アタシんちの男子のその後を考えよう

図面の話の続きです
DVDの付録の見取り図を見る前に作った話なので、巻物とは、合っていません
ごめんなさい

加筆修正あります。
いつもすみません

夜８時過ぎたら、リビングに集合

夕飯も済んで、それぞれのんびり

猛は当て布しながら、特攻服のアイロン掛け。刺繍を傷めないように慎重に。その神経、日常生活でも発揮しろよというほどに繊細に。
優はごひいきのブランドの内覧会のチェック。数枚の案内状と、自分のスケジュールを引き合わせ、頷いたり、首をひねったり
智と明はトランプ。スピードで対戦。智は、判断は早いが運動神経がやや悪いので、中学生の割に冷静な明とほぼ互角の戦い。白熱しすぎて、紙製のトランプカードがちょっと傷み気味
風は、「日本おもちゃ協会」の役員会に出席していて、まだ帰ってきていない
リビングに翔が入ってくる
何も言わずにニコニコしているので、まず猛が引っかかる
きもちわりーな、何、ニヤニヤしてんだよ
猛の声に優も顔を上げる
スピードの勝負が終了し、「やったー」と両手を上げる明と、「だー！！」と悔しそうに盤面荒らす智
今日のお土産ー
翔がテーブルに昼間コピーした図面を広げる
兄弟、何だ何だと覗き込む
お！
トリックハート城じゃねーか
へ〜
あ、ここ、俺の部屋
俺はここ
兄弟、図面を覗き込んで、あれこれ言い合う
明、「アイロン！」と気づく
お！俺の命より大事な特攻服が！
慌ててアイロン持ち上げる猛
当て布はちょっと変色していたけど、裏地が少し縮れた程度
ほっと胸をなでおろす猛
裏側でよかったねー
ってか、気をつけろよ。
注意散漫
優、智、明にトリプルツッコミを食らう猛
うるせー、なんとでも言いやがれ
猛、特攻服の無事を喜び抱きしめる
おめーが珍しく手土産なんか持ってくるからだろ？
猛、翔に八つ当たり
俺のせいかよ
翔、顔をゆがめる
あれ、でもこれ部屋が足りない
智が図面を指差す
ほんとだ
優も図面の上を指でたどって確認している
そうなんだよ、まだ途中の図面なんだよ。完成品が見つからなくて
んだよ、ちゅーとはんぱなもん、持ってきやがってー
うるせー。
完成版、ないの？
どっかにはあるらしいんだけど、これと同じところにはなかった
翔が残念そうに首をかしげる
まとめて置いとけばいいのに
ほんとだな
うんうんうなずく明と智
だからー、俺たちで書き足しちゃえばいいじゃねーかと思ってさ。お前たち、どうせ、暇だろ？
翔が兄弟を指差しながらウインク
年がら年中、ヒマ人みたいな言い方すんな！
翔の言い方が癇に障った猛が反論
あと、どこにアイロンかけってるんだよ
翔の言葉に、特効服を広げて見る優、智、明
特攻服のプレスは完璧。
猛、建設現場やめて、クリーニング屋に就職したら？
ファッション大臣のお墨付きの仕上がり
智、ちょっと疑いの眼で翔を見る
また、からくり箱のときみたいに、俺たちに宿題やらす気じゃねーだろーな
今日は違うよ
翔、手を振って否定
僕、やってもいいよ
お！
明は乗り気
僕も。うちの地図、あってもいいよね
優も、賛成。
よし、やろうぜー
翔、デスクのペン立てをテーブルに持ってくる
サインペンを取り、自分の部屋に「翔」と書き入れる
貸して、僕の部屋も書く
明がペンを受け取る
なあ、千里は？
翔がリビングを見まわす
キッチンで片付けものかな
優が首を傾げる
んだよ、連れて来いよ
猛、翔の背中を叩く
翔、千里を呼びにキッチンへ続く階段を上がる
俺が行く！
と立ち上がりかけた智
おいおい、ここの萬菜庵の出前のからくり、どうなってんだ？
猛が智のパーカーを引っ張って図面を示す
あ゛？どーでもいいだろ、そんなことは
完璧な図面作りたいから
明、サインペンで積極的に要所要所を書き込んでいる
優も、ちょっと気になるな、と言った表情で、キッチンのほうを見る

あれ？
キッチンはしっかり片付いているけど千里はいない
手ぶらで帰っても、どうせまた猛に「探して来い」と言われるのが目に見えてるので、そのまま千里を探しに行く翔

星でも見ているのかとバルコニーに回って見るが不在
たぶん、ここだとあたりをつけていただけに、変だなと首をひねる翔
あいつ、どこに雲隠れしてやがんだ？
８時以降は自分の部屋の電気がつかえないから、恐怖時計の部屋に篭ってもいないだろうし
翔、手すりのところまで出て、いつかの千里の真似して星を見上げる
今日は三日月よりもちょっと太った月齢４日の夕月だけど、早々と沈んでしまうので、今は空に月は見えない
そのかわり、月がない分、星明りが冴える

「さて、どこを探そうか」と、星空から視線を下ろすと
あ
千里、発見