アタシんちの男子のその後を考えよう

ちょっと、オリジナルキャラ投入
馴染むかどうか、こちらもテスト
こんなことしてて、いいのかな・・・（笑）

ネカフェを出た後の千里、田辺家に畑の手伝いを依頼に来ます

田辺家の庭に駆けて来る千里
義男さーん

庭にある冷蔵庫の傍に、小柄な青年が立っているのに気づく
あの〜
？
義男さんに、ご用ですか?
あ、はい
そうですか
千里、義男の家に走りながら、大声で
義男さーん。お客さんー！
元気な千里の後姿を笑って見ている青年
おー千里、よく来たな
お客さんだよ
お、そうか
義男、庭を歩いてくる青年に気づく
？・・・あ！太郎ちゃん
千里、太郎ちゃんと呼ばれた青年を振り返る
ご無沙汰しています
人懐っこい笑顔で笑う青年。義男にお辞儀をする
まあ、上がれ上がれ
暑かったろ、今、冷たいもん、入れるから
あ、あたしやろーか?
いいのか？
うん
じゃあ、たのむよ
千里、勝手知ったるキッチンへ
さあ、太郎ちゃん、こっちへ
義男、青年を座敷へ招き入れる

千里が麦茶を入れていたところへ義男がくる
あ、今、行くとこだよ
千里、お盆に載せた麦茶のグラスを掲げる
あ、そうじゃないんだ
？
あの子、俺と新造の親友の息子なんだ
太郎ちゃんって人?
そうなんだ。
千里を、新造の子どもって、紹介してもいいもんかどうかって・・・
あたしは平気だよ。新造さんも、親父も、どっちもあたしの父親だし。
義男さんに任せるよ、と千里、うなずく。

さあさあ、お待たせ
太郎ちゃん、こいつは千里といって、こいつの親の代から親戚みたいに付き合ってるんだ
千里、こちらが湊本太郎ちゃん。俺の、学生時代からの友達の息子だ
はじめまして、と千里と太郎、お互いに挨拶
太郎ちゃんは、いくつになった?
２５になりました
え！
びっくりした千里、あわてて口を押さえる。太郎、千里の様子を見て笑う
気にせんでえぇよ、童顔だもんで、いまだによく、高校生と間違われるし
ごめんなさい。高校生とは思わなかったけど、あたしと同じくらいかと・・・。って、あ、これも失礼か・・・
千里、頭をかく
千里の様子を見て、義男と太郎、笑いだす
早いなあ、おじさんが歳をとるわけだ。
はい
親父の一郎も、太郎ちゃんに負けず劣らずの童顔だったんだよ
今はもうしわくちゃになりました
お母さんも元気か?
はい。オカンなんか、もー、えー加減にせーゆうほど、元気です
あはは、と笑う太郎の顔を千里が不思議そうに眺める
言葉・・・
あー、へんでしょ
不思議な、関西弁?
まあ、そうかな。ちっちゃい頃、親父が転勤族やったもんで、言葉がめちゃくちゃになって。
へー
北陸ベース関西ミックス広島風味?見たいな
明るい口調で千里を笑わせる
二人の様子をしみじみ見る義男。
義男さん？
義男の様子に気づいた千里が声をかける
おじさん子どもがいないだろ？親友の子どもが一緒にいるとこ見て、なんだかしみじみしちゃってな。
ちょっと、目尻を拭う。
５０歳を過ぎたら、涙もろくなっちゃって
やだなー義男さん。大げさなんだから
千里が隣に座っている義男の肩を揺する
太郎、義男と千里を微笑んで見ている

すまなかったね、太郎ちゃん。今日は、ゆっくりできるのかい?
仕事できてるんで、あまりゆっくりは・・・。
そうか、残念だな。
でも、少しこっちに滞在するんで、またよらせてもらいます
楽しみにしてるよ。お、そういえば、千里は何の用事で来たんだっけな
あたしは、仕事が見つかるまで、義男さんちで、畑、手伝わせてくれないかなーってお願いしに
おお、大歓迎だよ。いつでもおいで
ありがとう。よかったー
バイト代はあまり出せないから、現物支給をつけるよ
うん。
めずらしいね、女の子が農作業って
千里はそこらの男の子よりたくましいんだよ
やだなー

柱時計が三時を打つ

あ、義男さん、あたしそろそろ。人を待たせてるの、忘れてた。
お、そうか。明日から、来るのか？
うん。よろしくお願いします
千里ちゃん、またここで会うかもしれんね
そうですね
それじゃと、お辞儀をして、あわただしく千里は田辺家を後にする
義男と太郎が手を振って見送る

あーあー、相変わらず慌しいな、千里は
駆け出す千里をかわいくてしょうがないという目で見送る義男
まるで転びはしないかと小さい子を心配するように、縁側まで出て千里の後姿を見送る

義男の後姿に、太郎が声をかける
義男さん、
ん？
千里ちゃんのご両親って、俺の知ってる人?
え？太郎ちゃん、急に、どうしたんだ？
さっき、義男さん、親友の子どもって、言うたん。・・・覚えてる?
・・・
千里ちゃんは、新造さんの娘なん?
背中に問いかけられている義男。困惑した表情で千里の消えた方角を見る