛=岡田さんの背負っておいたものはものすごいものがあったのではないかと思います
1話2話で猛が飛ばしていたのも、作劇的に、そんな理由があったのかもしれませんね。
徐々にキャストの結束が高まり、役に馴染んでいくに従って、私たちの大好きな『アタ男』になって行ったんですね。
今にして思えば、売れっ子キャストの首根っこ押さえて、合宿でもやってから撮影に入れば、序盤からイケイケだったのかなあなんて、思ってみたりしますが。まあ、無理な話ですよね。
公式HPのインタビューで岡田さんが話していたことの中に「仕掛ける」という印象的な言葉がありました

(Q:男性キャストについて)芝居で何か仕掛けると、みんなそれに乗っかってくれるというか、さらに上をいってやろう、みたいなパワーを出してくれるので凄く嬉しいです。だから、僕も遠慮しないで全力でやれるし…。コメディーの部分って、自分も楽しまなければいけないし、より真剣にやらないといけないと思うんです。
(Q:堀北さんについて)こっちがどういう仕掛けをしても、ちゃんと返してくれるんですよね。それは前に共演したときから感じていたので、今回も何の不安もなくやれています。

最年長者が下りてくるって大事だと思います。真剣に取り組む姿を見せるというのは、親父の背中的に他のキャストにも良い影響を与えると思いますよ。真剣な演技には真剣に返す。年齢もキャリアもばらばらな兄弟や千里のラリーが目に浮かぶようです。翔との額くっつけた罵り合いや智とのYO合戦、明をくしゃくしゃにいじり倒したり…、バカなシーンもまじめなシーンも全力疾走している気持ちよさ。キャストのかもし出す空気の温かさや清々しさも、『アタ男』の忘れられない魅力だと思います
猛は『アタ男』の軽い部分を押さえていたと同時に、千里とともに『アタ男』の情を支えていました。
誰よりも大きく喜怒哀楽を表現している猛と千里は、見ているわたしたちの感情の開放点でもあったと思います。まさしく名コンビ。この二人が爆発すれば号泣必至でした。
大きなところでは、明の母親への悲しい怒り。猛と千里の「行かないで」のシーンなんかが象徴的だと思います。この感情のMAXのボリュームがあったから、落書き兄貴が変な顔でいいこと言った後の千里の微妙な表情も生きるんだと思います。兄弟の旅立ちのシーンでも、猛のVサインに表情の緩む千里。ほんと、この二人は兄妹のよう。最強ですよ。
アタシんちの男子』のメインテーマ「血のつながりなんて関係ない。お互いに思いあってこその家族。それはどこにいても一緒なんだよ。」ってことを、心に突き刺さるように表現してくれたのは、この二人のすばらしい俳優さんだったと思います。

猛の役柄的にも、兄弟千里と満遍なくかかわっているし、『アタ男男魂』最多出場ってとこや、番宣での茶々入れから見て、キャストのいい空気を岡田さんが作っていたってことは、間違いないんじゃないかと思います。
だから、物語はいったん幕を引きましたが、猛が赤い特攻服を羽織れば、ほかのみんなもあっという間に大蔵家に戻れるんじゃないかと思いますね。
それが、SPの現場とかなら言うことないんですけど(笑)

今日も長い記事になってしまいました。
でも、書いてみて、猛はととても大事なキャラだったと再確認

『アタ男』の華が翔だとしたら、兄弟を象徴している猛は根幹。眩しいほどの華やかさと物語の骨格。『アタシんちの男子』のすばらしい両輪だったと思います。
てことは、兄弟たちは循環する水分、養分。または成長して種子果実。千里は陽射ってことなのかな。
・・・って、最後ややこじつけ気味?


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